会社設立の定款はひな形でいい?譲渡制限・取締役会・任期の3点だけは自社で決める
こんにちは。
千葉県流山市の行政書士むらた事務所です。
会社設立のご相談で、定款はひな形でいいですかと聞かれることがあります。
おおむねそれで足りるのですが、三か所だけは自社で決めておかないと、後から変更に手間と費用がかかります。
流山市・柏市・松戸市の事例をもとに整理します。
この記事の結論
- 株式に譲渡制限を付けるかどうかで、置ける機関の自由度が大きく変わるとされます
- 取締役会を置くと人数の要件が生じるため、小規模なら非設置が選ばれやすい傾向です
- 取締役の任期は非公開会社なら伸長できますが、伸ばすほど解任時の負担が増します
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譲渡制限。ここが決まらないと後が決まらない
株式を譲渡するときに会社の承認を要する、と定款に定めたものが譲渡制限です。
この定めがある会社は非公開会社と呼ばれ、機関設計の選択肢が広がるとされます。
逆に譲渡制限を付けないと公開会社の扱いとなり、取締役会などの設置が求められるのが原則です。
知らない人が株主になる余地を残すかどうか、という話でもあります。
家族や創業メンバーだけで持つ想定なら、付けておくのが通例です。
三つの論点の中で、ここが最初に決まります。
取締役会は、置くと人が要る
取締役会を設置する場合、取締役は三人以上必要とされ、あわせて監査役などの設置も求められるのが原則です。
人を集められるかがそのまま条件になります。
一人で始める会社や、役員が二人までの会社では、取締役会を置かない設計が選ばれます。
置かなければ、重要な決定は株主総会と取締役で進められるため、日々の意思決定はむしろ速くなります。
将来に外部から役員を迎える予定があるなら、その時点で設置に切り替える方法もあります。
任期を伸ばすと、楽になる代わりに縛られる
取締役の任期は原則二年とされますが、非公開会社であれば定款で最長十年まで伸ばせるとされます。
伸ばせば、任期ごとの役員変更登記の回数が減ります。
ただし裏側があります。
任期の途中で正当な理由なく解任すると、残りの任期に応じた損害賠償を請求される可能性があるとされます。
家族だけの会社なら十年でも支障は少ない一方、外部の人を役員に入れるなら短めが無難です。
登記を忘れると過料の対象になる点も、あわせて押さえておきたいところです。
三つの論点を決める順番
1. 株主を身内に限るか → 限るなら譲渡制限を付ける
2. 役員は何人か → 二人以下なら取締役会は置かない
3. 役員に外部の人が入るか → 入るなら任期は短め、身内だけなら長めも可
よくある質問
Q. 設立後に定款を変更できますか。
変更できます。株主総会の特別決議で定款を書き換えることができ、設立時のような公証人の認証もいりません。ただし商号や目的、公告方法のように登記されている事項を変えたときは、二週間以内に変更登記まで済ませる必要があります。決議をしたところで止まってしまう例が実務では少なくありません。
Q. 合同会社でも同じ論点がありますか。
譲渡制限と任期については、考え方が変わります。合同会社の持分はもともと他の社員全員の同意がなければ譲渡できず、業務執行社員に任期の定めもないためです。かわりに、誰が業務を執行し誰が代表するのか、利益をどう配分するのかを定款で決めることになり、その設計が検討の中心になります。
Q. 任期十年にして役員変更を忘れたらどうなりますか。
任期が切れた時点で退任となり、放置すると登記懈怠として過料の対象になります。会社法では百万円以下と定められており、実務では数万円程度が科される例がみられます。十年は選任のたびの手間を省ける一方で次の期限が遠く忘れやすいため、満了する年をカレンダーに入れておくのが確実です。
理解度チェッククイズ
会社設立・定款の基本 クイズ
Q1. 株式に譲渡制限を付けた会社は何と呼ばれるでしょう。
A. 公開会社
B. 非公開会社
C. 有限会社
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正解:B。機関設計の選択肢が広がるとされます。
Q2. 取締役会を置くとき、取締役は原則何人以上必要でしょう。
A. 一人以上
B. 二人以上
C. 三人以上
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正解:C。監査役などの設置も求められるのが原則です。
Q3. 任期を長くしたときの注意点はどれでしょう。
A. 登記費用が毎年かかる
B. 途中で解任すると賠償を求められる可能性がある
C. 株主総会が開けなくなる
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正解:B。外部の役員を入れるなら短めが無難です。
体験談・事例
流山市で会社を設立された方から、二年後にご連絡をいただいたことがあります。
共同創業者との関係が変わり、役員を外したいというご相談でした。
任期を十年にしていたため、残る期間の扱いが交渉の焦点になりました。
設立時の一行が、数年後の選択肢を狭めることがあります。
ワンポイントアドバイス
三つの論点は、五年後にこの会社に誰がいるかを想像すると決めやすくなります。
身内だけなら制限あり・取締役会なし・任期長めが噛み合います。
外部を入れる予定があるなら、任期だけ短くしておけば十分です。
まとめ
- 譲渡制限の有無で機関設計の自由度が変わるため、最初に決めます
- 取締役会を置くと人数の要件が生じるので、小規模なら非設置が選ばれます
- 任期の伸長は登記の手間を減らす一方、解任時の負担が増える点に注意します
ここまでが定款で決めておきたい三つの論点です。
ただし実務では、事業目的の書き方や許認可との整合、資本金の額との兼ね合いまで含めて設計する必要があり、ひな形のまま進めて後から変更費用がかかる例も少なくありません。
行政書士むらた事務所では、流山市・柏市・松戸市を中心に(ご相談内容によってはオンラインで全国対応)、事業内容の聞き取りから、定款の内容の設計、電子定款の作成と公証役場での認証手続きまでを一括してお引き受けしています。
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