補助金で買うものを変えたい?単価50万円以上は先に承認が要ります
採択された計画は、あとから変えられます。ただし順番があります。先に承認を取れば通り、買ってから申請すると補助対象から外れます。単価50万円以上のものを別のものに変えるときが、その分かれ目です。
交付決定のあとに機種が廃番になった、見積りが上がった、といったことはありませんでしょうか。流山市・柏市・松戸市の事例をもとに整理します。
計画変更の結論
- 計画は変えられますが、あらかじめ承認を得る必要があります
- 単価50万円以上の物品の変更や、配分額の変更が対象です
- 事後の申請は認められず、その経費は補助対象外になります
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計画は変えられます。先に承認を取れば
採択されたときの計画どおりに、最後まで進むとは限りません。機種が生産終了になる、工期がずれる、施工の方法を変えたほうがよくなる。現場では普通に起きます。
こうしたときのために、計画を変える手続きが用意されています。事業再構築補助金では、補助事業計画変更(等)承認申請書という様式をJグランツから出します。
大事なのは順番です。手引きは、あらかじめ承認を得る必要があるとしたうえで、事後承認はできませんと書いています。
そして、事後に申請した場合の扱いも明記されています。事後申請の場合は、補助対象外となります。買ってから相談しても、その経費は落ちません。
承認が要るのは4つの場合です
では、どんな変更に承認が要るのか。手引きは、次のいずれかに当たる場合としています。
- 補助対象経費の区分ごとに配分された額を変更するとき
- 取得する補助対象物品や、受けようとした役務等を変更するとき(単価50万円(税抜き)以上のものに限る)
- 補助事業実施場所を変更するとき
- 図面の変更等があるとき
実務でいちばん多いのが2つめです。同じ用途の別メーカーに変える、型番が変わる。これも変更にあたります。
ここに単価50万円(税抜き)以上のものに限るという線が引かれています。つまり、それより安いものの入れ替えは、この手続きの対象になりません。
3つめの実施場所の変更は、見落とされがちです。工場を借り替えた、設置する棟を変えた。設備そのものは同じでも、置く場所が変われば変更です。
| 起きたこと | 承認申請 | 注意するところ |
|---|---|---|
| 単価80万円の機械を別の型番に変える | 要ります | 発注の前に出します |
| 単価30万円の備品を別のものに変える | 対象外です | 50万円が線です |
| 機械装置費から外注費へ5パーセント動かす | 要りません | 10パーセント以内の流用増減 |
| 機械装置費から外注費へ20パーセント動かす | 要ります | 配分額の変更にあたります |
| 設置する建物を変える | 要ります | 実施場所の変更です |
これは事業再構築補助金の手引きに書かれている内容です。補助金ごとに金額の線や区分の名前が違いますので、実際に申請する補助金の手引きで必ず確認してください。
10パーセント以内なら、申請は要りません
すべての変更に手続きが要るわけではありません。手引きは、各配分額の10パーセント以内の流用増減は、申請不要としています。
流用というのは、経費の区分をまたいで金額を動かすことです。機械装置費が少し余って、外注費が少し足りない。この付け替えが10パーセントに収まっていれば、そのまま進められます。
ただし、10パーセントはそれぞれの配分額に対しての割合です。全体の金額に対してではありません。ここを読み違えると、知らないうちに超えます。
見積りが動いたら、その都度、区分ごとの金額を並べて確かめてください。あとでまとめて計算すると、超えていたことに実績報告で気づきます。
金額は増やせません
もうひとつ、はっきり書かれていることがあります。計画を変更しても、交付決定時点の補助金申請額を上回ることはできません。
資材が高騰して総額が上がった。よくある話ですが、上がったぶんは自己負担になります。補助金の額が一緒に上がることはありません。
逆に、安く収まったときは、そのぶん補助金も減ります。補助金は決まった額が出るのではなく、かかった経費に率をかけて出るためです。
ですので、計画を変えるときに考えるのは「承認が通るか」だけではありません。変えたあとの自己負担がいくらになるかを、先に出しておいてください。
期間の区切りについては、補助金は納品まで終えれば対象?支払いを済ませないと経費になりませんもあわせてご覧ください。なお、経費の税務上の取扱いは税理士へ、雇用に関する助成金の申請手続きは社労士へおつなぎします。
計画変更でよくある質問
Q. 機種が廃番になりました。同等品なら申請は要りませんか。
単価50万円(税抜き)以上のものであれば、同等品でも変更にあたります。手引きは、取得する補助対象物品や役務等を変更する場合を対象としており、性能が同じかどうかでは区別していません。廃番の連絡を受けた時点で、発注の前に相談してください。
Q. 先に発注してしまいました。あとから申請できますか。
できません。手引きは、事後承認はできない、事後申請の場合は補助対象外となる、としています。気づいた時点で事務局に連絡して、その経費を外した形で進められるかを確認することになります。黙って実績報告に載せないでください。
Q. 資材が上がって総額が増えました。補助金も増えますか。
増えません。交付決定時点の補助金申請額を上回ることはできないと明記されています。増えた分は自己負担になりますので、計画を変える前に、その金額を出して判断してください。区分の中で収まるよう組み替えられることもあります。
計画変更の理解度クイズ
Q1. 承認申請の対象になる物品の単価はいくら以上でしょう。
A. 10万円(税抜き)以上
B. 50万円(税抜き)以上
C. 100万円(税抜き)以上
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正解:B。それ未満は対象外です。
Q2. 申請が要らない流用の範囲はどれでしょう。
A. 各配分額の10パーセント以内
B. 総額の10パーセント以内
C. 金額にかかわらず不要
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正解:A。全体ではなく区分ごとに見ます。
Q3. 発注したあとに変更を申請するとどうなるでしょう。
A. 承認される
B. 補助対象外になる
C. 減額される
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正解:B。事後承認はできないとされています。
廃番の連絡で発注を止めた事例
流山市の製造業の方から、採択された補助金で入れる予定の機械について、メーカーから廃番の連絡が来たというご相談をいただいたことがあります。
後継機は性能がほぼ同じで、価格も近いものでした。そのまま差し替えても問題ないように見えます。ただ、単価が50万円を大きく超えていました。
そこで、発注を止めて先に承認申請を出していただきました。承認が下りてから発注し、無事に対象経費として認められました。止めたのは数日だけです。あのまま進めていたら、その機械のぶんが丸ごと落ちるところでした。
計画を変える前のワンポイントアドバイス
変更の話が出たら、紙を1枚用意して、交付決定のときの区分ごとの金額を左に、変更後の金額を右に書いてください。
そのうえで、区分ごとに差額の割合を出します。ここで10パーセントを超えている区分があれば、承認申請が要ります。感覚で「少しだから大丈夫」と判断しないのが大事です。
あわせて、その紙にいつ発注するかを書き足してください。承認が下りる前の日付になっていたら、そこが危ないところです。事務局とのやりとりに日数がかかることを見込んでおいてください。
計画変更のまとめ
- 計画は変えられますが、あらかじめ承認を得る必要があります
- 承認が要るのは、配分額の変更、単価50万円以上の物品や役務の変更、実施場所の変更、図面の変更等です
- 各配分額の10パーセント以内の流用増減は、申請が要りません
- 事後承認はできず、事後申請の場合はその経費が補助対象外になります
- 交付決定時点の補助金申請額を上回ることはできません
- 金額の線や区分の名前は補助金ごとに違うので、その手引きで確認します
つまずくのは、変更そのものではなく順番です。先に承認、あとから発注。この向きを間違えると戻せません。
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