補助金の入口は中小企業者かどうかです。資本金と従業員数はどちらかで足ります
今回の記事は補助金の入口になる中小企業者の判定についてになります。
うちは資本金が大きいから対象外だと思っていた、といったことはありませんでしょうか。
両方を満たす必要はありません。
流山市・柏市・松戸市の事例をもとに整理します。
この記事の結論
- 中小企業者は、資本金と従業員数のどちらか一方を満たせば当たります
- 基準は業種で変わり、判定するのは登記の目的ではなく主たる事業です
- 小規模事業者は別の物差しで、従業員数だけを見ます
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「または」です。両方そろえる必要はありません
補助金の募集要領を開くと、最初に対象者として中小企業者が出てきます。
ここで止まる方が多い場所です。
中小企業基本法の定義は、業種ごとに資本金の額と常時使用する従業員の数が並びます。
この2つはどちらか一方を満たせばよいという関係です。
製造業で資本金が5億円あっても、従業員が280人であれば中小企業者に当たります。
逆に従業員が400人いても、資本金が1億円なら当たります。
両方そろわないと駄目だと読んで申請をあきらめる。
いちばんもったいない誤解です。
業種は、実際にやっていることで見ます
次につまずくのが業種です。
判定するのは定款や登記に書いた目的ではなく、主たる事業になります。
分類は日本標準産業分類にそろえます。
売上の大きい事業がどれに当たるかを見る形です。
間違えやすい例があります。
自分の店で作ったパンを店頭で売るパン屋は、製造業ではなく小売業です。
作っていても、お客様へ直接売るなら小売になります。
小売業の基準は資本金5,000万円以下または従業員50人以下。
製造業の300人と比べると、かなり狭くなります。
業種の読み違いは、対象か対象外かを直接ひっくり返します。
| 業種 | 資本金 | 常時使用する従業員 | 小規模企業者 |
|---|---|---|---|
| 製造業その他 | 3億円以下 | 300人以下 | 20人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 | 5人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 | 5人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 | 5人以下 |
小規模事業者は、従業員だけを見ます
もう一つの物差しが小規模事業者です。
こちらは資本金を見ず、常時使用する従業員の数だけで決まります。
製造業その他は20人以下、商業とサービス業は5人以下。
小規模事業者持続化補助金のように、この枠を対象にした制度があります。
ここで効いてくるのが、従業員に誰を数えるかです。
会社の役員と個人事業主本人は、従業員に含めません。
日々雇い入れる方や、2か月以内の期間を定めて雇っている方も外れます。
パートやアルバイトは、契約の形を見て一人ずつ判断することになります。
社長と奥様とパートが4人。
数えると6人ですが、役員を外せば商業なら5人以下に収まります。
数え方ひとつで枠が変わります。
自社がどの枠に入るかの調べ方
1 売上のいちばん大きい事業を1つ選ぶ(登記の目的ではなく実際の中身)
↓
2 日本標準産業分類でその事業がどの業種になるかを見る
↓
3 資本金の額を確認する → 基準以下なら中小企業者
↓ 基準を超えていたら
4 常時使用する従業員を数える(役員と事業主本人は除く)
↓ どちらか一方が基準以下なら中小企業者
5 従業員が20人以下(商業・サービス業は5人以下)なら小規模事業者の枠も見る
制度ごとに、上乗せの条件があります
ここまでが土台です。
実際の補助金では、これに条件が足されます。
大企業から一定以上の出資を受けた会社を外す扱いや、業種の範囲を制度側で決めているものがあります。
医療法人や一般社団法人を含めるかどうかも制度によって違います。
中小企業者に当たるかどうかは入口で、通ったあとに募集要領を読む順番です。
逆にいえば、入口で外れていると分かれば、そこから先を読む時間を使わずに済みます。
よくある質問
Q. 複数の事業をやっている場合、業種はどう決まりますか。
主たる事業で決まります。
売上の構成比が大きいものを1つ選ぶ形が基本で、複数の分類にまたがっていても2つの業種として扱うわけではありません。
年度によって構成比が入れ替わることもありますので、申請の時点の直近決算で見てください。
Q. パート従業員は従業員数に入りますか。
契約の内容によって分かれます。
基準になるのは解雇の予告が必要な方かどうかで、一律にパートだから除くという扱いではありません。
日々雇い入れる方や2か月以内の期間を定めた方は外れます。
名簿を作って一人ずつ当てはめると早いです。
Q. 資本金を減らせば中小企業者になれますか。
形式的には基準を満たしますが、減資は手続きも影響も大きい話です。
従業員数の基準を先に確認してください。
どちらか一方でよいため、従業員数で収まっているなら資本金を動かす必要はありません。
順番を逆にすると余計な負担が出ます。
理解度チェッククイズ
Q1. 中小企業者の判定で、資本金と従業員数はどういう関係でしょう。
A. どちらか一方を満たせばよい
B. 両方を満たす必要がある
C. 資本金だけで決まる
答えを見る
正解:A。片方が基準を超えていても、もう片方で収まれば当たります。
Q2. 自分の店で作ったパンを店頭で売る場合、業種はどれでしょう。
A. 小売業
B. 製造業
C. サービス業
答えを見る
正解:A。作っていても、お客様へ直接売るなら小売業です。
Q3. 常時使用する従業員に含まれないのはどれでしょう。
A. 会社の役員
B. 週5日勤務のパート
C. 契約社員
答えを見る
正解:A。個人事業主本人も含めません。
体験談・事例
柏市で食品を扱う会社のお客様から、補助金は無理だろうというお話をいただいたことがあります。
資本金が基準を超えていたためでした。従業員は60人ほど。
製造が主たる事業でしたので、300人の枠に収まっていました。
そのまま申請へ進んでいます。
ワンポイントアドバイス
自社の資本金と従業員数、主たる事業を1枚の紙に書いて、決算のたびに更新しておいてください。
補助金の公募は締切が短く、開始から1か月ということもあります。
そこから業種を調べ直していると間に合いません。
手元にあれば、募集要領を見た日に判断できます。
まとめ
- 資本金と従業員数は、どちらか一方で足ります
- 業種は登記の目的ではなく、主たる事業で決まります
- 小規模事業者は従業員数だけで判定し、役員は数えません
ここまでが入口の話です。
実務でつまずくのは、むしろ業種の当てはめかもしれません。
製造と小売、卸と小売の境目は、売上の相手が誰かで変わります。
同じ商品を扱っていても、事業者向けなら卸売、消費者向けなら小売です。
ここが変われば、基準の人数も変わります。
行政書士むらた事務所では、流山市・柏市・松戸市を中心に(ご相談内容によってはオンラインで全国対応)、補助金の申請支援、事業計画書の作成、採択後の実績報告までをお引き受けしています。
税務や登記のご相談は、それぞれの専門家へおつなぎします。
「うちは対象になりますか」の確認だけのご相談で構いません。
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