助産所は届出ですか許可ですか?助産師が開くなら10日以内の届出です
助産所を開くときの手続きは、開く人が助産師かどうかで2つに分かれます。助産師が開いたときは開設後10日以内の届出、助産師でない人が開くときは開設前の許可です。
開業の相談に行ったら許可が必要だと言われて戸惑った、といったことはありませんでしょうか。流山市・柏市・松戸市で開業を考えておられる方からのご相談をもとに整理します。
この記事の結論
- 助産師が助産所を開設したときは、開設後10日以内に都道府県知事へ届け出ます
- 助産師でない人が助産所を開設しようとするときは、開設する前に許可を受けます
- 窓口は所在地を管轄する保健所で、分娩を取り扱うかどうかで添付する書類が変わります
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助産師が開いたときは、開設後の届出です
医療法第8条はこう書いています。臨床研修等修了医師、臨床研修等修了歯科医師又は助産師が診療所又は助産所を開設したときは、開設後十日以内に、診療所又は助産所の所在地の都道府県知事に届け出なければならない。
読んでいただきたいのは「開設したとき」という書き方です。開ける前に許可をもらう形ではありません。開いたあとに届け出る順番になっています。
そのうえで期限が10日です。準備に追われている時期と重なるので、開設日が決まった段階で書類をそろえておくほうが安全です。
届出先は所在地の都道府県知事で、千葉県の場合、実際の窓口は所在地を管轄する保健所です。郵送や持参の扱いは保健所ごとに案内が異なるため、提出方法は先に確認しておいてください。
助産師でない人が開くときは、先に許可です
もう一方が医療法第7条第1項です。助産師でない者が助産所を開設しようとするときは、開設地の都道府県知事の許可を受けなければならないと書かれています。
こちらは「開設しようとするとき」です。開く前の手続きで、許可が出るまで開設できません。届出と許可で、時期が逆になります。
この形が出てくるのは、たとえば法人が助産所を開くときです。法人そのものは助産師ではありませんから、助産師を管理者として置く形であっても、開設者としては許可の側に入ります。
千葉県の案内では、助産所開設許可の提出時期は事前とされ、手数料として千葉県収入証紙で1万2千円を納めることになっています。届出と違い、審査を受ける手続きだからです。
ここを取り違えると順番が狂います。届出だと思って先に開けてしまうと、許可のない開設になります。開設者を誰にするかは、物件を決める前に固めておきたい部分です。
| 開設するのは | 手続き | 時期 | 手数料(千葉県) |
|---|---|---|---|
| 助産師 | 開設届 | 開設後10日以内 | 案内に記載なし |
| 助産師でない人・法人 | 開設許可 | 開設前 | 千葉県収入証紙 1万2千円 |
表のとおり、違うのは言葉だけではありません。開ける時期そのものが変わります。
管理するのは、助産師でなければなりません
開設者とは別に、もう1つ決まりがあります。医療法第11条です。助産所の開設者は、助産師に、これを管理させなければならないと書かれています。
短い条文ですが、実務では効きます。法人が開設者になる場合でも、管理者には助産師を置くことになります。開設者は助産師でなくてもよいが、管理者は助産師でなければならないという組み合わせです。
だからこそ、千葉県の届出の案内でも管理者の免許証の写しと履歴書が求められています。誰が管理するのかを、免許で確かめる形です。
開業の計画を立てるときは、開設者と管理者を別の欄として考えてください。同じ人が両方になることも多いのですが、法人で開く場合は必ず分かれます。
分娩を取り扱うなら、嘱託医師の承諾書が加わります
千葉県の助産所開設届の案内には、添える書類が並んでいます。管理者の免許証の写しと履歴書、従事する助産師の免許証の写し、敷地平面図、建物平面図です。免許証の写しは原本照合が必要とされています。
建物が賃貸の場合は、建物平面図に加えて賃貸借契約書の写しが挙げられています。物件を借りて開くときは、契約書が手続きの書類にもなるということです。
そして、分娩を取り扱う場合です。案内では嘱託医師の免許証の写しと、嘱託医師・嘱託医療機関の承諾書が必要とされています。
この承諾書は、こちらの都合だけでは用意できません。相手の医師や医療機関に引き受けていただく書類なので、頼んでから手元に届くまでに日数がかかります。開設後10日以内という期限を考えると、いちばん早く動き出すべきなのがここです。
反対に、分娩を取り扱わない形で始めるのであれば、この1枚は出てきません。何を取り扱うかを決めることが、そのまま書類の量を決めます。
助産所の開設でよくある質問
開設した場所や名称を変えるときも手続きがありますか
千葉県の手続一覧には、助産所開設許可(届出)事項中一部変更届が用意されています。届け出た内容を変えるときの様式です。開設のときだけで終わる手続きではない、と考えておいてください。
しばらく休むときや、やめるときはどうなりますか
こちらも様式があります。千葉県の手続一覧には、病院(診療所、助産所)休止(廃止、再開)届が挙げられています。休む、やめる、また始めるのそれぞれが届出の対象です。
届出を出していないことに後から気づきました
気づいた時点で、管轄の保健所へご相談ください。期限を過ぎているかどうかで出せなくなる書類ではありません。先に電話で事情をお伝えして、持っていく書類を確認してから動くほうが早く済みます。
助産所の開設をケースで確認
ご相談の形を3つ挙げます。
ケース1 助産師の方が自宅の一部で開く
開設者が助産師ご本人であれば、手続きは開設後10日以内の届出です。自宅の一部を使う場合も、敷地平面図と建物平面図を出すことになります。図面は開設の届出で必ず求められるものなので、改装の図面があるならそのまま使えるか確認してください。
ケース2 法人として助産所を開く
開設者が法人であれば、助産師でない者が開設する形です。開設前の許可になり、許可が出るまで開けません。管理者として助産師を置く予定であっても、この結論は変わりません。物件の契約時期と許可の時期がぶつかりやすいので、先に保健所へ相談する順番にしてください。
ケース3 まず分娩を扱わずに始めて、あとから扱いたい
始めるときの書類は軽くなります。ただし、あとから分娩を取り扱うのであれば嘱託医師の承諾書の話が出てきます。将来扱うつもりがあるなら、開設の相談の段階で保健所に伝えておくほうが、二度手間になりません。
開設の相談に行くとき、手元にそろえておくと話が早いもの
開設予定日、開設者が誰か(個人か法人か)、管理者になる方の免許証、物件の図面と賃貸借契約書、分娩を取り扱うかどうか、従事する助産師の人数です。この6点がそろっていれば、保健所での相談が1回で終わりやすくなります。開設予定日が未定のままだと、どの手続きがいつまでかという話に進めません。
流山市の助産所の開設についてのご相談
当事務所では、開業の相談をいただいたときに、まず開設者が誰になるのかを確認しています。ここで届出と許可のどちらに乗るかが決まるためです。
流山市で開業を考えておられる方から、保健所に電話したら許可だと言われたというご連絡をいただいたことがあります。ご本人は助産師の方で、届出になるはずだと考えておられました。
うかがうと、開設者を設立予定の法人にする計画でした。法人が開設者であれば許可です。ご本人を開設者にする形に戻したことで、手続きは届出になりました。誰が開くのかを決めるだけで、手続きの入口が変わります。
助産所の開設でつまずかないためのワンポイントアドバイス
開設予定日を決めたら、その日を起点に逆算してください。届出の期限は開設後10日以内ですが、実際に時間がかかるのは免許証の原本照合や図面の用意、そして嘱託医師の承諾書です。
もう1つ、賃貸物件で開く場合は、契約書の写しが提出書類に入ります。契約の内容が手続きに出ていくので、用途や使用範囲の書き方は契約前に目を通しておいてください。
保健所への相談は、物件を決める前の段階で一度しておくのがおすすめです。場所と開設者が決まってからでは、戻れない部分が出てきます。
助産所の開設手続きのまとめ
- 助産師が開設したときは、開設後10日以内に都道府県知事へ届け出ます
- 助産師でない人や法人が開設するときは、開設前に許可を受けます
- 千葉県の助産所開設許可の手数料は、千葉県収入証紙で1万2千円です
- 届出には管理者と従事する助産師の免許証の写し、履歴書、敷地平面図、建物平面図が必要です
- 分娩を取り扱う場合は、嘱託医師の免許証の写しと承諾書が加わります
- 変更、休止、廃止、再開にもそれぞれ様式があります
自力で進めてつまずくのは、開設者を法人にするか個人にするかを決める前に物件を押さえてしまう場面です。許可の側に乗ると、開ける日が後ろにずれます。
行政書士むらた事務所では、流山市・柏市・松戸市を中心に(内容によってはオンラインで全国対応)、医療・介護の分野の開設手続きや変更の届出をお引き受けしています。登記は司法書士へ、税務は税理士へ、労務や社会保険の手続きは社労士へおつなぎします。
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あわせて、歯科医院を開いたら10日以内に2つの届出。開設届とエックス線ですもご覧ください。
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