補助金と助成金は何が違いますか?窓口と財源から分かれています
補助金と助成金は、言葉の雰囲気ではなく窓口と財源が違います。雇用関係の助成金は雇用保険の二事業が財源で、雇用保険の適用事業所であることが前提になります。
どちらも同じようなものだと思って調べ始めた、といったことはありませんでしょうか。流山市・柏市・松戸市の事業者様からのご相談をもとに整理します。
この記事の結論
- 補助金等は法律で定義があり、相当の反対給付を受けない給付金とされています
- 雇用関係の助成金は財源が雇用保険の二事業で、雇用保険の適用事業所であることが要件です
- 名前に補助金とあるか助成金とあるかで中身は決まりません。要領を読んで判断します
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補助金という言葉には、法律の定義があります
国の補助金については、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に定義が置かれています。この法律でいう補助金等とは、国が国以外の者に対して交付するもののうち、補助金、負担金、利子補給金、そしてその他相当の反対給付を受けない給付金であつて政令で定めるものです。
読んでいただきたいのは「相当の反対給付を受けない」という部分です。何かを納品する代わりにもらうお金ではありません。仕事の代金とは性質が違います。
だからこそ、使い方の報告が求められます。見返りのない給付だからこそ、目的どおりに使ったかを後から確かめる仕組みが置かれているわけです。
この法律は国の補助金についてのものですが、県や市の補助金も考え方は同じ形で組まれています。先にお金が出て終わりではなく、あとで確かめられるという点は共通しています。
雇用関係の助成金は、雇用保険が土台です
一方の助成金です。厚生労働省の助成金のご案内には、助成金の財源は事業主拠出の雇用保険二事業ですと書かれています。
財源が雇用保険ですから、受け取る側の要件もそこに結びつきます。案内では受給できる事業主として、雇用保険適用事業所の事業主であることが挙げられ、支給申請日及び支給決定日の時点で雇用保険被保険者が存在する事業所の事業主であることとされています。
ここが補助金といちばん違う点です。人を雇っていない事業者は、雇用関係の助成金の対象になりません。ひとりで事業をしている方が助成金を調べて見つからないのは、制度の性質によるものです。
そして、申請の期限も案内に書かれています。支給申請の期限は原則、各助成金の支給要領に定める日の翌日から起算して2か月以内です。郵送の場合は期限内に届いている必要があるとされています。
もう1つ、審査に協力することも要件に挙げられています。調査で申請の内容と事実が違っていた場合には、支給済みの助成金の返還を求められるとされています。
| 見るところ | 補助金 | 雇用関係の助成金 |
|---|---|---|
| 財源 | 国や自治体の予算 | 事業主拠出の雇用保険二事業 |
| 前提 | 公募の要件を満たすこと | 雇用保険の適用事業所であること |
| 使いみち | 設備、販路開拓、開発など | 雇用や処遇の改善の取組 |
| 申請の時期 | 公募の期間内 | 要領に定める日の翌日から2か月以内が原則 |
| 相談の窓口 | 国や県、市の担当課、商工会議所など | 労働局やハローワーク |
表のとおり、調べる場所からして違います。どちらを探すのかを決めないまま検索すると、関係のない制度ばかり出てきます。
名前で判断できないので、要領を読みます
ややこしいのは呼び名です。自治体の制度には助成金という名前のものがあり、雇用に関係しないものも少なくありません。反対に、補助金という名前で人の採用に関わるものもあります。
ですから、名前を見て決めないでください。確かめるのは3つです。誰が出しているのか、財源は何か、受けるための前提は何かです。
この3つは必ず要領や公募要領に書かれています。雇用保険の適用事業所であることが前提に入っていれば、雇用関係の助成金の仲間だと分かります。
もう1つ見ておきたいのが、お金が出る時期です。補助金は使ったあとに実績を報告してから入るのが原則で、先に全額を立て替えることになります。この点は当事務所の別の記事で詳しく書いています。
助成金も、取り組みを実施してから支給申請をする形が基本です。どちらも、先にお金が届いて始めるものではないと考えておくと計画を誤りません。
補助金と助成金でよくある質問
どちらが取りやすいのでしょうか
取りやすさは制度ごとに違うため、種類の違いでは決まりません。ただ、雇用関係の助成金は雇用保険の適用事業所であることが前提になるので、人を雇っていない事業者はまず補助金のほうを探すことになります。
補助金と助成金を両方受けることはできますか
制度ごとに取り決めがあります。同じ経費に対して二重に受けることは認められないのが通常ですので、公募要領と支給要領の併給についての記載を必ず確認してください。対象の経費が分かれていれば、別々に申請できる場合があります。
申請の期限を過ぎてしまいました
雇用関係の助成金では、支給申請の期限は要領に定める日の翌日から2か月以内が原則とされ、郵送なら期限内に届いている必要があるとされています。期限を過ぎた分については、次に使える制度を探すほうが早いことが多いです。
補助金と助成金をケースで確認
ご相談の形を3つ挙げます。
ケース1 ひとりで事業をしていて、設備を買いたい
雇用関係の助成金は、雇用保険の適用事業所であることが前提です。従業員を雇っていない場合は、設備や販路開拓に使える補助金のほうを探す形になります。公募の期間が決まっているため、まず公募の時期を調べるところから始めてください。
ケース2 人を採用して、研修をしたい
こちらは雇用関係の助成金が視野に入ります。雇用保険の適用事業所であること、そして支給申請日と支給決定日の時点で被保険者がいることが前提になります。取り組む前に要領を読み、計画の届出が必要なものかを確かめてください。
ケース3 市の制度を見つけたが、名前が助成金だった
名前だけでは判断できません。誰が出しているか、財源は何か、前提は何かを要領で確かめてください。雇用保険の適用事業所であることが条件に入っていなければ、雇用関係の助成金とは別の仕組みです。窓口がどこかを見れば、おおよその見分けはつきます。
制度を見つけたときに、最初に確認する5点
出しているのは誰か、申請できる期間はいつまでか、受けるための前提は何か、対象になる経費は何か、お金はいつ入るかです。この5点を1枚のメモにしてから社内で相談すると、話が早く進みます。とくに「お金はいつ入るか」は資金の手当てに直結するので、最初に押さえてください。
流山市の補助金・助成金についてのご相談
当事務所では、補助金のご相談をいただいたときに、まず従業員を雇っているかどうかをうかがっています。ここで探す場所が変わるためです。
流山市の事業者様から、助成金を使って機械を買いたいというご相談をいただいたことがあります。調べていたのは雇用関係の助成金でした。
雇用関係の助成金は雇用や処遇の改善の取組に対するもので、機械の購入は想定されていません。設備に使える補助金の公募時期をお伝えし、そちらの準備に切り替えています。探す場所を変えただけで、使える制度が見つかりました。
補助金と助成金でつまずかないためのワンポイントアドバイス
制度の名前ではなく、窓口を見てください。労働局やハローワークが窓口なら雇用関係の助成金、県や市の担当課や商工会議所なら補助金の系統です。これだけで、読む資料を絞れます。
そして、お金が入る時期を先に確かめてください。どちらも後払いが基本です。設備を買う計画であれば、支払いの資金を先に用意しておく必要があります。
社会保険や労働保険の手続きが絡む助成金は社労士の分野になります。当事務所では、補助金の申請書類の作成や添付書類の整理をお引き受けし、助成金については社労士へおつなぎしています。
補助金と助成金の違いのまとめ
- 補助金等は相当の反対給付を受けない給付金として法律に定義があります
- 雇用関係の助成金の財源は事業主拠出の雇用保険二事業です
- 助成金は雇用保険の適用事業所であることが前提になります
- 助成金の支給申請は要領に定める日の翌日から2か月以内が原則です
- 名前では判断できないので、出し手・財源・前提の3点を要領で確かめます
- どちらも後払いが基本で、資金は先に用意します
自力で進めてつまずくのは、名前だけで制度を選んでしまう場面です。前提を満たしていない制度の資料を読み込んでも、申請には進めません。
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あわせて、補助金は先にもらえますか?後払いが原則で、先に全額を立て替えますもご覧ください。
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