補助金の報告は終わってからだけ?途中にも状況報告があります
補助金の報告は、事業が終わってから出す実績報告だけではありません。法律には、事業の遂行の状況について報告する規定が別に置かれていて、年度をまたぐ場合は会計年度の終了時にも報告します。
報告は最後に1回だと思っていた、といったことはありませんでしょうか。流山市・柏市・松戸市の事業者様からのご相談をもとに整理します。
この記事の結論
- 補助事業の遂行の状況について報告する規定があります
- 実績報告は事業が完了したときに出しますが、会計年度が終了した場合も同様とされています
- 報告の内容によって、遂行すべきことを命じられたり、一時停止を命じられることがあります
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法律には、途中の報告が書かれています
補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に、状況報告という条文があります。
条文はこうです。補助事業者等は、各省各庁の長の定めるところにより、補助事業等の遂行の状況に関し、各省各庁の長に報告しなければならない。
短い条文ですが、報告が最後の1回ではないことがここで分かります。事業をしている途中の状況についての報告が、別に置かれているという形です。
「各省各庁の長の定めるところにより」とあるので、いつ何を出すかは補助金ごとの取り決めで決まります。交付決定の通知や交付要領に、提出の時期が書かれているかを確認してください。
求められていない補助金もあります。ただ、求められたときに「そんな報告は知らない」とはならないように、根拠を押さえておく意味があります。
年度をまたぐときは、年度末にも出します
見落とされやすいのが、実績報告の条文の後ろのほうです。
実績報告について、補助事業者等は、補助事業等が完了したときは、成果を記載した補助事業等実績報告書に定める書類を添えて報告しなければならないとされています。ここまでは想像どおりだと思います。
そのあとに、こう続きます。補助金等の交付の決定に係る国の会計年度が終了した場合も、また同様とする。
つまり、事業が終わっていなくても、年度が終われば同じように報告するという形です。工期が年度をまたぐ工事や、導入が年明けになる設備で関わってきます。
年度の終わりは3月です。1月や2月に納品がずれ込む計画を立てているときは、年度末の報告が入るかどうかを交付の窓口に確認してください。検収や支払の日取りが、報告の内容に直結します。
| 場面 | 何を報告するか |
|---|---|
| 事業の途中 | 補助事業等の遂行の状況 |
| 会計年度が終了したとき | 実績報告と同じ扱いの報告 |
| 事業が完了したとき | 成果を記載した実績報告書と定められた書類 |
| 事業を廃止する承認を受けたとき | 完了したときと同じ扱いの報告 |
表の2行目と4行目が、意識から抜けやすい場面です。終わっていなくても報告が入ります。
報告を見て、命令が出ることがあります
報告は出して終わりではありません。出した先で何が起きるかも条文に書かれています。
各省各庁の長は、補助事業者等が提出する報告等により、その補助事業等が交付の決定の内容又はこれに附した条件に従つて遂行されていないと認めるときは、これらに従って遂行すべきことを命ずることができるとされています。
そして、その命令に違反したときは、補助事業等の遂行の一時停止を命ずることができると続きます。
ここで出てくる「これに附した条件」が大事です。交付決定の通知に条件が書かれていることがあり、その条件も守る対象になります。通知を読まずにしまっていると、条件に気づけません。
完了後の流れも条文にあります。報告を受けた側は、書類の審査と必要に応じて行う現地調査等により成果を調査し、適合すると認めたときは交付すべき補助金等の額を確定し、通知するとされています。報告が通って初めて金額が決まる、という順番です。
補助金の報告でよくある質問
途中の報告は、どの補助金でも必要ですか
条文は「各省各庁の長の定めるところにより」としているので、提出の時期や様式は補助金ごとに決まります。交付決定の通知と交付要領を見てください。書かれていない場合は、窓口に確認するのが確実です。
年度末の報告と、完了したときの報告は両方出すのですか
年度をまたぐ事業では、両方が入ることになります。年度末の報告を出したあとに事業が完了すれば、完了の報告も出す形です。日程が近い場合もあるので、早めに窓口へ確認してください。
報告が遅れそうなときはどうすればよいですか
期限の前に窓口へ連絡してください。黙って遅れると、遂行の状況が分からない状態になります。条文には報告等により遂行されていないと認めるときの命令の規定があるので、連絡を入れておくことに意味があります。
補助金の報告をケースで確認
ご相談の形を3つ挙げます。
ケース1 設備の納品が年明けになりそうだ
年度をまたぐ形になるので、会計年度の終了時の報告が入るかを確認してください。納品と検収と支払のどこまでが年度内に終わるかを、先に窓口へ伝えておくと話が早く進みます。
ケース2 計画していた機械が手に入らず、別の機種にしたい
内容の変更は、報告の前に承認の手続きが入ることがあります。交付決定の内容と条件に従って遂行することが求められているので、変えるなら先に相談という順番です。
ケース3 途中の報告を求められたが、まだ何も買っていない
買っていないこと自体が問題になるわけではありません。計画の進み方と、これからの予定を書いて出してください。白紙で出さずに、状況をそのまま書くのが正しい対応です。
報告のために、事業中からそろえておくもの
交付決定の通知の写し、交付要領、見積書と発注書、納品書と検収の記録、請求書と振込の控え、設置した現場の写真、そして報告の提出期限を書いたメモです。この7つを1つのファイルにまとめておくと、途中の報告も完了の報告も同じファイルから作れます。写真は設置の前後を撮っておいてください。
流山市の補助金についてのご相談
当事務所では、補助金の交付決定が出たあとに、報告の時期を一緒に書き出しています。期限が複数あることに気づいていただくためです。
流山市の事業者様から、設備の納品が年明けになりそうだというご相談をいただいたことがあります。報告は事業が終わってから1回だと思っておられました。
年度の終了時の報告が入る可能性をお伝えして、窓口に確認しました。結果として、年度内に検収まで終える段取りに組み替えています。報告の期限から逆算して、納品の日取りを決めました。
補助金の報告でつまずかないためのワンポイントアドバイス
交付決定の通知が届いたら、報告の期限をカレンダーに入れてください。通知と交付要領に書かれています。
そして、交付決定に付けられた条件を読んでください。条件に従って遂行されていないと認められると、命令の対象になります。読むのは最初の1回で済みます。
年度をまたぐ計画のときは、3月をまたぐかどうかを先に見てください。またぐなら、年度末の報告が入るものとして日程を組むほうが安全です。
補助金の報告のまとめ
- 補助事業の遂行の状況について報告する規定があります
- 実績報告は完了したときに出しますが、会計年度が終了した場合も同様とされています
- 事業の廃止の承認を受けたときも、完了と同じ扱いで報告します
- 提出の時期や様式は補助金ごとの取り決めで決まります
- 報告により条件どおりでないと認められると、遂行の命令や一時停止の命令が出ることがあります
- 完了の報告が審査されて、補助金の額が確定します
自力で進めてつまずくのは、報告は最後に1回だと思って年度末を越えてしまう場面です。期限は交付決定の通知に書かれています。
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