医療法人にしても保険の指定は付いてきません。切り替えは順番の最後です
今回の記事は医療法人化と保険医療機関の指定についてになります。訪問歯科を広げたいので法人にしたい、といったことはありませんでしょうか。指定は付いてきません。流山市・柏市・松戸市の事例をもとに整理します。
この記事の結論
- 医療法人になると開設者が変わるため、保険医療機関の指定は切り替えの手続きが要ります
- 千葉県の流れでは、設立認可から登記、開設許可、廃止届と開設届を経て、最後が指定の切り替えです
- 指定は申請者の希望がない限り毎月1日付です。締切は管轄の厚生局事務所ごとに決まっています
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法人になると、開設者が変わります
いまは歯科医師ご本人が開設者です。法人にすると、開設者は医療法人になります。場所も院長も設備も同じでも、法律の上では別の主体が診療所を開いた形になります。
ですので、診療所の許可も届出も、保険医療機関の指定も、いったん切って取り直しになります。「法人にするだけ」と思って進めると、ここで足が止まります。
| 個人のまま | 医療法人にする | |
|---|---|---|
| 開設者 | 歯科医師本人 | 医療法人 |
| 診療所の手続き | 開設届 | 開設許可を受けてから開設届 |
| 保険医療機関の指定 | そのまま | 切り替えの手続きが要る |
千葉県の流れは、思っているより長いです
千葉県が示している手順を並べると、工程の数に驚かれると思います。
設立認可の申請を出し、本審査を受け、千葉県医療審議会への諮問を経て認可が決まります。認可書が交付されたら金銭拠出金の払い込みをして、千葉地方法務局へ設立登記の申請です。
登記が終わると設立登記完了届。そのあとに医療法人の診療所等開設許可申請を出し、許可が下りてから、個人の診療所の廃止届と医療法人の診療所の開設届を出します。
そして最後に、保険医療機関の指定の切り替えです。
千葉県で医療法人にするときの順番
設立認可の申請 → 本審査(必要により現地調査)
↓
千葉県医療審議会への諮問 → 設立認可の決定・認可書の交付
↓
金銭拠出金の払い込み → 千葉地方法務局へ設立登記の申請
↓
設立登記完了届 → 診療所等の開設許可申請 → 開設許可
↓
個人の診療所の廃止届/医療法人の診療所の開設届
↓
保険医療機関の指定の切り替え(いちばん最後)
指定は月の単位で動きます
ここが日程の勘所です。
関東信越厚生局は、保険医療機関の指定について申請者の希望がない限り毎月1日付けで行うとしています。
そして申込の締切日は厚生局の事務所ごとに定められています。千葉県の医療機関であれば千葉事務所です。締切を1日過ぎると、指定は翌月の1日になります。
つまり、前の工程が数日ずれただけで、保険診療の開始が丸1か月動くことがあります。登記が終わる日から逆算して、締切に間に合う日程を先に引いてください。
患者さんが続けて来ているなら、遡及の取扱いがあります
とはいえ、開設者が変わる日と指定の日が離れると、その間の診療が保険でみられないことになります。
関東信越厚生局は、開設者が個人から法人組織に変更になった場合で、患者が引き続き診療を受けているときには、例外的に遡及して指定できる取扱いを示しています。
ただし要件と手続きの期限があります。使えるかどうかを前提にして日程を組まないでください。管轄の事務所へ、法人化を決めた段階で相談しておくのが安全です。
1年を過ぎると、認可が取り消されることがあります
千葉県は、医療法人成立後1年以内に一連の手続を行わない場合は、設立認可を取り消すことがあるとしています。
診療をしながら進めるので、後ろの工程ほど手が回らなくなります。認可が下りた日を起点に、残りの工程の期限を書き出しておいてください。
よくある質問
Q. 診療を止めずに法人化できますか。
診療そのものを止める必要はありませんが、保険診療の扱いに空白が生じないよう日程を組む必要があります。開設者が変わる日と指定の日をそろえられるかが分かれ目です。遡及の取扱いもありますが、要件を満たすかどうかは事前に確認しておくべきものです。
Q. 訪問歯科の届出も出し直しですか。
開設者が変わりますので、診療所として出している届出は基本的に新しい開設者の名前で整え直すことになります。訪問診療に関するものも同じ考え方です。どの届出が残り、どれが出し直しになるかは内容によって違いますので、いま出している届出の一覧を作ってから確認するのが確実です。
Q. 認可の申請はいつでも出せますか。
千葉県では事前審査の書類を受け付ける期間が設けられています。思い立った月にすぐ出せるものではありませんので、まず県の案内で受付の時期を確認してください。そのうえで審議会の日程と登記、開設許可、指定の切り替えを並べると、全体像が見えてきます。
理解度チェッククイズ
Q1. 医療法人になると、保険医療機関の指定はどうなるでしょう。
A. 切り替えの手続きが要る
B. そのまま引き継がれる
C. 自動で更新される
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正解:A。開設者が変わるためです。
Q2. 保険医療機関の指定は、原則として何日付で行われるでしょう。
A. 毎月1日付
B. 申請した日付
C. 登記した日付
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正解:A。申請者の希望がない限り毎月1日付とされています。
Q3. 千葉県で、医療法人成立後に手続を放置するとどうなるでしょう。
A. 設立認可が取り消されることがある
B. 何も起きない
C. 自動で完了する
答えを見る
正解:A。1年以内が目安として示されています。
体験談・事例
松戸市の歯科医院の方から、訪問歯科を本格的に広げたいので法人にしたい、というご相談をいただいたことがあります。お話をうかがうと、法人にすれば今の指定がそのまま続くと思っておられました。工程を紙に並べてお見せし、そこから逆算して日程を組み直しています。
ワンポイントアドバイス
いま出している届出と許可を、紙1枚に書き出してください。診療所の開設届、保険医療機関の指定、施設基準、そのほかの届出。法人化ではこれが全部動きます。
まとめ
- 医療法人になると開設者が変わるため、指定は切り替えの手続きが要ります
- 千葉県の流れは、設立認可から登記、開設許可、廃止届と開設届を経て最後が指定です
- 指定は申請者の希望がない限り毎月1日付。締切は管轄の厚生局事務所ごとに決まっています
- 患者が引き続き診療を受けているときの遡及の取扱いはありますが、前提にはしないでください
実務でつまずくのは、指定を最後の事務手続きだと思って日程に入れない場面です。
行政書士むらた事務所では、流山市・柏市・松戸市を中心に(ご相談内容によってはオンラインで全国対応)、医療法人の設立認可申請や、診療所の開設許可・開設届の作成をお引き受けしています。
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