補助金は納品まで終えれば対象?支払いを済ませないと経費になりません
補助金で気をつける期限は、申請の締切だけではありません。補助事業の実施期間内に、納品も検収も支払いも終わっている必要があります。届いただけ、請求書が来ただけでは対象になりません。
採択されたので発注したが、いつまでに何を終えればよいのか分からない、といったことはありませんでしょうか。流山市・柏市・松戸市の事例をもとに整理します。
補助事業の期限の結論
- 補助事業実施期間は、交付決定から補助事業完了期限日までです
- この期間内に、契約から納品、検収、請求、支払いまでを終えます
- 支払いは銀行振込に限られ、現金や手形、割賦は認められません
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補助金には、終わりの期限もあります
補助金で知られているのは、申請の締切と、交付決定より前に発注してはいけないという入口のルールです。ただ、出口にも同じくらい厳しい期限があります。
中小企業省力化投資補助事業の手引きは、補助事業実施期間を交付決定から補助事業完了期限日までの期間と定めたうえで、この期間に契約(発注)から納品、請求、支払まで補助事業における必要な手続きが全て完了している必要があるとしています。
事業再構築補助金の手引きも同じです。補助事業完了期限日までに納品・検収・支払いが完了した経費が対象で、発注しただけでは足りないとしています。
つまり、期限の日に機械が工場に届いていても、そこで支払いが翌月になっていれば、その経費は対象から外れます。見落とされるのは、いつも最後の支払いです。
支払いの方法まで決められています
期間内に払えばどんな払い方でもよい、というわけでもありません。手引きは支払方法は銀行振込(口座振替も可)に限りますとしています。
事業再構築補助金の手引きは、もっとはっきり書いています。現金払い、他の取引との相殺払による支払い、代引き払い、手形による支払い、割賦による支払いは行わないでくださいとし、これらはいかなる事情でも一切認められませんとしています。
実務でつまずきやすいのが2つあります。相殺と割賦です。
相殺は、取引先に売掛金があるときに「差し引きでお願いします」とやってしまう場面です。帳簿の上では払ったことになっていても、振込の記録が残りません。
割賦は、リースやローンで少しずつ払う形です。期間内に支払いが終わらないので、その時点で対象から外れます。設備を入れるときは、支払い方をこの段階で決めておいてください。
| 支払いの方法 | 扱い | つまずくところ |
|---|---|---|
| 銀行振込 | これに限られます | 振込の控えを必ず残します |
| 現金 | 認められません | 現金を持ち込んで振り込む形も不可です |
| 相殺 | 認められません | 売掛金との差し引きをしないでください |
| 代引き・手形 | 認められません | 小さな備品ほど代引きになりがちです |
| 割賦・リース | 認められません | 期間内に払い終わらないためです |
これは中小企業省力化投資補助事業と事業再構築補助金の手引きに書かれている内容です。補助金ごとに細かな違いがありますので、実際に申請する補助金の手引きで必ず確認してください。
使い始めているかまで見られることがあります
もう1つ、見落としやすい要件があります。中小企業省力化投資補助事業の手引きは、補助事業完了日までに導入した機械設備の使用を開始している必要がありますとしています。
届いて、代金を払って、箱に入れたまま置いてある。この状態では完了になりません。据付けと試運転まで含めて日程を組む必要があります。
設備の納期が長いものほど、ここが効いてきます。受注生産で3か月かかる機械なら、据付けと試運転の期間を足して逆算することになります。
実績報告にも期限があります
支払いまで終えたら、次は実績報告です。手引きは、補助事業を完了したその日から起算して30日を経過した日、または交付決定通知書に記載の補助事業完了期限日のいずれか早い日までとしています。
読み方に注意が必要です。30日あるとは限りません。完了期限日ぎりぎりに支払いを終えた場合、30日を待たずに完了期限日が来ます。
報告には、見積書、契約書、納品書、検収の記録、請求書、振込の控えがそろっている必要があります。支払いが終わってから集め始めると間に合いません。発注の段階から1つのファイルにまとめてください。
入口のルールについては、採択の通知で発注してしまう事故。補助金は交付決定まで買ってはいけませんもあわせてご覧ください。なお、経費の税務上の取扱いは税理士へ、雇用に関する助成金の申請手続きは社労士へおつなぎします。
補助事業の期限でよくある質問
Q. 期限の日に納品されました。支払いは翌月でも大丈夫ですか。
対象になりません。手引きは、補助事業完了期限日までに納品・検収・支払いが完了した経費を対象としています。納品されただけでは足りませんので、支払いの日から逆算して納品日を決めてください。月末締め翌月払いの取引先が相手なら、その条件を先に相談しておく必要があります。
Q. 取引先に売掛金があるので、相殺で払ってもよいですか。
認められません。事業再構築補助金の手引きは、他の取引との相殺払による支払いについて、いかなる事情でも一切認められないとしています。振込の記録が残らないためです。売掛金の回収と補助対象経費の支払いは、それぞれ別に処理してください。
Q. 納品も支払いも終わりましたが、まだ据え付けていません。
中小企業省力化投資補助事業の手引きは、補助事業完了日までに導入した機械設備の使用を開始している必要があるとしています。据付けと試運転までを日程に入れてください。電源工事や設置場所の準備が必要な機械は、そこも含めて業者と日程を詰めておくと安全です。
補助事業の期限の理解度クイズ
Q1. 補助事業実施期間内に終えている必要があるのはどこまででしょう。
A. 発注まで
B. 納品まで
C. 支払いまで
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正解:C。検収と請求も含まれます。
Q2. 認められている支払いの方法はどれでしょう。
A. 銀行振込
B. 代引き
C. 手形
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正解:A。口座振替も可とされています。
Q3. 実績報告の期限はどれでしょう。
A. 完了から必ず30日
B. 完了から30日を経過した日か、完了期限日の早いほう
C. 年度末まで
答えを見る
正解:B。30日あるとは限りません。
支払い条件で危なかった事例
柏市の製造業の方から、補助金で機械を入れたいというご相談をいただいたことがあります。機械の納期は2か月で、補助事業完了期限日までは3か月ありました。
日程には余裕があるように見えました。ただ、その取引先の支払い条件が月末締めの翌月末払いでした。そのまま進めると、支払日が完了期限日の翌週になる見込みでした。
そこで、発注の段階で支払い条件の相談をしていただきました。結果として、納品後に個別で振り込む形に変えてもらえました。動かしたのは日程ではなく、支払いの条件だけです。
発注する前のワンポイントアドバイス
紙を1枚用意して、右端に補助事業完了期限日を書いてください。そこから左へ、支払日、請求書が届く日、検収日、納品日、発注日の順に日付を入れていきます。
ここで手が止まるのは、たいてい支払日です。取引先の締め日と支払日を知らないまま発注していることが多いためです。見積もりをもらうときに、支払い条件も一緒に聞いておいてください。
あわせて、振込の控えをどう保存するかも決めておきます。インターネットバンキングの明細は、後から期間を指定して出せないことがあります。振り込んだその日に保存する習慣にしておくと、実績報告が楽になります。
補助事業の期限のまとめ
- 補助事業実施期間は、交付決定から補助事業完了期限日までです
- この期間に、契約から納品、検収、請求、支払いまでを終えます
- 支払いは銀行振込に限られます。現金、相殺、代引き、手形、割賦は認められません
- 導入した機械設備の使用を開始しているかを見られることがあります
- 実績報告は、完了から30日を経過した日か、完了期限日の早いほうまでです
- 細かな条件は補助金ごとに違いますので、必ずその手引きで確認します
つまずくのは、納品された時点で終わったと考えてしまう場面です。補助事業が終わるのは、お金が出ていったときです。
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