業務委託は途中で解約されます。かかった分をもらう条項が要ります

今回の記事は業務委託契約の中途解約についてになります。途中で打ち切られて、かかった分を回収できなかった、といったことはありませんでしょうか。条項で防げます。流山市・柏市・松戸市の事例をもとに整理します。

この記事の結論

  • 請負も委任も、途中で解約できるのが法律の原則です
  • 解約させない条項より、解約されたときの精算を決めるほうが実効性があります
  • 予告の期間、既にかかった分の扱い、作りかけの成果物の3つを書きます

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代表 村田圭
代表 村田 圭
登録番号 第26101461号
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途中でやめられるのが原則です

まず前提を押さえてください。民法は、途中でやめることを広く認めています。

請負については、仕事が完成しない間は、注文者はいつでも損害を賠償して契約を解除できるとされています。頼んだ側の都合で打ち切れる、ということです。

委任と準委任については、各当事者がいつでも解除できるとされています。業務委託契約の多くはこちらに当たります。

つまり、口頭で「最後までお願いします」と言われていても、法律の側は途中で切れる前提で組まれています。ここを知らないまま人を増やしたり材料を仕入れたりすると、打ち切られたときに丸ごとかぶることになります。

止めるのではなく、精算のしかたを決めます

ご相談でよくいただくのが、「途中で解約できない」と契約書に書けないか、というものです。

書くこと自体はできますが、相手を最後まで縛り続ける条項は、争いになったときに通らないことがあります。実際に打ち切られてしまえば、条項があっても仕事は止まります。

現実的なのは、やめること自体は認めたうえで、やめるときに何をもらえるかを決めておくことです。こちらのほうが揉めにくく、支払いにもつながります。

決めること 書き方の例
予告の期間 30日前までに書面で通知する
既にかかった費用 外注費や材料費は実費で請求できる
出来高の報酬 解約日までの進捗に応じて支払う
作りかけの成果物 支払いを受けるまで権利は移らない

予告は日数で書きます

いちばん揉めるのが、いつ言われるかです。

「相当の期間をもって通知する」という書き方をよく見ますが、この相当がいくつなのかで争いになります。30日前、60日前と、数字で書いてください

通知のしかたも決めます。口頭やチャットで切れる形だと、言った言わないになります。書面かメールで、と書いておいてください。

月ぎめの契約なら、申し出のあった月の分は満額とする決め方もあります。

作りかけの成果物は宙に浮きます

意外と抜けるのがここです。

制作物のある契約では、著作権などの権利を検収が終わったときに移すと書くことが多くあります。ところが中途解約では検収まで届きません。作りかけのデータが、誰のものか決まらないまま止まります。

ここは、支払いを受けるまで権利は移らないと書いておくのが素直です。渡すか渡さないかを、そのとき交渉しないで済みます。

逆に頼む側であれば、途中まででも引き渡しを受けられるようにしておかないと、払ったのに何も残らないことになります。どちらの立場で契約するかで、書くべき方向が変わります。

中途解約の条項に入れる4行

1 解約するときは、30日前までに書面で通知する

2 解約日までに実際にかかった費用は請求できる

3 解約日までの出来高に応じた報酬を支払う

4 支払いを受けるまで、成果物の権利は移らない

 

この4行があるだけで、打ち切られたときの話し合いが短くなります。

よくある質問

Q. 契約書に中途解約のことを何も書いていません。どうなりますか。

書いていなければ、民法の原則で処理されることになります。請負なら注文者は仕事の完成前にいつでも解除でき、委任や準委任なら各当事者がいつでも解除できるとされています。損害の賠償を求められる場面もありますが、いくらになるのかはその都度の争いになります。

Q. すでに始まっている契約でも、条項を足せますか。

相手の合意があれば、覚書という形で足せます。既存の契約書を作り直す必要はなく、変更する部分だけを書いた1枚を交わす形が一般的です。自動更新の契約だと更新の話し合い自体が発生しませんので、気づいたときに動くほうが確実です。

Q. 予告の期間は長くしたほうが有利ですか。

受ける側としては長いほうが次の仕事を探す時間が取れますが、長すぎる期間は相手が受け入れません。また、こちらから解約したいときにも同じ期間で縛られます。実務では30日から60日あたりで落ち着くことが多く、双方が同じ期間になっているかを確認してください。

理解度チェッククイズ

Q1. 請負で、注文者が途中で解除できるのはいつまででしょう。

A. 仕事が完成しない間

B. 契約した当日だけ

C. 解除はできない

答えを見る

正解:A。損害を賠償して解除できるとされています。

Q2. 予告の期間の書き方として、揉めにくいのはどれでしょう。

A. 30日前までに書面で通知する

B. 相当の期間をもって通知する

C. 事前に伝える

答えを見る

正解:A。数字と方法を決めておきます。

Q3. 作りかけの成果物について、受ける側が書いておくとよいのはどれでしょう。

A. 支払いを受けるまで権利は移らない

B. 契約と同時にすべて移る

C. 書かない

答えを見る

正解:A。検収前に止まる場合に効きます。

体験談・事例

松戸市の制作業の方から、進行中の案件を突然止められたというご相談をいただいたことがあります。

契約書はありましたが、中途解約の定めがなく、出来高の考え方も書かれていませんでした。作業の記録から進み具合を整理して話し合っていただき、以後の契約には予告の期間と出来高の条項を入れる形に改めています。

ワンポイントアドバイス

いま使っている契約書を開いて、解約の条項だけ読んでみてください。見るのは3つです。

日数が数字で書いてあるか、途中までの報酬をもらえると書いてあるか、成果物の権利がいつ移ると書いてあるか。1つでも欠けていれば、次の契約から足してください。

まとめ

  • 請負も委任も、途中で解約できるのが法律の原則です
  • 解約させない条項より、解約されたときの精算を決めるほうが効きます
  • 予告は数字で書き、通知の方法もあわせて決めます
  • 作りかけの成果物は、支払いを受けるまで権利が移らないと書いておきます

実務でつまずくのは、検収を前提にした条項しか入っていない場面です。途中で止まったときの姿を先に書いてください。

行政書士むらた事務所では、流山市・柏市・松戸市を中心に(ご相談内容によってはオンラインで全国対応)、業務委託契約書の作成や、お使いのひな形の見直しをお引き受けしています。

紛争になっている案件は弁護士へ、登記は司法書士へ、労務は社労士へおつなぎします。

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是非お気軽にご相談ください。

代表 村田圭
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