定款の認証に公証役場へ行きますか?ウェブ会議が原則になっています
株式会社の定款認証で公証役場へ出向く必要は、もうありません。法務省は電子定款の面前審査をウェブ会議で行うことを原則にしていて、全都道府県で使えます。認証済みの定款データもメールで受け取れます。
会社を作りたいが平日に時間が取れない、といったことはありませんでしょうか。流山市・柏市・松戸市の事例をもとに整理します。
定款認証の結論
- 電子定款の面前審査はウェブ会議で行うことが原則とされています
- 認証済みの定款データはメールでも受け取れます
- 定款作成支援ツールを使えば原則48時間以内、設立登記まで含めて原則72時間以内の運用があります
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ウェブ会議が原則になりました
まず、どこまでオンラインで済むのかという点です。法務省のページには令和6年3月1日から、利用者から特段の希望がない限り、電子定款の認証における面前審査をウェブ会議で実施することを原則としますと書かれています。
「できる」ではなく原則です。公証役場へ出向くほうが例外という書き方になっています。
そして使える範囲も広がりました。法務省の資料には、ウェブ会議による面前審査について全都道府県で利用が可能になりましたと書かれています。
さらに、本人が出られない場合についても代理人により面前審査を行う場合にもウェブ会議を御利用いただけるようになりましたとされています。発起人が複数いて日程が合わない、という場面で効いてきます。
データもメールで届きます
次に、認証が終わったあとです。以前は認証済みの定款データを受け取るために、専用のシステムを使う必要がありました。
法務省のページには、従来の登記・供託オンライン申請システム等からダウンロードする方法のほか、メールで受領することも可能になりましたと書かれています。
つまり、打ち合わせはウェブ会議、受け取りはメールです。公証役場の所在地まで出向く場面がありません。
電子定款そのものの費用面については【会社設立】電子定款で4万円節約!行政書士に依頼すると実質費用が安くなるカラクリに書きました。あわせてご覧ください。登記の申請は司法書士へ、設立後の税務は税理士へおつなぎします。
48時間と72時間は別の話です
速さについての運用も用意されています。ここは2つの数字が出てきて混ざりやすいところです。
1つめは、定款作成支援ツールを利用して作成した定款について、原則として48時間以内に認証手続を完了する運用です。対象は認証手続までです。
2つめは、48時間特別処理を利用した場合に、公証人の定款認証と法務局の設立登記を併せて原則として72時間以内に完了する取組です。こちらは登記まで入っています。
48時間は認証だけ、72時間は認証と登記の合計。この区別で読むと、どちらを目指すかがはっきりします。72時間の取組は48時間特別処理を使った場合が前提です。
なお、委任状についても委任状を書面により作成した場合も48時間原則の対象となりましたと書かれています。電子署名が用意できない発起人がいても、紙の委任状で間に合います。
| 場面 | いまの運用 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 面前審査 | ウェブ会議で実施することを原則 | 全都道府県で使えます |
| 本人が出られない | 代理人でもウェブ会議を利用できます | 書面の委任状でも48時間原則の対象 |
| データの受け取り | ダウンロードのほか、メールでも可能 | 受け取りで出向く必要がありません |
| 速さ | 原則48時間(認証)/原則72時間(認証と登記) | 48時間は定款作成支援ツールを使った場合です |
合同会社には認証がありません
ここまで株式会社の話をしてきました。会社の種類によって、そもそも認証が要るかどうかが変わります。
定款の認証が必要なのは株式会社です。合同会社の設立では定款認証の手続がありません。公証役場とのやりとりが発生しないということです。
ですので「公証役場が面倒だから合同会社にする」という選び方は、いまは理由として弱くなりました。ウェブ会議が原則になったので、出向く手間はどちらでも変わりません。
会社の種類は、取引先からの見え方や将来の資金調達で選ぶものです。手続の面倒さで決める場面ではなくなっています。
定款認証でよくある質問
Q. 発起人が3人います。全員がウェブ会議に出る必要がありますか。
法務省は、代理人により面前審査を行う場合にもウェブ会議を利用できるとしています。発起人全員が同時に出られない場合は、代理人を立てる形が取れます。委任状については、書面により作成した場合も48時間原則の対象になるとされています。誰を代理人にするかで必要な書類が変わりますので、日程を決める前にご相談ください。
Q. ウェブ会議でやると、何か不利になりますか。
法務省は、利用者から特段の希望がない限りウェブ会議で実施することを原則としています。出向く方式が標準で、ウェブ会議が特別扱いという関係ではありません。認証の効力も変わりません。通信環境や本人確認の進め方は公証役場ごとに案内がありますので、予約の際に確認してください。
Q. 認証にかかる手数料はいくらですか。
手数料の額は、参照した法務省のページには示されていませんでした。資本金の額などによって区分がありますので、依頼する公証役場に直接確認してください。当事務所にご依頼いただく場合は、見積りの段階で実費としてお示しします。
定款認証の理解度クイズ
Q1. 電子定款の面前審査について、法務省が原則としている方式は。
A. 公証役場へ出向く
B. ウェブ会議
C. 郵送
答えを見る
正解:B。全都道府県で利用が可能です。
Q2. 原則48時間以内の運用の対象はどこまででしょう。
A. 定款の認証手続まで
B. 設立登記まで
C. 法人口座の開設まで
答えを見る
正解:A。登記まで含むのが原則72時間の取組です。
Q3. 認証済みの定款データの受け取り方として示されているものは。
A. 窓口での受領だけ
B. ダウンロードのほか、メールでも可能
C. 郵送だけ
答えを見る
正解:B。受け取りで出向く必要がありません。
現場を抜けられなかった事例
流山市で内装工事を請け負っている方から、ご相談をいただいたことがあります。個人事業から法人にする段階で、平日に現場を抜けられないというお話でした。
公証役場は平日しか開いていません。それだけで設立を先送りにされていました。
ウェブ会議で面前審査ができることをお伝えすると、現場の休憩時間に入れるという話になりました。移動の往復がなくなるので、必要な時間が大きく変わります。
結果として、認証済みの定款データもメールで受け取りました。公証役場の場所を一度も見ていません。設立の時期を半年遅らせるつもりだった方が、その月に動けました。
予約する前のワンポイントアドバイス
まず定款の中身を先に固めてください。認証はできあがった定款を確認する手続です。事業目的や機関の設計が決まっていないと、何度も作り直すことになります。
次に、発起人の日程を押さえます。全員が同時に出られないなら、代理人を立てる形を先に決めておきます。
そして、急ぐなら定款作成支援ツールを使うかを確認します。原則48時間以内の運用は、このツールで作った定款が対象とされています。
最後に、登記までの日程で考えます。認証が終わっても会社はまだできていません。原則72時間の取組は、認証と設立登記を併せた話です。
定款認証のまとめ
- 電子定款の面前審査は、ウェブ会議で実施することが原則とされています
- ウェブ会議は全都道府県で利用でき、代理人による面前審査でも使えます
- 認証済みの定款データは、ダウンロードのほかメールでも受け取れます
- 定款作成支援ツールで作った定款は、原則48時間以内に認証手続を完了する運用があります
- 48時間特別処理を使った場合は、認証と設立登記を併せて原則72時間以内の取組があります
つまずくのは手続の難しさではなく、出向く前提で予定を組んでしまうことです。平日に時間が取れないという理由で設立を遅らせる必要は、もうありません。
行政書士むらた事務所では、流山市・柏市・松戸市を中心に(内容によってはオンラインで全国対応)、定款の作成と電子定款の認証嘱託の手配をお引き受けしています。
登記の申請は司法書士へ、設立後の税務は税理士へおつなぎします。
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