補助金の申請後に住所が変わったら?登録事項変更届を速やかに出します
補助金の申請が通ったあとに会社の名前や住所が変わったときは、届出が1枚いります。事業の中身を変えるときの承認とは別の手続きです。
事務所を移転したけれど、補助金の事務局には何も出していない、といったことはありませんでしょうか。流山市・柏市・松戸市の事業者様からのご相談をもとに整理します。
この記事の結論
- 事業者名や所在地、代表者が変わったときは「登録事項変更届」を速やかに提出します
- こちらは届出なので、事前の承認は要りません
- 事業の内容や経費の中身を変えるときは、別に承認の申請が必要です
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届出で足りるものと、承認が要るものがあります
補助金の手続きでいちばん混ざりやすいのが、ここです。変更といっても2種類あって、求められるものが違います。
1つは補助事業者そのものの情報が変わった場合です。会社の名前、所在地、電話番号、代表者などです。これは届出で足ります。
もう1つは補助事業の中身が変わる場合です。買うものを変える、経費の配分を変える、といった話です。こちらは事前に承認を受けます。
小規模事業者持続化補助金の事務局は、前者についてこう案内しています。該当する項目に変更がある場合には、速やかに「登録事項変更届」をご提出ください。
順番が逆にならないのが、この2つの違いです。届出は変わったあとに出すもので、承認は変える前にもらうものです。
届出の対象になる項目は決まっています
事務局の案内に、項目が並んでいます。個人・法人の別、事業者名(法人名または屋号)、郵便番号と所在地、電話番号、代表者役職名、代表者名です。
見落としやすいのが個人・法人の別です。個人事業で申請して、途中で法人成りした場合がここに当たります。
もう1つが屋号です。会社の登記名は変えていなくても、お店の名前を変えたなら対象になります。登記の有無とは別の話です。
電話番号も入っています。固定電話をやめて携帯に切り替えた、という変更も届出の対象です。事務局からの連絡が届かなくなると、そこで手続きが止まります。
提出はJグランツから行います。事務局の案内では、事業の詳細にある提出可能な申請の一覧から「登録事項変更届」を選び、確認の書類とチェックリストを一緒に添えるとされています。
| 変わったもの | 手続き | 出すタイミング |
|---|---|---|
| 事業者名、屋号 | 登録事項変更届 | 変わったあと、速やかに |
| 所在地、郵便番号 | 登録事項変更届 | 変わったあと、速やかに |
| 電話番号 | 登録事項変更届 | 変わったあと、速やかに |
| 代表者役職名、代表者名 | 登録事項変更届 | 変わったあと、速やかに |
| 個人・法人の別(法人成り) | 登録事項変更届 | 変わったあと、速やかに |
| 買うもの、経費の配分 | 変更承認の申請 | 変える前に |
「速やかに」に日数は書かれていません
期限について、事務局の案内は速やかにとしています。何日以内という数字は示されていません。
数字がないと、つい後回しになります。そこで、実務では登記や届出をした日に合わせて出すと決めてしまうのがよい方法です。
移転なら、法人の登記変更を司法書士に頼んだその日です。代表者の交代なら、株主総会と登記の手続きが終わった日です。ほかの手続きと束ねておけば、忘れません。
そして、所在地が変わるときは補助金以外にも届出が並びます。許認可の変更届、税務署、年金事務所です。届出の一覧を1枚作って、その中に補助金の行を足しておくのが確実です。
変更届を出さないと、どこで困るか
いちばん多いのは、連絡が届かないことです。事務局からの通知や確認は、登録された情報に向かって出ます。
実績報告の時期の案内、不備の連絡、事業化状況報告の依頼。これらが古い住所に送られると、気づかないまま期限が過ぎます。
もう1つは、提出した書類と登録情報が食い違う形です。実績報告に新しい社名で請求書を出すと、登録されている名前と合いません。確認のやり取りが増えます。
なお、登記や税務の手続き自体は当事務所の業務ではありません。登記は司法書士へ、税務は税理士へ、労務や社会保険の手続きは社労士へおつなぎします。
補助金の登録事項変更届でよくある質問
採択される前に住所が変わりました
審査の途中でも、登録されている情報は使われます。採択の通知や交付申請の案内が届かなくなるので、そのまま放置しないでください。申請の段階と採択後で窓口が違う場合があるため、まず事務局に電話で確認してから出すのが早道です。
法人成りしたら、補助金はどうなりますか
個人・法人の別は登録事項の1つなので、届出の対象です。ただし、補助事業を引き継げるかどうかは別の論点で、補助金の種類によって扱いが変わります。法人成りを決めた段階で事務局に確認してください。あとから届け出るより、先に相談するほうが選択肢が残ります。
届出を出し忘れていたことに、いま気づきました
気づいた時点で出してください。遅れたこと自体より、連絡が届かないまま期限を過ぎることのほうが影響が大きいです。あわせて、その間に事務局から届いていた通知がないかを確認してください。郵便の転送期間が切れていると、こちらに届いていないものがあります。
補助金の変更手続きをケースで確認
自分の案件に置き換えて読んでみてください。答えは隠してあります。
ケース1 流山市の小売店です。補助金の交付決定を受けたあと、店舗を同じ市内で移転しました。補助事業の内容は何も変えていません。何をすればよいでしょうか。
ア 事業の内容が変わっていないので、手続きは不要
イ 登録事項変更届を速やかに提出する
ウ 変更承認の申請をして、承認を受けてから移転する
答えと解説を開く
答え:イ
所在地は登録事項の1つです。事務局は、該当する項目に変更がある場合は速やかに登録事項変更届を提出するよう案内しています。事業の内容が変わっていなくても、所在地が変われば届出の対象です。
アは、事業の中身だけが手続きの対象だと考えています。登録情報と事業内容は別の管理です。ウは承認の手続きを当てています。承認は事業の中身を変えるときのもので、移転そのものに事前承認は要りません。順番の考え方も逆です。
ケース2 柏市の製造業です。補助金で機械を買う予定でしたが、見積りを取り直して別の型番にしたくなりました。価格は税抜き80万円のままです。どう進めるのが正しいでしょうか。
ア 登録事項変更届を出してから、新しい型番で発注する
イ 変更承認の申請をして、承認を受けてから発注する
ウ 金額が変わらないので、そのまま発注して実績報告で説明する
答えと解説を開く
答え:イ
買うものが変わるのは補助事業の中身の変更です。公募要領では、単価50万円以上の機械装置などを変更する場合、先に承認を受けることが求められています。発注の前に申請します。
アは届出と承認を取り違えています。登録事項変更届は会社の情報が変わったときのものです。ウは金額が同じなら足りると考えていますが、対象は金額ではなく買うものです。承認のない変更は、実績報告のときに対象外とされる可能性があります。
ケース3 松戸市の飲食店です。補助金の申請は個人事業のときに出しました。採択されたあとに法人を設立し、事業を法人へ移すことを考えています。最初にすることは何でしょうか。
ア 法人を設立してから、登録事項変更届で個人・法人の別を直す
イ 法人の設立前に事務局へ確認する
ウ 法人の設立と同時に、補助金を取り下げる
答えと解説を開く
答え:イ
個人・法人の別は登録事項なので届出の対象ですが、補助事業そのものを個人から法人へ引き継げるかは補助金の種類によって扱いが変わります。設立してから相談すると、取れる選択肢が減ります。先に確認するのが順番です。
アは手続きとしては間違っていませんが、引き継ぎの可否を確かめる前に法人を作ってしまっています。ウは取り下げを前提にしています。引き継げる場合もあるので、確認の前に決める話ではありません。
流山市の事業者様からのご相談
流山市の事業者様から、補助金の実績報告の案内が来ないというご相談をいただいたことがあります。採択の通知は受け取っておられた案件でした。
うかがうと、半年前に事務所を移転しておられました。許認可の変更届は出していましたが、補助金の登録事項変更届は出していませんでした。郵便の転送期間も切れていました。
事務局に連絡して案内を再送していただき、登録事項変更届を出して登録情報を直しました。報告の期限には間に合っています。
移転のときの届出先は、思っているより多いところです。許認可、税務、年金、そして補助金。この4つを1枚の紙に並べておくだけで防げます。
届出を忘れないためのワンポイントアドバイス
移転や代表者の交代を決めた日に、「届出先リスト」を1枚作ってください。項目は、どこへ、何を、いつまでに、の3つだけです。
そこに補助金の行を必ず入れることです。許認可や税務は気づくのに、補助金は抜けます。お金をもらう手続きなので、終わったつもりになるからです。
そして、郵便の転送届も一緒に出してください。期間には限りがあるので、転送が切れる前に登録情報を直し終えるのが安全です。
補助金の登録事項変更届のまとめ
- 事業者名、所在地、電話番号、代表者などが変わったら登録事項変更届を出します
- 提出は速やかに。日数は示されていないので、登記や届出の日に合わせて出します
- 届出は事後、承認は事前。順番が逆になりません
- 買うものや経費の配分を変えるときは、先に承認を受けます
- 出さないと、事務局からの連絡が届かなくなります
自力で進めてつまずくのは、許認可の変更届だけを出して補助金を忘れる場面です。連絡が届かないことに気づくまで、半年かかることがあります。
行政書士むらた事務所では、流山市・柏市・松戸市を中心に(内容によってはオンラインで全国対応)、補助金の申請書類の作成と、交付決定後の各種変更・報告の書類づくりをお引き受けしています。
登記は司法書士へ、税務は税理士へ、労務や社会保険の手続きは社労士へおつなぎします。
「何を出せばよいか分からない」の状態で構いません。初回相談は無料です。当事務所へのご相談はHPまたは公式LINEから24時間受け付けております。
あわせて、補助金で買うものを変えたい?単価50万円以上は先に承認が要りますもご覧ください。
是非お気軽にご相談ください。
複雑な手続きは専門家にお任せください。初回相談は無料です。


