高齢者施設との業務提携契約書の作り方|訪問歯科・在宅医療のリスク管理
こんにちは。
千葉県流山市の行政書士むらた事務所です。
訪問歯科や在宅医療の先生から「施設から提携の話が来たが、契約書は先方の雛形でいいのか」というご相談をよくいただきます。
流山市・柏市・松戸市でも高齢者施設との連携は広がっています。
この記事の結論
- 「業務提携契約書」に決まった型はなく、訪問の実態から条項を組み立てる必要があります
- 最も慎重に扱うべきは金銭の定めで、名目を問わず紹介の対価と見られる支払いは避けるべきとされます
- 診療情報の共有と、契約終了時の引き継ぎを先に書いておくとトラブルを防げます
お急ぎの方は一度以下HPまたはLINEから、お気軽にお問い合わせください。
複雑な手続きは専門家にお任せください。初回相談は無料です。
先方の雛形をそのまま使わないほうがよい理由
施設から示される雛形は、清掃や給食など他業種との提携を流用したものが少なくありません。
訪問診療は生活の場で医療行為を行い、要配慮個人情報を扱い、緊急時の連絡経路まで関わる提携です。
汎用の雛形ではこの三点が抜け落ちます。
抜けたまま始めると困るのは現場です。
誰が家族に連絡し、記録をどこまで共有するのか。
決めていない事柄は、たいてい立場の弱いほうが引き受けることになります。
最大の地雷は「紹介の対価」に見える金銭
提携の話で「協力費」「場所代」といった名目の支払いを提案されることがあります。
ここは最も慎重に扱うべき部分で、名目にかかわらず、実質的に患者の紹介に対する対価と評価される支払いは認められないとされています。
実費相当であっても、算定根拠を説明できなければ疑義を招きます。
支払いがあるなら何に対する対価でどう算定したのかを書き、なければ「無償とする」と明記してください。
提携契約書に入れておきたい条項
1. 目的と業務範囲(対象者、診療科目、訪問の頻度)
2. 役割分担(診療スペースの準備、記録の共有、家族への連絡)
3. 金銭の定め(授受があれば根拠と算定方法。なければ無償と明記)
4. 個人情報の取扱い(目的、共有範囲、同意の取得者)
5. 緊急時と感染症への対応(連絡経路、夜間休日)
6. 有効期間・解約予告・終了時の引き継ぎ
診療情報の共有と、契約の「出口」
入居者の病歴や診療内容は要配慮個人情報にあたり、第三者提供には原則として本人の同意が必要とされています。
施設が一括で同意を取る運用は本人の判断能力や家族の関与で扱いが変わりますので、同意を誰がどう取るかを契約書に落としてください。
もう一つ忘れられがちなのが出口です。
提携が終わったとき、診ていた入居者はどうなるのか。
解約予告の期間と引き継ぎまで書いておくと、終わり方で揉めずに済みます。
よくある質問
Q. 口頭でも提携はできますか。
ただちに無効になるものではありませんが、役割分担と個人情報の扱いが不明確になります。担当者交代に備えて書面化をおすすめします。
Q. 施設に支払う「協力費」は違法ですか。
名目でなく実質で判断されるとされます。紹介の対価と評価されるおそれがあり、算定根拠を含め個別にご確認ください。
Q. 契約期間はどのくらいが適当ですか。
一年更新とし、解約予告を一〜三か月前とする例が多く見られます。
理解度チェッククイズ
Q1. 提携契約でとくに慎重な検討が要るのはどれでしょう。
A. 訪問日の曜日
B. 患者紹介の対価と見える金銭
C. 駐車場の場所
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正解:B。名目でなく実質で判断されるとされます。
Q2. 要配慮個人情報の共有に原則必要なものはどれでしょう。
A. 本人の同意
B. 施設長の承認
C. 市町村への届出
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正解:A。本人の同意が原則とされます。
Q3. 先に決めておくべき「出口」はどれでしょう。
A. 解約予告と患者の引き継ぎ
B. 施設の改装計画
C. 職員の人事
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正解:A。終了時の混乱を防ぐ要になります。
体験談・事例
松戸市のあるクリニックでは、有料老人ホームの雛形をそのまま使って提携を始めました。
半年後に運営会社が変わり、担当者から診療スペースの使用料を求められます。
契約書に使用条件も金銭の定めもなく、根拠を示せないまま交渉が長引きました。
最初に一枚作っておけば済んだお話です。
ワンポイントアドバイス
提携の打診があったら、まず「訪問はどの範囲か」「誰が家族に連絡するか」「金銭の授受はあるか」の三点を確認してください。
これが固まれば契約書の骨格はほぼ決まります。
なお就業規則の作成・届出や社会保険の手続きは社会保険労務士の業務です。
まとめ
- 提携契約書に定型はなく、訪問の実態に合わせて条項を組む必要があります
- 金銭の定めは名目でなく実質で見られるとされ、算定根拠の明記が必要です
- 要配慮個人情報の共有は原則として本人の同意が必要とされます
- 解約予告と引き継ぎまで、出口を先に書いてください
ここまでが提携契約書の骨格です。
ただし実務では施設の種別や訪問の頻度によって必要な条項は変わり、雛形のまま運用して後から金銭や個人情報の扱いで揉める例は少なくありません。
行政書士むらた事務所では、流山市・柏市・松戸市を中心に(内容によってはオンラインで全国対応)、提携の実態のヒアリング、契約条項の整理と文案の作成、同意取得や記録共有の運用フローの書面化までをお引き受けしています。
すでにトラブルが発生している場合は弁護士へご相談ください。
当事務所は予防のための書類整備を担当します。
「先方の雛形のままで大丈夫か見てほしい」という段階のご相談で構いません。
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