補助金の書類はいつ捨てられますか?年度の終了後5年間は残します

補助金の書類は、入金された時点では終わっていません。補助事業が終わった年度の終わりから、さらに5年間とっておくものがあります。

実績報告が通って入金まで済んだので、見積書や領収書の束を片づけてしまった、といったことはありませんでしょうか。流山市・柏市・松戸市の事業者様からのご相談をもとに整理します。

この記事の結論

  • 帳簿と証拠書類は、補助事業の終了日が属する年度の終了後5年間保存します
  • 機械装置などを買った場合は、取得財産等管理台帳を作って管理します
  • 補助事業の経理は、ほかの経理と分けて記録します(区分経理)

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代表 村田圭
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5年の数え始めは「事業が終わった年度の終わり」です

小規模事業者持続化補助金の公募要領には、保存の期間がこう書かれています。補助事業に関係する帳簿および証拠書類を補助事業の終了日の属する年度の終了後5年間保存すること、です。

ここで読み違えが起きます。数え始めは補助事業が終わった日ではありません。その日が入っている年度の終わりです。

国の補助金の年度は3月末で切れます。たとえば補助事業が10月に終わったなら、その年度の終わりは翌年の3月末です。5年を数えるのは、その3月末からになります。

つまり、事業の終了から数えると5年より長くなります。10月に終わった事業なら、実際には5年5か月ほど手元に置くことになります。

保存期間の数え始め 事業の終了日 年度の終わり ここまで保存 まだ数え始めない ここから5年間 出典:小規模事業者持続化補助金 一般型 公募要領

残すのは、金額を確認できる一式です

では何を残すのか。公募要領は「帳簿および証拠書類」と書いています。実務では、1つの支出について次の流れがそろっている状態を指します。

見積りを取ったこと、発注したこと、納品されたこと、支払ったこと。この4つが別々の紙で裏付けられるようにしておきます。

とくに落ちやすいのが、相見積りの選ばなかったほうの見積書です。採用した1社分だけを残して、比べた相手の分を捨ててしまう例があります。金額の妥当性を示す書類なので、こちらも対象です。

機械装置を買った場合は、写真も残します。公募要領では、納品前後や据付後の写真を残すよう求められています。設置された状態が分かる1枚があると、後の確認が早く終わります。

場面 残す書類 つまずく点
見積り採用した見積書と、比べた他社の見積書選ばなかった分を捨ててしまう
発注発注書、契約書、注文請書口頭発注で紙がない
納品納品書、検収の記録、現物の写真写真を撮らないまま据付が終わる
支払請求書、振込の控え、通帳の記録現金払いで相手の領収書だけになる
取得財産取得財産等管理台帳、備品台帳台帳を作っていない

取得財産等管理台帳は、作っておくものです

補助金で機械装置などを買った場合、書類だけでなく現物の管理も求められます。公募要領には、取得財産等管理台帳を含め、備品台帳等を作って整備してくださいと書かれています。

台帳には、何を、いつ、いくらで買って、どこに置いてあるかを書きます。最初に1枚作っておけば、あとは買い足したときに行を増やすだけです。

この台帳が効くのは、処分の相談が出たときです。単価50万円(税抜き)以上のものは処分制限財産にあたり、処分制限期間のうちに手放すなら、先に事務局の承認が必要になります。台帳があれば、どれが制限の対象かをすぐ切り分けられます。

台帳がないと、5年後に「これは補助金で買ったものだったか」の確認から始まります。買った本人が辞めていることもあります。

補助事業の経理は、分けて記録します

もう1つ、公募要領に書かれているのが区分経理です。補助事業を行うにあたっては、当該事業について区分経理を行ってくださいとあります。

難しく考える必要はありません。会計ソフトで補助事業用の補助科目を1つ作る、あるいは専用のファイルに領収書を集める、それだけでも区分になります。

大事なのは、補助対象経費がその事業に使ったと明確に区分でき、証拠書類で金額を確認できる状態になっていることです。日々の経理に混ぜてしまうと、後から抜き出す作業が発生します。

なお、決算書そのものの作り方や税務上の扱いは税理士の領域です。労働保険や社会保険の手続きが絡む場合は社労士へおつなぎします。

補助金の書類の保存でよくある質問

電子データで残しておけばよいですか

公募要領は媒体を限定していないため、求められたときに提示できる形であれば電子でも差し支えありません。ただし、スキャンした画像が読めるか、保存先が5年後も開けるかは別の問題です。クラウドのサービスが終了する場合もあるので、原本もしばらく置いておくのが安全です。

5年のあいだに、何か提出するものはありますか

補助金によっては、事業化状況の報告を毎年求められます。保存と報告は別の義務なので、両方のカレンダーを持ってください。報告の年に書類を見返すことになるため、保存している意味がここで出てきます。

税務の帳簿の保存年数と同じですか

別の制度なので、年数の数え方も一致しません。補助金のほうは補助事業の終了日が属する年度の終了後から数えます。どちらか長いほうに合わせて残しておけば、両方を満たせます。年数の判断で迷ったときは、短いほうに合わせないことだけ決めておいてください。

補助金の保存をケースで確認

自分の案件に置き換えて読んでみてください。答えは隠してあります。

ケース1 流山市の製造業です。補助事業の完了日は昨年10月31日で、実績報告も入金も終わりました。会社の事業年度は12月決算です。帳簿と証拠書類は、いつまで残せばよいでしょうか。

ア 完了日の昨年10月31日から5年。今年を含めて5回目の10月末まで

イ 国の年度の終わりである今年3月31日から5年

ウ 自社の決算日である昨年12月31日から5年

答えと解説を開く

答え:イ

公募要領は「補助事業の終了日の属する年度の終了後5年間」と書いています。ここでいう年度は補助金の年度なので、3月末です。昨年10月に終わった事業の年度の終わりは今年3月31日で、そこから5年を数えます。

アは、完了日から直接5年を数えています。これだと数か月足りません。ウは自社の決算日に引き寄せていますが、保存の起算日は会社の事業年度ではありません。自社が12月決算でも3月決算でも、この5年は動きません。

ケース2 柏市の飲食店です。補助金で厨房機器を1台、税抜き80万円で買いました。3年たって店を改装するため、この機器を下取りに出す話が出ています。どう進めるのが正しいでしょうか。

ア 補助金はすでに入金済みなので、下取りに出してから事務局に報告する

イ 下取りに出す前に事務局へ承認を申請し、承認を受けてから手放す

ウ 取得財産等管理台帳から行を消し、帳簿上の管理を終えてから下取りに出す

答えと解説を開く

答え:イ

単価50万円(税抜き)以上のものは処分制限財産にあたります。公募要領には、処分制限期間内に処分する場合は必ず事務局へ承認を申請し、承認を受けた後でなければ処分できないと書かれています。順番が逆になると、承認のない処分になります。

アは入金の完了を手続きの完了と考えています。入金はお金の話で、財産の管理はその後も続きます。ウは台帳の扱いを承認の代わりにしています。台帳は自社の管理の道具で、承認は事務局が出すものです。消しても手続きは済みません。

ケース3 松戸市の小売店です。補助事業の経費を、ふだんの仕入と同じ勘定科目でまとめて入力していました。実績報告のときに事務局から経費の内訳を求められています。何が足りないでしょうか。

ア 領収書の原本。コピーしか残していないので原本を取り寄せる必要がある

イ 区分経理。補助事業の経費をほかの経理と分けて記録することが求められている

ウ 決算書。補助事業だけの決算書を別に作る必要がある

答えと解説を開く

答え:イ

公募要領は、補助事業について区分経理を行うよう求めています。補助対象経費はその事業に使ったと明確に区分できることが条件なので、ふだんの仕入に混ぜると切り分けができません。補助科目を分けるか、専用のファイルに集めるかで対応できます。

アは原本の話にずらしています。原本が必要な書類はありますが、このケースで困っているのは「どれが補助事業の分か」の切り分けです。ウは別の決算書を作ると考えていますが、求められているのは決算書ではなく、経理の区分です。帳簿の中で分けてあれば足ります。

流山市の事業者様からのご相談

流山市の事業者様から、補助金の書類の置き場所についてご相談をいただいたことがあります。入金まで終わって3年たち、事務所の棚を整理したいという内容でした。

うかがうと、支払いの控えと領収書は残っていましたが、比べたほうの見積書が見つかりませんでした。採用した1社分だけを綴じて、残りは処分していたそうです。

取引先に照会して再発行の相談をしましたが、3年前の見積書が出てくるかは相手次第です。あわせて取得財産等管理台帳を作り、現物の設置場所を書き入れました。残す単位を「1つの支出につき4枚」と決めておけば、この迷いは起きません。

書類の整理でつまずかないためのワンポイントアドバイス

補助事業が終わったら、箱の表に日付を2つ書いてください。1つは補助事業の終了日、もう1つはその年度の終わりから5年後の日付です。

この2つ目の日付が、箱を開けてよい日になります。年度の数え方を毎回思い出す必要がなくなり、担当者が変わっても判断が揺れません。

台帳のほうは、買った日に1行書くのがいちばん楽です。あとでまとめて作ろうとすると、型番と設置場所を探す作業から始まります。

補助金の書類の保存のまとめ

  • 帳簿と証拠書類は、補助事業の終了日が属する年度の終了後5年間保存します
  • 数え始めは事業の終了日ではなく、その年度の終わりです
  • 見積り、発注、納品、支払の4つがそろう形で残します
  • 機械装置などは取得財産等管理台帳を作って管理します
  • 補助事業の経理は、ほかの経理と分けて記録します

自力で進めてつまずくのは、保存の起算日を事業の終了日だと考えてしまう場面です。数か月のずれが、確認を受けたときに書類がない状態を作ります。

行政書士むらた事務所では、流山市・柏市・松戸市を中心に(内容によってはオンラインで全国対応)、補助金の申請書類の作成と、交付決定後の各種変更・報告の書類づくりをお引き受けしています。

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「どの書類を残せばよいか分からない」の状態で構いません。初回相談は無料です。当事務所へのご相談はHPまたは公式LINEから24時間受け付けております。

あわせて、補助金は入金されて終わりではありません。事業化状況報告は5年続きますもご覧ください。

是非お気軽にご相談ください。

代表 村田圭
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契約書のことでお困りではありませんか?
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複雑な手続きは専門家にお任せください。初回相談は無料です。
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