訪問歯科の収益が伸びない原因は届出漏れ?在宅療養支援歯科診療所の施設基準を整理
こんにちは。
千葉県流山市の行政書士むらた事務所です。
訪問歯科を始めた先生から届く相談で多いのが、訪問件数は増えているのに収益が伸びないというものです。
伺うと、在宅療養支援歯科診療所の届出をしていないケースが目立ちます。
流山市・柏市・松戸市の事例をもとに整理します。
この記事の結論
- 在宅療養支援歯科診療所は訪問診療の体制を評価する施設基準で、届け出て初めて算定できるとされます
- 研修修了の歯科医師と歯科衛生士の配置、後方支援先との連携体制が主な柱になります
- 実績要件があるため、開業初年度は要件を満たせず、翌年以降に届け出る流れが一般的です
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まず前提。届け出ていないと、その分は算定できない
在宅療養支援歯科診療所は、通称で歯援診と呼ばれます。
在宅や施設で療養する方に歯科医療を提供する体制を見る施設基準で、地方厚生局への届出が必要とされます。
誤解が多いのはここです。
訪問診療をどれだけ行っていても、施設基準を届け出ていなければ、それに紐づく点数は算定できないのが原則です。
届出は診療の許可ではなく、評価を受けるための手続きです。
同じ診療でも、届出の有無で収益が変わります。
要件は三つの柱で見る。人、連携、実績
条文は改定で動きますが、見るべき柱は同じです。
一つ目が人で、高齢者の口腔機能管理などに関する研修を修了した歯科医師と歯科衛生士の配置が求められます。
二つ目が連携で、急変時に受け入れる病院や診療所との体制、担当者名を記した書面の整備が問われます。
三つ目が実績で、過去一定期間の訪問診療の件数や口腔機能管理の実績が基準になります。
人と連携は準備すれば揃いますが、実績だけは時間を買えません。
開業初年度に届け出られないのはこのためです。
区分によって、算定できるものが変わる
歯援診には区分が設けられ、求められる実績や連携の水準が異なります。
上位の区分ほど要件は重くなりますが、評価される範囲も広がります。
どちらを目指すかは訪問先の内訳で決まります。
施設が中心か個人宅が多いかで、積み上がる実績の種類が変わるためです。
先に区分を決めてから訪問先を組み立てるほうが、遠回りになりません。
区分ごとの実績数は改定で変わるため、直近の告示で必ず確認してください。
届け出られる状態かを3問で確認する
1. 研修を修了した歯科医師がいるか → いなければ研修の受講から
2. 急変時の後方支援先が決まっているか → 未定なら連携先の確保から
3. 直近一年の訪問実績が基準を満たすか → 不足なら実績を積む期間が必要
よくある質問
Q. 開業と同時に届け出ることはできますか。
実績要件があるため難しいとされます。開業後の届出時期を厚生局へご確認ください。
Q. 届出をしないまま訪問診療を続けても問題ありませんか。
診療自体は可能とされますが、評価される点数の範囲が変わります。
Q. 届出後にやることはありますか。
定例報告など継続的な報告が求められるのが通例です。
理解度チェッククイズ
Q1. 在宅療養支援歯科診療所の届出先はどこでしょう。
A. 保健所
B. 地方厚生局
C. 市役所
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正解:B。施設基準の届出は地方厚生局が窓口とされます。
Q2. 開業初年度に届け出にくい理由はどれでしょう。
A. 研修が受けられないため
B. 訪問診療の実績が積み上がっていないため
C. 歯科衛生士を雇えないため
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正解:B。人と連携は準備できても、実績には期間が要ります。
Q3. 要件の三つの柱に含まれないものはどれでしょう。
A. 研修修了の歯科医師の配置
B. 後方支援先との連携体制
C. 診療所の建物の広さ
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正解:C。人・連携・実績の三つで整理できます。
体験談・事例
柏市の歯科医院では、訪問件数が月に百件を超えていたのに施設基準を届け出ていませんでした。
研修も連携先も実は揃っており、書類を整えるだけで届出まで進みました。
届け出ていないという一点で、一年以上も評価されない状態が続いていました。
ワンポイントアドバイス
訪問診療を始めた月から、訪問先の区分と件数を分けて記録してください。
届出時に実績を集計し直す手間がなくなり、区分の判断もその場でつきます。
カルテとは別に一枚の表があれば十分です。
まとめ
- 要件は人の配置、後方支援先との連携、訪問診療の実績の三つで整理できます
- 実績要件があるため、開業初年度ではなく翌年以降の届出が現実的です
- 区分によって求められる水準が違うため、先に目標の区分を決めて訪問先を組み立てます
ここまでが在宅療養支援歯科診療所の全体像です。
ただし実務では、研修の対象範囲や実績の数え方、連携先との書面の整え方に判断を要する場面が多く、要件を満たしていたのに届け出ていなかったという取りこぼしが起こりやすい領域です。
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