補助金の支払いは現金でもいい?振込でないと経費に認められません
補助金で買ったものの代金は、銀行振込で払います。現金払いや相殺、代引き、手形、ファクタリングは認められていません。支払いは振込の記録で確認されるため、払い方を間違えると、その経費は対象から外れます。
取引先との関係で現金でまとめたい、といったことはありませんでしょうか。流山市・柏市・松戸市の事例をもとに整理します。
補助金の支払いの結論
- 支払いは銀行振込の実績で確認されます
- 現金払い、電子マネー、相殺払い、代引き払い、手形、小切手、ファクタリング等は認められていません
- 証拠書類は見積りから支払いまで一式そろえ、5年間保管します
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振込の記録で確認されます
まず確認の方法です。事業再構築補助金の実績報告書等作成マニュアルは、代金の支払いについて銀行振込の実績で確認するとしています。
そして、認められない支払い方法が並べて示されています。現金払い、電子マネーの利用、他の取引との相殺払い、代引き払い、仮想通貨、手形、小切手、ファクタリング等です。
よくある相談が、相殺です。相手から買い、相手に売っている関係だと、差額で清算することがあります。帳簿の上では決済が済んでいても、振込の記録が出てきません。
代引きも同じです。受け取りと同時に払えるので便利ですが、振込ではありません。便利な払い方が、そのまま対象外になります。
書類は10種類ほど並びます
次に、そろえる書類です。マニュアルは費目ごとに示していますが、機械装置やシステム構築費の場合はこう並びます。
見積依頼書(仕様書)、見積書、相見積書、契約書、納品書または引渡書、検収書、設置後の写真、請求書、代金支払済みを示す証票、通帳のコピーです。
数えると10種類あります。建物費も同じ構成で、工事請負契約書と完了後の写真が入ります。外注費なら、仕様に合致していることがわかる成果物等が加わります。
見積りの枚数については補助金の見積りは1社でいい?50万円以上は2社、中古品は3社ですもあわせてご覧ください。経理や税務の取扱いは税理士へ、労災や雇用の手続きは社労士へおつなぎします。
検収書が抜けやすいところです
この並びの中で、いちばん抜けるのが検収書です。
納品書は相手が持ってきます。請求書も届きます。ところが検収書は、受け取った側が作る書類です。誰も持ってきてくれません。
日付と、何を受け取ったか、確認した人の名前。これが書いてあれば足ります。納品に立ち会った日に、その場で書くのが確実です。
写真も同じです。設置が終わった日に撮っておかないと、あとから撮り直しになります。機械装置については型番とシリアル番号がわかるものを求められますので、銘板を写しておいてください。
| 書類 | 用意する人 | 撮り忘れ・作り忘れ |
|---|---|---|
| 見積書・納品書・請求書 | 取引先 | 届くので残りやすいです |
| 検収書 | 自分 | いちばん抜けます |
| 設置後の写真 | 自分 | 型番と番号が写っているか |
5年間は捨てられません
そろえた書類は、提出したら終わりではありません。
マニュアルには、実績報告書を提出した年度以降の5年間は、各証拠書類を保管する必要があると書かれています。
5年です。事業化状況報告も同じく続きますので、そのあいだは関係書類を一式残しておくことになります。
通帳のコピーも含まれます。記帳を続けていない口座だと、あとから出せません。補助事業の支払いに使う口座は、記帳または取引明細の保存を続けてください。
補助金の支払いでよくある質問
Q. 取引先が振込に対応していません。現金で払ってよいですか。
マニュアルでは現金払いは認められないものとして挙げられていて、支払いは銀行振込の実績で確認するとされています。その取引先にどうしても現金しか選べない事情がある場合は、その経費を補助対象に含めない前提で計画を組むか、取引先を変えるかの判断になります。発注の前に確認してください。
Q. 手付金を現金で払ってしまいました。
認められない支払い方法に現金払いが挙げられていますので、その部分の扱いは事務局への確認が必要です。残額を振込にしても、現金で払った部分の振込記録は出てきません。気づいた時点で、どこまでが対象になるかを事務局に相談するのが先になります。
Q. 社長個人のカードで払って、あとで会社から精算しました。
マニュアルは補助事業者の支払いを振込の実績で確認するとしています。立替えと精算が入ると、誰がいつ払ったかが追いにくくなります。補助事業の経費は、申請した事業者の口座から直接振り込むのが基本の形です。
補助金の支払いの理解度クイズ
Q1. 支払いは何で確認されるでしょう。
A. 領収書
B. 銀行振込の実績
C. 帳簿の記載
答えを見る
正解:B。通帳のコピーも提出します。
Q2. 認められない支払い方法に含まれないものは。
A. 相殺払い
B. 代引き払い
C. 銀行振込
答えを見る
正解:C。手形や小切手も認められません。
Q3. 証拠書類は何年間保管するでしょう。
A. 3年間
B. 5年間
C. 10年間
答えを見る
正解:B。実績報告書を提出した年度以降の5年間です。
相殺で清算していた事例
流山市で製造業を営む方から、ご相談をいただいたことがあります。補助金で機械を入れる計画で、売り先が仕入れ先でもある関係でした。
ふだんは買った分と売った分を相殺して、差額だけ振り込んでいました。長い付き合いの中でできた形です。
ところがマニュアルでは、他の取引との相殺払いは認められていません。このまま進めると、機械の代金の振込記録が残りません。
対応として、この機械についてだけ全額を振り込んで、売った分は別に受け取る形に分けました。手間は増えましたが、補助対象として通りました。
発注する前のワンポイントアドバイス
まず支払い方法を取引先に伝えてください。全額を振り込むこと、相殺や代引きにしないこと。発注の時点で言っておけば、あとで揉めません。
次に、検収書の雛形を1枚作ります。日付、品名、数量、確認者の名前。これだけの紙でよいので、納品の日に書けるようにしておきます。
そして、設置が終わった日に写真を撮ります。全体と、型番の銘板の2枚です。
最後に、支払いに使う口座を決めて記帳を続けること。5年後に出せる状態にしておきます。
補助金の支払いのまとめ
- 支払いは銀行振込の実績で確認されます
- 現金払い、電子マネー、相殺払い、代引き払い、仮想通貨、手形、小切手、ファクタリング等は認められません
- 証拠書類は見積りから支払いまで10種類ほど並び、検収書は自分で作ります
- 機械装置の写真は型番とシリアル番号がわかるものを求められます
- 実績報告書を提出した年度以降の5年間、証拠書類を保管します
つまずくのは、金額でも書類の数でもなく払い方です。ふだんの取引の形が、そのまま使えないことがあります。
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