補助金で買った機械は捨てられますか?廃棄にも先に承認が要ります
補助金で買った機械は、勝手に捨てられません。売るときも、貸すときも、担保に入れるときも、先に事務局の承認が必要です。承認を取らずに処分すると、交付決定そのものが取り消されることがあります。
古くなったので入れ替えたい、壊れたので捨てたい、といったことはありませんでしょうか。流山市・柏市・松戸市の事例をもとに整理します。
補助金で買ったものの処分の結論
- 単価50万円(税抜き)以上のものが処分の制限を受けます
- 売る、貸す、捨てる、担保に入れる。どれも事前の承認が要ります
- 期間は、税務の耐用年数を定めた省令を準用して決まります
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対象は単価50万円以上のものです
補助金で取得したものすべてが対象になるわけではありません。事業再構築補助金の案内は、処分制限を受ける財産を次のように示しています。
取得又は効用の増加した単価50万円(税抜き)以上の建物、機械器具、備品及びその他財産です。
ここで大事なのが効用の増加したという言葉です。新しく買ったものだけでなく、既にあるものに手を入れて価値が上がったものも入ります。建物の改修が典型です。
逆に、単価50万円未満のものは、この手続きの対象になりません。ただし金額の大小にかかわらず、補助金で買ったものは適切に管理する必要があります。
捨てるときも承認が要ります
いちばん見落とされるのが、ここです。処分の承認が必要な行為は6つに分かれていて、その中に廃棄が入っています。
廃棄というのは、設備の使用中止や破棄を指します。つまり、壊れて使えなくなったので捨てる、という場面も対象です。
売って現金が入るなら、手続きが必要なのは想像がつきます。ところが捨てるほうは、お金が入らないので手続きが要ると思われていません。ここで事故が起きます。
使うのをやめる時点で対象になりますので、倉庫にしまい込んで動かしていない、という状態も気をつけてください。事業に使っていないなら、それは目的外使用や廃棄に近づきます。
| やろうとしたこと | どの処分にあたるか | 事前の承認 |
|---|---|---|
| 単価80万円の機械を中古で売る | 譲渡(有償) | 要ります |
| 壊れた機械を廃棄する | 廃棄 | 要ります |
| 知り合いの会社に無償で貸す | 貸付(無償) | 要ります |
| 融資の担保に入れる | 担保供与 | 要ります |
| 補助事業とは別の仕事に使う | 目的外使用 | 要ります |
| 単価30万円の備品を買い替える | 対象外です | 50万円が線です |
いつまで制限されるのかは、省令で決まります
では、この制限がいつまで続くのか。処分制限期間は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令に定める耐用年数を準用して決まります。
ここで注意が必要なのは、自社の税務申告で使っている年数とは別に決まることです。省令の年数を準用するので、実際の償却の仕方とは切り離して考えます。
ものによって年数は変わります。機械なのか、建物なのか、設備の種類は何かで違います。自分の設備が何年なのかは、交付決定の書類と手引きで確認してください。
報告そのものの期間については、補助金は入金されて終わりではありません。事業化状況報告は5年間続きますもあわせてご覧ください。なお、減価償却の処理や税務上の取扱いは税理士へ、担保の設定に関する登記は司法書士へおつなぎします。
承認を取らずに処分すると、どうなるか
ここが本題です。案内には、事前の承認を得ずに財産を処分してしまった場合は交付決定を取り消される場合がありますと書かれています。
交付決定が取り消されるというのは、その補助金がなかったことになる、ということです。すでに受け取ったものを返すという話になり得ます。
そして、承認を取って処分した場合にも、お金の話が残ります。残存簿価相当額又は時価(譲渡額)を基に算出した補助金の全部または一部に相当する金額を納めることになる場合があります。これを収益納付といいます。
納付の期限も決まっていて、通知から30日以内です。売った代金が入るからといって、そのまま使ってしまわないでください。
補助金で買ったものの処分でよくある質問
Q. 機械が壊れて修理もできません。それでも承認が要りますか。
廃棄は承認が必要な処分の1つに挙げられていますので、使えなくなった場合でも事前に事務局へ相談してください。壊れた経緯や修理の見積りなどを求められることがあります。動かなくなったからそのまま捨てた、という形にしないことが大事です。
Q. 補助事業の期間が終わったので、もう自由に使えますか。
補助事業の完了と、処分制限期間の終わりは別です。制限は減価償却資産の耐用年数等に関する省令の年数を準用して決まりますので、事業が終わってからも続きます。交付決定の書類に記載された年数を確認してください。
Q. 売った代金が少額でも納付が必要ですか。
納付の額は、残存簿価相当額または時価を基に算出されます。金額がいくらになるかは個別の計算になりますので、処分の承認を申請する段階で事務局に確認してください。納付が生じるかどうかで、処分するかしないかの判断も変わります。
補助金で買ったものの処分の理解度クイズ
Q1. 処分の制限を受けるのは、単価いくら以上のものでしょう。
A. 10万円(税抜き)以上
B. 50万円(税抜き)以上
C. 100万円(税抜き)以上
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正解:B。効用が増加したものも入ります。
Q2. 壊れた機械を捨てるとき、承認は要るでしょうか。
A. 要らない
B. 要る
C. 修理不能なら要らない
答えを見る
正解:B。廃棄も承認が必要な処分の1つです。
Q3. 承認を得ずに処分すると、どうなる可能性があるでしょう。
A. 注意を受けるだけ
B. 交付決定が取り消される
C. 次の補助金が使えなくなるだけ
答えを見る
正解:B。取り消される場合があるとされています。
捨てる前に止められた事例
柏市の製造業の方から、補助金で入れた機械が動かなくなったというご相談をいただいたことがあります。買い替えの見積りも、すでに取っていました。
お話を伺うと、古い機械は産廃で引き取ってもらう手配が進んでいました。単価は50万円を大きく超えるものでした。
そこで、引き取りを止めて事務局に連絡していただきました。壊れた状況を写真で残し、修理の見積りもそろえて処分の承認を申請する形になりました。
止めたのは1週間ほどです。先に捨てていたら、証拠が何も残りませんでした。機械を動かす前に電話を1本、というだけの話でした。
処分を考えたときのワンポイントアドバイス
まず、交付決定の書類と取得財産の一覧を出してください。そこに単価と取得時期が書かれています。
次に、その設備が単価50万円(税抜き)以上かどうかを見ます。ここで対象になるなら、処分の内容が6つのどれに当たるかを確かめます。
大事なのは順番です。業者の手配より先に、事務局への連絡を入れる。これだけで取り返せなくなる事故は防げます。
あわせて、動かしていない設備がないかも見てください。使っていない状態を放置すると、意図せず処分に近い扱いになることがあります。稼働の記録を残しておくと、あとで説明ができます。
補助金で買ったものの処分のまとめ
- 対象は、取得又は効用の増加した単価50万円(税抜き)以上の建物、機械器具、備品その他の財産です
- 承認が要るのは、目的外使用、譲渡、交換、貸付、担保供与、廃棄の6つです
- 捨てるだけでも承認が要ります。使用の中止も廃棄に含まれます
- 処分制限期間は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令の耐用年数を準用します
- 承認を得ずに処分すると、交付決定を取り消される場合があります
- 承認を得た場合も、残存簿価相当額または時価を基に算出した額の納付が生じることがあります
つまずくのは、売るときだけ気をつけていて、捨てるときに何も考えない場面です。お金が動かないほうが危ない、という形になっています。
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