本店移転は登記だけで終わり?許認可の変更届は期限がバラバラです
本店を移したら、登記だけでは終わりません。持っている許認可ごとに変更の届出があり、期限はそれぞれ違います。いちばん短いものは3日前までです。
事務所を広いところへ移したいが、手続きが何をどこまで必要なのか分からない、といったことはありませんでしょうか。流山市・柏市・松戸市の事例をもとに整理します。
本店移転の結論
- 登記は変更が生じてから2週間以内です。まずこれが動きます
- 許認可の届出は制度ごとに期限が違います。30日、14日、15日と並びます
- 古物商の営業所を新しく設けるときは、変更の日の3日前までに届け出ます
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登記は2週間以内。そこで終わりではありません
会社法は、登記した事項に変更が生じたときは2週間以内に変更の登記をしなければならないと定めています。本店の所在地は登記事項ですので、移転すればこの登記が必要になります。
ここまでは多くの方がご存じです。問題はそのあとです。許認可を持っている会社は、それぞれの窓口にも届出が要ります。
そして、その期限が制度ごとにバラバラです。登記が終わってから考え始めると、すでに期限を過ぎているものが出てきます。
なお、登記の手続き自体は司法書士が扱う業務です。当事務所では許認可側の届出をお引き受けし、登記は司法書士へおつなぎします。
建設業許可は30日以内の変更届です
建設業許可を受けている場合、商号や営業所の所在地が変わったときは変更届を出します。千葉県の手引きでは、原則として変更があってから30日以内とされています。
本店を移すと、営業所の所在地も変わることがほとんどです。あわせて、経営業務の管理責任者や専任技術者の常勤場所が変わる場合もあります。
移転先が別の都道府県になる場合は、話が大きく変わります。知事許可は1つの都道府県内に営業所がある場合の許可ですので、県をまたぐ移転では許可そのものの取り直しにつながることがあります。早めにご相談ください。
なお、新しい事務所が営業所として認められるかどうかも確認が要ります。登記上の本店というだけでは営業所と認められません。
古物商は変更届と書換申請の2つがあります
古物商許可を持っている場合は、少し複雑です。警視庁の案内では、変更届出と書換申請が分けて説明されています。
法人の所在地や名称、代表者が変わるときは、許可証の記載事項が変わりますので書換申請もついてきます。一方、取扱品目や管理者の交替などは変更届出だけで足ります。
期限は、変更の日から14日以内。登記事項証明書を添付する場合は20日以内です。登記が終わるのを待つ必要があるので、この20日のほうを使う形が多くなります。
そしてもう1つ、注意したい期限があります。営業所を新しく設けるときは、変更の日の3日前までに届け出ることになっています。事後ではなく事前です。移転先で営業を始める日から逆算してください。
| 手続き | 期限 | 出す先 |
|---|---|---|
| 会社の変更登記 | 2週間以内 | 法務局(司法書士へ) |
| 建設業許可の変更届 | 30日以内 | 千葉県 |
| 古物商の変更届出・書換申請 | 14日以内(登記事項証明書を添えるなら20日以内) | 警察署 |
| 古物商の営業所の新設 | 変更の日の3日前まで | 警察署 |
| 自動車の変更登録 | 15日以内 | 運輸支局 |
社用車があるなら、車庫証明も動きます
会社名義の車を持っている場合、車検証の使用の本拠の位置が本店の住所になっていることがあります。ここが変われば、変更登録の手続きが必要です。
変更登録は、変更があった日から15日以内とされています。許認可の中ではかなり短い部類です。
あわせて、保管場所も見ておいてください。使用の本拠の位置と駐車場の距離に制限がありますので、移転先によっては駐車場も借り直しになります。車が複数あると、その台数分の手続きになります。
順番を決めておくと、往復が減ります
手続きが重なるときは、順番が効きます。多くの届出で登記事項証明書が必要になるからです。
おおまかには、次の順番になります。
- 古物商の営業所を新設するなら、まずその事前の届出(3日前まで)
- 移転して、変更登記(2週間以内)
- 登記が終わったら、登記事項証明書を取る
- それを添えて、古物商の変更届出と書換申請(20日以内)
- 建設業許可の変更届(30日以内)、自動車の変更登録(15日以内)
自動車の15日という期限は、登記を待っていると間に合わないことがあります。車がある場合は、証明書が要るかどうかを先に窓口で確認してください。
移転のあとにやることの全体像は、会社設立後にやること一覧|税務署・年金・銀行口座・届出を整理とあわせてご覧ください。税務署への異動届出書など税務の手続きは税理士へ、社会保険の住所変更は社労士へ、登記は司法書士へおつなぎします。
本店移転の手続きでよくある質問
Q. 同じ建物の中で部屋番号だけ変わりました。届出は要りますか。
部屋番号も所在地の一部ですので、原則として手続きの対象になります。登記の記載と、許可証や届出書の記載が実際と違う状態を放置しないのが基本です。ビル名や部屋番号まで記載しているかどうかは書類ごとに違いますので、手元の許可証と登記簿を並べて確認してください。
Q. 県をまたいで移転する場合はどうなりますか。
建設業許可は、営業所が1つの都道府県内にあるかどうかで知事許可と大臣許可に分かれます。県をまたぐ移転は、許可の種類そのものに関わりますので、早い段階での確認が必要です。古物商許可は主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会の許可ですので、こちらも扱いが変わります。
Q. 移転の日はいつを書けばよいですか。
実際に事務所を移して、そこで業務を始めた日が基準になります。荷物を運んだ日と、営業を始めた日がずれる場合は、業務の実態に合わせてください。この日付が、それぞれの期限の起算点になります。
本店移転の理解度クイズ
Q1. 会社の変更登記の期限はどれでしょう。
A. 変更が生じてから2週間以内
B. 変更が生じてから30日以内
C. 決算のときにまとめて
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正解:A。本店の所在地は登記事項です。
Q2. 古物商で、登記事項証明書を添えて変更届を出すときの期限はどれでしょう。
A. 14日以内
B. 20日以内
C. 30日以内
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正解:B。添えない場合は14日以内です。
Q3. 事前に届け出るのはどれでしょう。
A. 建設業許可の変更届
B. 自動車の変更登録
C. 古物商の営業所の新設
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正解:C。変更の日の3日前までです。
移転してから気づいてご相談をいただいた事例
柏市の会社様から、事務所を移したあとにご相談をいただいたことがあります。登記は司法書士に頼んで済んでいましたが、許認可のほうが手つかずでした。
建設業許可の変更届はまだ期限の中でしたが、社用車の変更登録は15日を過ぎていました。車が3台あり、駐車場も変わっていたので、保管場所の手配から始めることになりました。
移転の予定が決まった段階で並べていれば、同じ日に回れた手続きです。先に一覧を作るだけで、往復の回数が変わります。
移転を決めた日のワンポイントアドバイス
移転の日が決まったら、その日をカレンダーに入れて、そこから3日前、14日後、15日後、30日後に印を付けてください。
そのうえで、自社が持っている許可を書き出します。建設業、古物商、産業廃棄物、飲食店、どれを持っているかで手続きの数が変わります。許可証を全部出して並べるのがいちばん早いです。
そこに車検証を足せば、やることの一覧ができあがります。あとは印を付けた日付に割り当てていくだけです。
本店移転のまとめ
- 会社の変更登記は、変更が生じてから2週間以内です
- 建設業許可の変更届は、原則として30日以内です
- 古物商は変更届出と書換申請があり、14日以内(登記事項証明書を添えるなら20日以内)です
- 古物商の営業所を新設するときは、変更の日の3日前までに届け出ます
- 社用車の変更登録は15日以内。保管場所も見直しになることがあります
- 県をまたぐ移転は、許可の種類そのものに関わります
つまずくのは、登記が終わってから許認可のことを考え始める場面です。期限の短いものから先に動くと間に合います。
行政書士むらた事務所では、流山市・柏市・松戸市を中心に(内容によってはオンラインで全国対応)、本店移転にともなう建設業許可・古物商許可の変更届と、車庫証明・自動車登録をお引き受けしています。
登記は司法書士へ、税務の手続きは税理士へ、社会保険は社労士へおつなぎします。
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