補助金はやめるのも承認が要ります。中止と廃止で結末が変わります

補助金で始めた事業をやめるときも、事務局の承認が必要です。しかも「中止」と「廃止」は別物で、中止は再開予定日を書いて止めるもの、廃止は承認と同時に交付決定が取り消されるものです。黙ってやめると、どちらにもなりません。

採択されたけれど、計画どおりに進められなくなった、といったことはありませんでしょうか。流山市・柏市・松戸市の事例をもとに整理します。

補助事業をやめるときの結論

  • 中止も廃止も、事務局の承認を得なければなりません
  • 中止は再開予定日を入れて止めるもの、廃止は交付決定が取り消されるものです
  • 申請は事象が判明したときに直ちに行います

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代表 村田圭
代表 村田 圭
⚖ 登録番号 第26101461号
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やめるにも承認が要ります

まず、手続が要るのかという点です。事業再構築補助金の補助事業の手引きには、補助事業を中止又は廃止する場合には、補助事業の中止(廃止)の承認を得なければなりませんと書かれています。

やめる話なので届け出るだけでよさそうに見えますが、承認を得るという書き方です。こちらから申請して、事務局が審査します。

根拠は交付規程です。手引きは第12条第1項第4号として補助事業の全部若しくは一部を中止し、又は廃止しようとするときを挙げています。「一部」でも対象になるところが見落としやすい点です。

提出する書類は補助事業中止(廃止)承認申請書で、様式第3-2として示されています。手続はJグランツから行います。

中止と廃止で結末が変わります やめ方を選ぶところから手続です 共通 中止も廃止も、事務局の承認を得なければなりません 中止を選ぶと 再開される予定日を選択します 再開後は完了期限日までに 完了させ、実績報告をします 廃止を選ぶと 承認と同時に、交付規程に基づき 交付決定取消しとなります 概算払を受けていれば返還です 申請の時期 事象判明時、直ちに 書類 補助事業中止(廃止)承認申請書(様式第3-2)/Jグランツから申請

中止は再開予定日を書きます

では中止と廃止はどう違うのか。手引きと交付規程は2つを並べて書いていて、言葉の定義そのものは置かれていません。違いは、申請の画面で入れる項目にはっきり出ます。

事務局の中止(廃止)承認申請のマニュアルを見ると、申請では中止か廃止かを選択し、中止又は廃止する理由をできるだけ詳しく入力することになっています。そして中止・廃止日を選びます。

ここで中止を選んだ場合だけ、もう1つ欄が出ます。補助事業を再開される予定日を選択する欄です。

つまり中止は、戻ってくる前提で止める手続です。マニュアルには補助事業の再開後、補助事業完了期限日までに補助事業を完了させ、実績報告をする必要がありますと書かれています。止めている間に完了期限日は延びません。

廃止は交付決定が取り消されます

廃止のほうは結末が違います。マニュアルには廃止申請が承認された場合は、併せて交付規程第22条に基づき、交付決定取消しとなりますと書かれています。

承認されたら終わり、ではありません。承認と取消しが同時に起きます。手引きも廃止申請は、承認と同時に、補助金交付決定が取り消されるためという書き方をしています。

そして、すでにお金を受け取っている場合の扱いも示されています。概算払で補助金を受け取っている場合は、補助金の返還を求めますです。

ですので、どちらを選ぶかは言葉の響きの問題ではありません。再開する見込みがあるかどうかで決めることになります。

申請は「直ちに」です

時期の決まりも見ておきます。手引きが示しているのは事象判明時、直ちにです。日数ではありません。

何日以内と書かれていないので、かえって迷うところです。設備が入らないと分かった日、取引先から断られた日、資金の手当てがつかないと判断した日。その日が起点という読み方になります。

申請したあとは事務局の審査に入ります。マニュアルには差戻しがあり得ることも書かれていますので、理由の書き方が足りないと往復します。理由をできるだけ詳しくという指示は、ここに効いてきます。

やめる判断を先に固めてから手続を考えるのではなく、迷い始めた時点で相談するほうが選べる道が多く残ります。

項目 中止 廃止
承認 必要です 必要です
入れる欄 再開される予定日 理由と廃止日
交付決定 残ります 取消しになります
受け取った補助金 事業を完了させて実績報告 概算払の分は返還を求められます

減らすだけなら計画変更です

やめるのではなく、規模を小さくしたい場合もあります。こちらは中止や廃止ではなく、計画変更の話になります。

手引きは経費の配分を動かす場合について、各配分額の10パーセント以内の流用増減は申請不要としています。逆に言えば、10パーセントを超えて動かすなら申請が要ります。

また、買うものを変える場合も、補助対象から外れる場合も計画変更の申請が必要とされています。同じ用途の別機種に替えるつもりでも、対象から外れれば手続が発生します。

単価50万円以上のものを変えるときの承認については補助金で買うものを変えたい?単価50万円以上は先に承認が要りますに書きました。あわせてご覧ください。経理や税務の取扱いは税理士へ、労災や雇用の手続きは社労士へおつなぎします。

補助事業の中止・廃止でよくある質問

Q. 事業をやめただけで、申請はしていません。どうなりますか。

手引きは、中止または廃止をする場合に承認を得なければならないとしています。申請をしていなければ、形の上では補助事業が続いていることになり、完了期限日までに実績報告をする立場が残ります。気づいた時点で事務局に連絡し、中止と廃止のどちらで出すかを含めて相談してください。

Q. 中止にしておけば、あとから廃止に変えられますか。

マニュアルは中止と廃止をそれぞれ別の申請として扱っています。中止の承認を受けたあとで再開できないと判断した場合に、改めて廃止の申請をするという流れになります。ただし運用の細かいところは事務局の判断になりますので、再開の見込みが薄いときは最初の申請の前に確認するほうが確実です。

Q. 補助金はまだ1円も受け取っていません。それでも返還の話になりますか。

手引きが返還を挙げているのは、概算払で補助金を受け取っている場合です。受け取っていなければ、その返還の対象にはなりません。ただし廃止が承認されると交付決定そのものが取り消されますので、その後にその事業で請求することはできなくなります。

補助事業の中止・廃止の理解度クイズ

Q1. 補助事業をやめるとき、手引きは何を求めているでしょう。

A. 事後の報告だけ

B. 事務局の承認

C. 手続は不要

答えを見る

正解:B。中止も廃止も承認を得なければなりません。

Q2. 申請の画面で、中止を選んだときだけ出る欄は。

A. 再開される予定日

B. 返還の予定額

C. 取消しの同意

答えを見る

正解:A。戻ってくる前提で止める手続です。

Q3. 廃止が承認されると、同時に何が起きるでしょう。

A. 完了期限日が延びます

B. 交付決定が取り消されます

C. 次回の加点になります

答えを見る

正解:B。概算払を受けていれば返還を求められます。

1年止めて再開した事例

流山市で製造業を営む方から、ご相談をいただいたことがあります。補助金で機械を入れる計画でしたが、発注先の納期が大幅に延びたという連絡が入った段階でした。

このままでは完了期限日に間に合いません。やめるしかないと思われていましたが、お話をうかがうと機械そのものは必要で、時期だけの問題でした。

そこで廃止ではなく中止で出す形にしました。理由に納期の事情を書き、再開予定日を入れました。

ここで大事だったのは、中止でも完了期限日は動かないという点です。再開してから期限日までに終わるかを先に逆算して、間に合う日付で申請しました。間に合わないと分かっていたら、廃止を選ぶ判断もありました。

判断する前のワンポイントアドバイス

まず完了期限日を確認してください。交付決定通知書に書かれています。中止にするか廃止にするかは、この日付から逆算して決まります。

次に、概算払を受けているかどうかを確かめます。受けている場合、廃止を選ぶと返還の話になります。

そして、やめる理由を書き出しておきます。マニュアルは理由をできるだけ詳しく入力するよう求めています。あとから聞かれて思い出すより、判断した日に残しておくほうが正確です。

最後に、規模を小さくするだけで済むかを考えます。経費の流用が10パーセント以内なら申請も要りません。やめる前に、残せる形があるかを探してください。

補助事業の中止・廃止のまとめ

  • 中止も廃止も、事務局の承認を得なければなりません
  • 申請は事象判明時、直ちに行います
  • 書類は補助事業中止(廃止)承認申請書(様式第3-2)で、Jグランツから申請します
  • 中止では再開される予定日を選択し、再開後は完了期限日までに完了させて実績報告をします
  • 廃止が承認されると交付決定取消しとなり、概算払を受けていれば返還を求められます

つまずくのは、やめる決断そのものではなくやめ方の選び方です。中止と廃止で、残るものが変わります。

行政書士むらた事務所では、流山市・柏市・松戸市を中心に(内容によってはオンラインで全国対応)、補助金の計画変更と中止・廃止の承認申請の書類作成をお引き受けしています。経理や税務の取扱いは税理士へ、労災や雇用の手続きは社労士へおつなぎします。

「このまま続けられるか分からない」という段階で構いません。初回相談は無料です。当事務所へのご相談はHPまたは公式LINEから24時間受け付けております。

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