古物商の変更届、先に出すものとあとでいいものがあります
古物商の変更届は、営業所を変えるときだけ「あらかじめ」出します。ほかは変わってから出します。
引っ越してから届出をしようとして、順番が違うと言われた、というご相談をいただきます。流山市・柏市・松戸市の事例をもとに整理します。
この記事の結論
- 古物営業法は、営業所の名称と所在地を変えるときはあらかじめ届け出るとしています
- それ以外の事項は、変更があつたときに届け出ます。こちらは事後です
- 届け出た内容が許可証に書かれている事項なら、許可証の書換えも受けます
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届出の対象は、許可申請に書いた事項です
何を届け出るのかは、許可を取ったときに申請書へ書いた事項と同じです。古物営業法は申請書の記載事項を7つ挙げています。
氏名または名称と住所(法人は代表者の氏名)、営業所の名称及び所在地、営業所ごとに取り扱う古物の区分、管理者の氏名及び住所、行商をするかどうかの別、ホームページを使うときのURL、法人の役員の氏名及び住所。この7つです。
つまり、引っ越し、改名、法人の役員の交代、管理者の交代、扱う品目を増やす、ネット販売を始める。どれも届出の対象です。
営業所だけ、順番が違います
ここが本題です。条文は2つに分けて書いています。
営業所の名称と所在地については、変更しようとするときは、あらかじめ(中略)届出書を提出しなければならない。つまり変える前です。
それ以外の事項については、変更があつたときは(中略)届出書を提出しなければならない。こちらは変わったあとです。
引っ越しは生活の都合で日が決まるので、先に届出という順番は見落とされやすいところです。物件を決めた段階で、警察署に相談してください。
どの事項がどちらかを並べます
| 変わるもの | 届出のタイミング |
|---|---|
| 営業所の名称・所在地 | あらかじめ(変える前) |
| 氏名・名称・住所(法人は代表者の氏名) | 変更があったあと |
| 営業所ごとに取り扱う古物の区分 | 変更があったあと |
| 管理者の氏名・住所 | 変更があったあと |
| 行商をするかどうかの別 | 変更があったあと |
| ホームページのURL | 変更があったあと |
| 法人の役員の氏名・住所 | 変更があったあと |
いちばん上の1行だけが別の扱いです。ここだけ覚えておけば足ります。
許可証の書換えが要ることがあります
届出とは別に、もう1つあります。古物営業法は、届出書に係る事項が許可証の記載事項に該当するときは、その書換えを受けなければならないとしています。
手元の許可証を見て、そこに書いてある内容が変わるなら、紙そのものを直してもらう必要があります。届出を出して終わり、ではありません。
許可を取るまでの日数については、こちらにまとめています。古物商許可は申請から約40日かかります。許可証が届くまでの流れ
届出の期限や添付書類は国家公安委員会規則で定められており、様式も決まっています。出す前に、営業所を管轄する警察署の生活安全課に確認してください。法人の登記の変更は司法書士、税務は税理士、紛争は弁護士が窓口になります。
よくある質問
Q. 自宅を営業所にしています。引っ越す予定ですが、まだ日は決まっていません。
営業所の所在地はあらかじめ届け出るとされているので、新しい住所が決まった時点で警察署に相談してください。引っ越しの日が先に来てしまうと、順番が逆になります。住所そのものの変更(1号の事項)とは扱いが分かれるので、窓口で両方を伝えてください。
Q. 法人の役員が1人辞めました。本人は古物の仕事をしていませんでした。
届出が要ります。法人の役員の氏名及び住所は申請書の記載事項に入っていて、古物の業務に関わっているかどうかで分かれる仕組みにはなっていません。登記を変えたら、こちらも手続きしてください。
Q. 扱う品目を増やしたいのですが、新しく許可を取り直しますか。
取り直しではありません。営業所ごとに取り扱う古物の区分は変更届の対象です。ただし、品目によっては確認すべきことが増えるので、増やす前に警察署で相談しておくと安心です。
ケースで確認
自分の営業に置き換えて読んでみてください。答えは隠してあります。
ケース1 流山市で古物商をしています。店舗を同じ市内に移すことになりました。来月の15日に引っ越して、落ち着いてから届出を出すつもりです。
ア 引っ越してから出すのが普通なので、それでよい
イ 営業所の所在地はあらかじめ届け出るので、引っ越す前に出す
ウ 同じ市内なら届出は要らない
答えと解説を開く
答え:イ
条文は、営業所の名称と所在地については変更しようとするときは、あらかじめ届け出るとしています。ほかの事項が「変更があつたとき」なのと、書き分けられています。
アは、ほかの届出と同じ感覚で考えています。この1項目だけが先出しです。ウは、距離や市町村で分かれる仕組みがありません。同じ建物の中で部屋番号が変わる場合も、所在地の変更です。
ケース2 柏市の会社です。古物の担当をしていた管理者が異動になり、別の社員に交代しました。引き継ぎは先月終わっています。
ア 管理者も営業所まわりの話なので、あらかじめ届け出る必要があった
イ 管理者の氏名・住所は「変更があつたとき」なので、交代後に届け出る
ウ 社内の担当者が替わっただけなので、届出は不要
答えと解説を開く
答え:イ
管理者の氏名及び住所は申請書の記載事項に入っているので届出が要ります。ただし、あらかじめとされているのは営業所の名称と所在地だけなので、こちらは事後です。
アは、先出しの範囲を広く取りすぎています。ウは、管理者が法律で置くことが決まっている立場である点を見落としています。社内の役割分担とは別の話です。
ケース3 松戸市で古物商をしています。店の名前を変えることにしました。所在地は変わりません。許可証は手元にあります。
ア 名前だけなので、届出は要らない
イ 営業所の名称なのであらかじめ届け出る。許可証の記載事項に当たるなら書換えも受ける
ウ 届出だけ出せば、許可証はそのままでよい
答えと解説を開く
答え:イ
条文は「営業所の名称及び所在地」をひとまとめに2号としています。名称だけの変更も、あらかじめの側です。
アは届出の対象を狭く見ています。ウは、届出書に係る事項が許可証の記載事項に該当するときは書換えを受けなければならない、という定めを落としています。手元の許可証に何が書いてあるかを見て判断してください。
流山市での事例
流山市の方から、店舗を移したので届出をしたいというご相談がありました。すでに引っ越しが済んで、新しい店で営業を始めていました。
営業所の所在地はあらかじめの側なので、順番としては逆になっていました。警察署に経緯を伝えて、速やかに手続きを進めました。悪意があったわけではなく、ほかの届出と同じだと思っていたというお話でした。
柏市や松戸市でも、移転のご相談は引っ越したあとに来ることが多いところです。物件が決まった時点でご相談いただければ、順番どおりに進められます。
ワンポイントアドバイス
許可を取ったときの申請書の控えを、すぐ出せるところに置いておいてください。何を届け出たのかが分かれば、何が変わったのかも分かります。控えがないと、届出の要否をゼロから調べ直すことになります。
買い取りのときの本人確認は、別の論点です。こちらにまとめています。1万円未満は本人確認が要らない?室外機と電線は金額に関係ありません
まとめ
- 営業所の名称と所在地を変えるときは、あらかじめ届け出るとされています
- それ以外の事項は、変更があったあとに届け出ます
- 届出の対象は、許可申請書に書いた7つの事項です
- 許可証の記載事項に当たるときは、許可証の書換えも受けます
- 期限と添付書類は規則で定められているので、警察署で確認してください
自力で進める場合につまずきやすいのは、引っ越しや店名の変更を「済んでから報告するもの」と考えてしまうことです。この1項目だけが先出しになっています。
当事務所は、流山市・柏市・松戸市を中心に、古物商許可の申請と変更の届出をお手伝いしています。許可証の書換えまで含めてご案内します。
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