飲食店の店舗賃貸借契約は個人名義か法人名義か|営業許可と会社設立の順番
こんにちは。
千葉県流山市の行政書士むらた事務所です。
飲食店の開業相談で必ず出るのが「物件の契約は自分の名前で結んでいいのか、会社を作ってからのほうがいいのか」というご質問です。
流山市・柏市・松戸市でも、良い物件を見つけた直後にこの判断を迫られる方が多くいらっしゃいます。
この記事の結論
- 営業許可は営業者に与えられるため、個人で取得した許可を後から設立した法人へ引き継ぐことはできないとされます
- 契約の名義と申請者名義がずれると、使用権原の確認で追加書類を求められることがあります
- 法人化が決まっているなら「設立 → 法人名義で契約 → 法人名義で許可」の順が手戻りを防ぎます
お急ぎの方は一度以下HPまたはLINEから、お気軽にお問い合わせください。
複雑な手続きは専門家にお任せください。初回相談は無料です。
営業許可は「店」ではなく「人」に付く
飲食店営業の許可は食品衛生法に基づき保健所長が与えるもので、名宛人は施設ではなく営業者とされています。
同じ店舗、同じ設備、同じ店主でも、営業者が個人から法人に変われば、許可の上では別の主体が営業を始める扱いです。
個人で許可を取った後に法人化すると、原則として法人で取り直すことになるとされます。
手数料に加えて施設検査の日程も押さえ直しになり、開店日が後ろにずれます。
契約の名義がずれると、許可の申請でつまずく
営業許可の申請では、施設の使用権原を示す資料として賃貸借契約書の写しを求められます。
契約者が個人名、申請者が法人名だと、書類上は他人名義の物件で営業を始める形に見えます。
使用承諾書を添えて処理される例もありますが、取扱いは窓口の判断です。
もう一つが契約そのものの制約です。
賃借権の譲渡には賃貸人の承諾が必要とされ、無断で行えば解除されるおそれがあります(民法第612条)。
名義の切り替えは賃貸人から見れば相手方が変わる話で、「実質は同じ自分だから」は通りません。
名義をそろえるための判断フロー
1. 法人化が決定 → 設立 → 法人名義で契約 → 法人名義で許可
2. 当面は個人事業 → 個人名義で契約と許可(法人化時に取り直し)
3. 物件が先 → 個人名義で契約し、地位承継の条項を入れる
4. 契約済み → 賃貸人の承諾を得て名義変更の合意書
設立が先か、物件契約が先か
理屈のうえでは設立が先です。
法人が成立すれば契約も申請も法人名義で進みます。
問題は条件の良い物件ほど待ってくれないことで、定款認証を含む設立準備には二週間前後が現実的です。
税額の試算や有利不利の判断は税理士の業務です。
顧問税理士へご確認ください。
物件が先に決まりそうなときは、契約書へ「設立予定の法人へ本契約上の地位を承継させることを賃貸人はあらかじめ承諾する」旨の条項を入れるのが最も摩擦の小さい方法です。
いずれの方法でも必ず書面に残してください。
よくある質問
Q. 個人で許可を取った後に法人化したら、許可はどうなりますか。
営業者が変わるため、法人として改めて取得するのが原則とされます。取扱いは自治体により異なりますので、管轄の保健所へご確認ください。
Q. 会社設立と物件契約は、どちらを先にすべきですか。
法人で営業する予定が固まっているなら設立が先です。物件の状況次第では契約条項で調整できます。
Q. 名義変更に賃貸人の承諾は必要ですか。
賃借権の譲渡には承諾が必要とされています(民法第612条)。書面化までを一組でお考えください。
理解度チェッククイズ
Q1. 飲食店営業の許可は誰に与えられるでしょう。
A. 店舗(施設)
B. 営業者(個人・法人)
C. 店長
答えを見る
正解:B。営業者への許可です。
Q2. 賃借権の譲渡に必要とされるものはどれでしょう。
A. 賃貸人の承諾
B. 保健所の許可
C. 法務局への届出
答えを見る
正解:A。民法第612条の定めとされます。
Q3. 法人成りしたとき営業許可は原則どうなるでしょう。
A. 自動で引き継がれる
B. 届出だけで足りる
C. 法人として取り直す
答えを見る
正解:C。営業者が別主体になるためです。
体験談・事例
柏市で居酒屋を開業されたAさんは、内見の翌日に個人名義で契約し、三週間後に法人化のご相談に来られました。
名義変更を打診したところ審査のやり直しと承諾料を求められ、結局は個人名義のまま許可を取得しています。
契約前なら条項を一行加えるだけで済んだ場面でした。
ワンポイントアドバイス
不動産会社へ申込みを入れる前に「法人の設立を予定している」と一言伝えてください。
この一言で賃貸人側の審査の組み立てが変わります。
なお登記の申請は司法書士の業務です。
当事務所は許認可・認可申請を担当します。
まとめ
- 営業許可は営業者に付くため、個人から法人へ変わると原則取り直しになるとされます
- 契約の名義と申請者名義はそろえておくほど手続きが素直に進みます
- 賃借権の譲渡には賃貸人の承諾が必要とされ、名義変更は書面に残します
ここまでが全体像です。
ただし実務では契約の時期や賃貸人の意向で手順が変わり、名義のずれから申請が差し戻され、開店日が後ろにずれる例は少なくありません。
行政書士むらた事務所では、流山市・柏市・松戸市を中心に(内容によってはオンラインで全国対応)、名義の組み立ての整理、賃貸借契約書の条項の確認、保健所への事前相談と営業許可申請書類の作成・提出までを一括してお引き受けしています。
「物件の契約は自分の名前で結んでいいのか」という段階のご相談で構いません。
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