フリーランス必見!エンジニアとデザイナーが共同事業でLLP(有限責任事業組合)を選ぶ理由
こんにちは。
千葉県流山市の行政書士むらた事務所です。
今回の記事は、フリーランス同士がチームを組む際の選択肢である「LLP(有限責任事業組合)」についてになります。
エンジニアやデザイナーが集まって新しいサービスを作りたいが、いきなり株式会社を作るのはハードルが高く、かといって個人の口約束では不安だといったことはありませんでしょうか。
今回は、専門家チームの共同事業に最適なLLPの仕組みと、その強力なメリットについてお伝えします。
【この記事の結論(3つのポイント)】
・LLPは出資額にかかわらず各メンバーの貢献度に応じた自由な利益配分が可能である
・事業で出た利益に対して法人税がかからず個人の税金のみで計算される(パススルー課税)
・法人格を持たないためLLP名義での銀行口座開設や許認可の取得には制限がある点に注意が必要である
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なぜ専門家チームに株式会社は合わないのか?
優秀なITエンジニアとデザイナー、そしてマーケターが集結し、新しいWebサービスを立ち上げようとしたとします。
この時、一般的な「株式会社」を設立してしまうと、大きなトラブルの火種を抱えることになります。
※ちょっと極論な部分もありますが。
株式会社の根本的なルールは、「お金(資本金)を多く出した人が、多くの利益(配当)と決定権を持つ」というものです。
しかし、フリーランスのチームにおいて本当に重要なのは、出資した現金の額ではなく、「実際にシステムを開発した」「素晴らしいデザインを描いた」という労働力やスキルの提供です。
「お金を出しただけのメンバー」と「徹夜で作業したメンバー」の利益配分が、出資比率によって固定されてしまうことが、チーム崩壊の原因となります。
株式会社・合同会社・LLPの特徴比較マトリクス表
フリーランスのチーム組成において検討される3つの形態の違いを、以下のマトリクス表で整理しました。
| 比較項目 | 株式会社 | 合同会社(LLC) | LLP(有限責任事業組合) |
| 法人格の有無 | あり | あり | なし(あくまで組合・契約の集合体) |
| 利益配分の自由度 | 低い(出資比率に応じる) | 高い(定款で自由に定められる) | 高い(組合契約で自由に定められる) |
| 課税の仕組み | 法人税が課される(二重課税) | 法人税が課される(二重課税) | 法人税なし(利益は直接個人の所得となる) |
| 出資者の責任 | 有限責任 | 有限責任 | 有限責任(出資額の範囲内のみ) |
このように、「利益配分の自由度」と「税制上のメリット」を両立させた、ジョイント・ベンチャー(共同事業)に特化した形がLLPなのです。
LLPがフリーランスに選ばれる3つの理由
LLP(有限責任事業組合)には、他の組織形態にはない圧倒的な強みがあります。
1:貢献度に応じた「自由な利益配分」
LLPの最大の魅力は、内部自治の原則により、利益配分の割合を自由に決められる点です。
「出資額は10%だが、システムの基盤を作ったので利益の50%を受け取る」といった取り決めが、組合契約書において適法に行えます。
これにより、スキルを提供するメンバーのモチベーションを高く維持できます。
2:税金が無駄にならない「パススルー課税」
株式会社や合同会社の場合、事業で出た利益に「法人税」が課され、それを個人の役員報酬や配当として受け取ると、さらに「所得税」が課されるという二重課税の問題があります。
しかしLLPは法人ではないため、法人税がかかりません。
LLPで出た利益は、そのまま各メンバーの事業所得として分配され、個人の所得税のみを納めれば完結します。
3:リスクを限定する「有限責任」
民法上の組合(任意組合)の場合、事業で失敗して莫大な借金を抱えると、メンバー全員が個人の財産を投げ打ってでも返済する無限責任を負います。
しかしLLPは、出資した金額以上の責任を負わない「有限責任」が法律で守られているため、安心して大胆なプロジェクトに挑戦できます。
ITエンジニア時代に見た「チーム組成」のリアル
私自身、長年ITエンジニアとしてシステム開発の現場に立ち、その後は人材会社の役員として様々なプロジェクトチームの立ち上げを見てきました。
エンジニア界隈では、ハッカソンなどをきっかけに「このメンバーでサービスを作ろう!」と盛り上がることは日常茶飯事です。
※ハッカソン=短期間でチームが集中的に課題解決やプロトタイプ開発を行い、成果を発表・競うイベント
しかし、いざ事業が軌道に乗り利益が出始めると、「誰がどれだけ貰うべきか」「税金の申告はどうするのか」という生々しいお金の話になり、気まずくなってチームが解散していくのを何度も目撃しました。
プロジェクトを始める前に、LLPという明確な契約の枠組みを作り、「出資額ではなく貢献度で利益を分ける」というルールを法的に整備しておくことが、友情とビジネスを両立させる最強の防具になるのです。
ワンポイントアドバイス
LLPには「法人格がない」という最大の弱点が存在します。
これは、LLP名義での銀行口座の開設が非常に難しかったり、事務所を借りる際の契約主体になれなかったりすることを意味します。
(※口座は「〇〇LLP 組合員 山田太郎」といった併記名義になることが一般的です)
また、LLP自体が許認可(労働者派遣事業など)を取得することはできません。
「取引先から法人格を求められているのか」「どのような許認可が必要な事業なのか」によって、LLPのまま進むべきか、最初から合同会社(LLC)を選択すべきかが決定的に分かれます。
ここを見誤ると事業が立ち行かなくなるため、設立前の見極めが極めて重要です。
疑問を解決するQ&A
Q. LLPは一人でも設立できますか?
A. できません。LLPは「組合契約」であるため、必ず2名以上の出資者(組合員)が必要です。
一人で事業を始める場合は、個人事業主か株式会社、合同会社を選択することになります。
Q. 出資をせずにスキル(労務)の提供だけで組合員になれますか?
A. なれません。LLPの組合員になるには、必ず「金銭その他の財産」の出資が必要です。
少額(極端に言えば1円)でも良いので、全員が出資を行うことが法律上の絶対条件となります。
Q. LLPから株式会社へ組織変更することは可能ですか?
A. 直接的な組織変更は法律上認められていません。
LLPの事業を法人化したい場合は、一度LLPを解散させるか、新たに株式会社を設立して事業譲渡を行うという複雑な手続きが必要になります。
そのため、将来的な上場(IPO)を視野に入れている場合は、最初から株式会社を選択すべきです。
終わりに:LLP設立のご相談はむらた事務所へ
LLP(有限責任事業組合)は、フリーランスが持つ専門的なスキルを結集させ、柔軟に利益を分かち合うための最強の器です。
しかし、法人格がないことによる実務上の制限や、複雑な組合契約書の作成など、専門知識を持たずに進めると後々大きなトラブルを招くことになります。
「私たちのチームの事業はLLPと合同会社のどちらが合っているか診断してほしい」
「貢献度に応じた利益配分ルールを盛り込んだ、適法な組合契約書を作成したい」
「面倒な設立手続きを丸投げして、サービスの開発に専念したい」
このようなお悩みを抱えているフリーランス・経営者の皆様は、ぜひ一度当事務所にご相談ください。
千葉県の流山市を中心に、柏市・松戸市エリアの起業家を支援する『行政書士むらた事務所』が、IT・組織構築の実務経験を活かし、貴社のプロジェクトに最適な組織設計を全力でサポートいたします。
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【参考URL】
*千葉県警察(https://www.police.pref.chiba.jp/)
*千葉県庁(https://www.pref.chiba.lg.jp/)
*e-Gov法令検索(https://elaws.e-gov.go.jp/)


