協力医療機関の義務化は令和9年4月です。3要件を満たす連携先を今のうちに
こんにちは。
千葉県流山市の行政書士むらた事務所です。
今回の記事は協力医療機関の義務化についてになります。
近くの病院と昔から付き合いがあるので大丈夫だと思っている、といったことはありませんでしょうか。
求められているのは付き合いではなく、要件を満たす体制です。
流山市・柏市・松戸市の事例をもとに整理します。
この記事の結論
- 経過措置は3年で、完全に義務となるのは令和9年4月からです
- 協力医療機関には3つの要件があり、施設の種別で数が変わります
- 決めた後も、年1回以上の確認と自治体への届出が要ります
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義務になるのは令和9年4月からです
令和6年度の介護報酬改定で、高齢者施設と医療機関の連携が運営基準に入りました。
ただし、すぐに全施設へ適用されたわけではありません。
経過措置が3年間置かれています。令和6年4月から数えて、令和9年3月末までです。
裏を返すと、令和9年4月からは基準を満たしていないと運営基準違反になります。
まだ先に見えますが、相手のある話です。
要件を満たす医療機関を探し、話し合い、書面にするまでに時間がかかります。
慌てて探し始めたときには近隣の病院がすでに他施設と組んでいた、ということが起こり得ます。
3つの要件と、種別による線引き
協力医療機関に求められるのは、次の3つです。
1つ目が医師または看護職員が相談対応を行う体制を常時確保していること。
2つ目が診療を行う体制を常時確保していること。
3つ目が入院を要する入所者の入院を原則として受け入れる体制を確保していることです。
重要なのは、施設の種別によって求められる数が違う点です。
介護老人福祉施設、地域密着型の同施設、介護老人保健施設、介護医療院、養護老人ホームは、3つすべてを満たす医療機関を定めることが義務です。
一方、軽費老人ホーム、特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設、認知症対応型共同生活介護は、1つ目と2つ目が努力義務とされています。
グループホームと特養では話がまったく違いますので、自施設がどちらかを最初に確かめてください。
決めた後にやることが2つあります
連携先が決まって終わりではありません。
ここを落とす施設が多い印象です。
1つ目は確認です。
1年に1回以上、協力医療機関との間で、入所者の病状が急変した場合などの対応を確認することが求められます。
担当者が代わっていることもあり、形だけの更新にしないでください。
2つ目は届出です。
協力医療機関の名称などを、指定を行った自治体に1年に1回以上提出する必要があります。
決めただけでは足りません。
なお1つの医療機関で3要件を満たせない場合は、複数を組み合わせる形も認められています。
相談体制は診療所、入院受入れは病院、という組み方です。近隣に大きな病院がない地域では、これが現実的になります。
| 施設の種別 | 相談対応 | 診療体制 | 入院受入れ |
|---|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 義務 | 義務 | 義務 |
| 介護老人保健施設 | 義務 | 義務 | 義務 |
| 介護医療院 | 義務 | 義務 | 義務 |
| 養護老人ホーム | 義務 | 義務 | 義務 |
| 特定施設入居者生活介護 | 努力義務 | 努力義務 | - |
| 認知症対応型共同生活介護 | 努力義務 | 努力義務 | - |
| 軽費老人ホーム | 努力義務 | 努力義務 | - |
連携先と話をする前に、施設側で固めておく6点
□ 自施設は義務の種別か、努力義務の種別か
□ 現在の協力医療機関は、3要件のどれを満たしているか
□ 満たせない要件を、別の医療機関で補う必要があるか
□ 夜間と休日の相談窓口が、電話番号まで決まっているか
□ 急変時の受入れについて、書面で取り交わしているか
□ 年1回の確認と自治体への届出を、誰がいつ行うか
よくある質問
Q. 近所の診療所と長年の付き合いがあれば足りますか。
付き合いの長さは要件ではありません。
求められているのは、相談対応と診療の体制が常時確保されていることです。
夜間や休日に連絡が取れない体制だと、実質的に満たしていないと見られる可能性があります。
まず、その診療所が夜間にどう対応できるのかを具体的に確かめてください。
Q. 3つの要件を1つの病院で満たせません。
複数の医療機関を組み合わせて満たす形が認められています。
相談対応は近くの診療所、入院受入れは連携する病院、という分け方です。
ただし、それぞれとの取り決めを書面にしておかないと、いざというときに動きません。
役割の切り分けを明確にしておいてください。
Q. 届出はどこへ出せばよいですか。
指定を行った自治体です。
都道府県が指定した施設なら都道府県、市町村が指定した地域密着型なら市町村になります。
流山市・柏市・松戸市では、地域密着型の届出先が市の介護保険担当課になります。
自施設の指定権者がどちらかを、まず指定通知書で確かめてください。
理解度チェッククイズ
Q1. 経過措置が終わり、完全に義務となるのはいつからでしょう。
A. 令和7年4月
B. 令和8年4月
C. 令和9年4月
答えを見る
正解:C。令和6年4月から3年間の経過措置が置かれています。
Q2. 3要件すべてが義務となるのはどれでしょう。
A. 認知症対応型共同生活介護
B. 介護老人福祉施設
C. 軽費老人ホーム
答えを見る
正解:B。グループホームは相談対応と診療体制が努力義務です。
Q3. 協力医療機関を決めた後に必要なのはどれでしょう。
A. 年1回以上の確認と自治体への届出
B. 毎月の報告書の提出
C. 特に何もいらない
答えを見る
正解:A。決めただけで止まっている施設が少なくありません。
体験談・事例
柏市のグループホーム様から、特養と同じ対応が要るのかというご相談をいただいたことがあります。
義務化という言葉だけが伝わっていて、入院の受入れまで確保しなければと考えておられました。
認知症対応型共同生活介護は相談対応と診療体制が努力義務ですので、そこまでは求められません。
ワンポイントアドバイス
先に自施設の種別を確かめてください。
義務か努力義務かで動く範囲が変わります。
そのうえで、現在の協力医療機関が3要件のどれを満たしているかを一つずつ確認します。
ここまでを紙に落としてから医療機関との話し合いに入ってください。
順番を逆にすると、何を頼めばよいのかが定まりません。
まとめ
- 経過措置は3年間で、令和9年4月から完全に義務となります
- 3要件のうち、種別によって義務の範囲が変わります
- 年1回以上の確認と自治体への届出まで含めて基準です
ここまでが制度の輪郭です。
ただし実務でつまずくのは、要件の理解より書面のほうです。
急変時に誰へ連絡し、どこまで受け入れてもらえるのか。
口頭で握っているだけだと、担当者が代わった時点で振り出しに戻ります。
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