ホームページに患者さんの声は載せられますか?体験談は使えません

患者さんの声は、ホームページに載せられません。体験談は広告として使えないと定められています。

開業のご相談で、ホームページに口コミを並べたいというお話をよくいただきます。流山市・柏市・松戸市の事例をもとに整理します。

この記事の結論

  • 医療機関のホームページは、2017年の法改正で他の広告媒体と同様に規制の対象になりました
  • 禁止されている類型のひとつが体験談で、患者自身の体験や家族からの伝聞に基づく主観的なものが対象です
  • 術前術後の写真は、説明が不十分なものが禁止されています。写真そのものが禁止ではありません

お急ぎの方は一度以下HPまたはLINEから、お気軽にお問い合わせください。

代表 村田圭
代表 村田 圭
⚖ 登録番号 第26101461号
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ホームページも広告として見られます

以前は、医療機関のホームページは広告規制の対象外とされていました。患者が自分で探して見に来るものだから、という整理でした。

これが変わりました。厚生労働省の医療広告ガイドラインは、医療機関のウェブサイト等についても、他の広告媒体と同様に規制の対象としと書いています。インターネット上の広告や電子メールも、規制対象の媒体として挙げられています。

つまり、看板やチラシと同じ目で見られます。「自分のホームページだから自由に書ける」という前提が、ここで崩れます。

広告に当たるかは、3つがそろうかで決まります

ガイドラインは、医療広告に当たるかどうかを3つの要件で判断するとしています。患者の受診等を誘引する意図があること、病院、診療所若しくはオンライン診療受診施設の名称が特定可能であること、そして医業や歯科医業、病院や診療所に関する内容であることです。

この3つがそろうと広告です。医院名が出ていて、来てほしいという意図があって、診療の内容を書いている。ホームページはふつう、3つとも満たします。

医療広告に当たるかどうかの3つの要件 受診を誘引する 意図がある 医院の名称が 特定できる 医業や診療所に 関する内容 3つそろうと医療広告に当たる 禁止されている類型に当たらないかを見る 出典:厚生労働省 医療広告ガイドライン

使えない表現は、類型で決まっています

広告に当たると、次の類型に入る表現が使えません。ガイドラインが挙げているものを並べます。

類型ガイドラインの定義や例
虚偽広告内容が虚偽にわたる広告。例として「絶対安全な手術です!」が挙げられています
比較優良広告他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告。例は「当院は県内一の医師数を誇ります。」
誇大広告必ずしも虚偽ではないが、事実を不当に誇張して表現していたり、人を誤認させる広告。例は「比較的安全な手術です。」
体験談患者自身の体験や家族等からの伝聞に基づく主観的な体験談
ビフォーアフター写真術前又は術後の写真やイラストのみを示し、説明が不十分なもの
公序良俗に反する広告わいせつ若しくは残虐な図画や映像又は差別を助長する表現等を使用した広告など
品位を損ねる内容の広告費用を強調したものや、提供される医療と直接関係のない事項で誘引するもの

「比較的安全な手術です」が誇大広告の例に入っているところが、実務ではいちばん意外に見えます。言葉をやわらげても、根拠がなければ同じ扱いです。

体験談と口コミは、分けて考えます

禁止されているのは、患者自身の体験や家族等からの伝聞に基づく主観的な体験談です。治療の内容や効果について、患者さんの感想を医院が自分のホームページに載せる形が、これに当たります。

一方で、医院が運営していない口コミサイトに利用者が自分で書いたものは、医院の広告ではありません。ただし、医院が依頼したり対価を払ったりして書かせていると、実質的に医院の広告と見られる余地があります。誰の意図で載っているかが分かれ目です。

待合室に置くアンケートの掲示も、同じ目で見ることになります。院内の掲示は誘引性の評価が変わる場面もあるので、個別に確認してください。

写真は、説明を付ければ使えます

術前術後の写真は、それ自体が禁止されているわけではありません。ガイドラインが挙げているのは術前又は術後の写真やイラストのみを示し、説明が不十分なものです。

つまり、治療内容、費用、主なリスクや副作用などの説明を併せて示せば、載せられる形になります。写真だけを並べて「こうなります」と見せる構成が問題になります。

診療所を開くときの届出はこちらにまとめています。歯科医院を開いたら10日以内に2つの届出。開設届とエックス線です

広告の個別の表現が規制に当たるかどうかの最終的な判断は、保健所の医療広告の担当窓口が行います。公開前に、原稿の段階で相談してください。診療報酬の算定は社会保険診療報酬支払基金と審査支払機関、労務や社会保険の手続きは社労士、紛争は弁護士が窓口になります。

よくある質問

Q. 「〇〇学会認定医」と書くのは問題ありませんか。

広告できる事項として認められている範囲があり、そこに収まっているかで判断します。学会の名称や資格の表記は、認められる要件が細かく定められているので、該当する学会がその要件を満たしているかを確認してください。表記のしかたで印象が変わる部分なので、原稿の段階で保健所に見てもらうのが早いです。

Q. 患者さんが自分のSNSに書いた感想を、医院のページで紹介するのはどうですか。

医院のページに載せた時点で、医院が示した体験談として見られます。本人が書いたものであっても、医院のホームページに置けば医院の広告です。引用の形にしても同じです。

Q. 「痛みの少ない治療」という表現は使えますか。

事実を不当に誇張していないか、人を誤認させないかで判断します。ガイドラインは「比較的安全な手術です。」を誇大広告の例に挙げています。やわらげた言い方でも、裏づけがなければ同じ指摘を受ける可能性があります。何をもって痛みが少ないのかを具体的に書けるかどうかで考えてください。

ケースで確認

自分のホームページに置き換えて読んでみてください。答えは隠してあります。

ケース1 流山市の歯科医院です。ホームページを作り直すので、治療を受けた患者さん5人にアンケートを書いてもらい、「治療の感想」として医院名と一緒に掲載する予定です。

ア 患者さんが自分で書いたものなので、医院の広告には当たらない

イ 医院のページに載せる時点で、禁止されている体験談に当たる

ウ 匿名にすれば問題なく載せられる

答えと解説を開く

答え:イ

禁止されているのは、患者自身の体験や家族等からの伝聞に基づく主観的な体験談です。誰が書いたかではなく、医院が自分のページに治療の感想として載せる形が対象になります。

アは、書いた人と載せた人を混同しています。載せる判断をしたのは医院です。ウは、匿名かどうかが要件に入っていません。名前の出し方を変えても、主観的な体験談であることは変わりません。

ケース2 柏市の歯科医院です。矯正治療の症例写真を、治療前と治療後の2枚だけ並べて「この方は半年で整いました」と書き添えました。費用やリスクの記載はありません。

ア 写真を載せること自体が禁止なので、どう書いても載せられない

イ 説明が不十分な形なので指摘を受ける。治療内容や費用、リスクを併記する形に直す

ウ 実際の症例なので、虚偽ではなく問題ない

答えと解説を開く

答え:イ

ガイドラインが挙げているのは、術前又は術後の写真やイラストのみを示し、説明が不十分なものです。写真を禁止しているのではなく、説明のない見せ方を問題にしています。

アは、禁止の範囲を広く取りすぎています。ウは、虚偽でなければよいという読み方で、ほかの類型を見落としています。事実であっても、説明が足りなければ別の類型で引っかかります。

ケース3 松戸市の歯科医院です。近隣の医院より設備が新しいので、「この地域でいちばん新しい設備です」と書こうと考えています。設備の導入年は事実です。

ア 事実なので、そのまま書いてよい

イ 他院と比較して優良である旨の表現なので、書き方を変える

ウ 「いちばん」を「かなり」に変えれば問題なくなる

答えと解説を開く

答え:イ

比較優良広告は、他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告です。ガイドラインは「当院は県内一の医師数を誇ります。」を例に挙げています。事実かどうかではなく、他院と比べて優れていると示す形が対象です。

アは、事実なら書けるという読み方です。この類型は内容の真偽を問いません。ウも、やわらげただけでは比較の構図が残ります。導入した設備の名称と導入年を、比較せずに書く形に直します。

流山市での事例

流山市で開業予定の歯科医院から、ホームページの原稿を見てほしいというご相談がありました。制作会社から届いた構成案に、患者さんの声を6件載せる欄が入っていました。

制作会社は医療以外の業種を多く手がけていて、医療には別のルールがあることを知らないまま作っていました。公開前だったので、その欄を診療の流れと設備の説明に差し替えました。

柏市や松戸市でも、同じ相談をいただきます。先に作ってしまうと、作り直しの費用が発生します。

ワンポイントアドバイス

制作会社に発注するときに、医療広告ガイドラインに沿って作ってほしいと契約書か発注書に書いてください。口頭で伝えただけだと、できあがってから直すことになります。

技工所を併設する場合は、別の届出が必要です。こちらにまとめています。技工所の届出は開業前ですか?開設後10日以内で、変更も休止も同じです

まとめ

  • 医療機関のホームページは、他の広告媒体と同様に規制の対象です
  • 広告に当たるかは、誘引性、名称の特定、医療に関する内容の3つで判断されます
  • 患者自身の体験や家族等からの伝聞に基づく主観的な体験談は使えません
  • 術前術後の写真は、説明が不十分なものが禁止されています
  • 他院と比較して優良である旨の表現は、事実かどうかを問わず対象です

自力で進める場合につまずきやすいのは、一般の業種のホームページをお手本にしてしまうことです。見栄えのする構成がそのまま使えないため、できあがってから作り直す流れになります。

当事務所は、流山市・柏市・松戸市を中心に、診療所の開設の届出と開業時の書類の整備をお手伝いしています。広告の個別の表現は保健所が窓口になりますので、確認の進め方を含めてご案内します。

制作会社からの構成案を見ながらでも構いません。当事務所へのご相談はHPまたは公式LINEから24時間受け付けております。

是非お気軽にご相談ください。

代表 村田圭
代表 村田 圭
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契約書のことでお困りではありませんか?
流山市・柏市・松戸市及び近隣エリア対応。
複雑な手続きは専門家にお任せください。初回相談は無料です。
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