古物商のLINEやZoomでの本人確認は違法?非対面eKYCの正しいやり方
こんにちは。
千葉県流山市の行政書士むらた事務所です。
今回の記事は、オンラインを通じた古物買取における本人確認(eKYC)についてになります。
LINEのビデオ通話やZoomを使って非対面で買取査定を行う際、「顔が見えればこれだけで本人確認として認められるのだろうか」と不安に思ったことはありませんでしょうか。
今回は、古物営業法における正しい非対面の本人確認ルールとリスクについてお伝えします。
【この記事の結論(3つのポイント)】
・LINEやZoomのビデオ通話単体では古物営業法上の本人確認として認められない
・非対面取引では法律で定められた厳格な15項目の確認方法のいずれかを満たす必要がある
・違法な手順で買い取ると営業停止や許可取り消しの重い処分を受けるリスクがある
お急ぎの方は一度以下HPまたはLINEから、お気軽にお問い合わせください。
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なぜビデオ通話だけでは本人確認として不十分なのか
古物営業法の最大の目的は、「盗品等の売買の防止」と「速やかな発見」にあります。
そのため、警察が後から取引相手を確実に追跡できるよう、古物商には非常に厳格な本人確認義務が課せられています。
ZoomやLINEのビデオ通話で相手の顔と身分証を画面越しに確認したとしても、「その身分証が精巧な偽造品ではないか」「その住所に本当に住んでいるのか」を確実には証明できません。
したがって、単なるビデオ通話だけをもって法律上の非対面本人確認を完了させることは不可能なのです。
古物営業法で認められる非対面本人確認の代表例
法律上、非対面での本人確認方法は細かく15種類に規定されています。
実務で導入しやすい代表的な方法をマトリクス表で整理しました。
| 確認方法の分類 | 具体的な手順 | 導入コスト | 確実性 |
| 身分証コピー+簡易書留 | 身分証のコピーを送付させ、記載住所宛てに「転送不要」の簡易書留で書類を送付し、到達を確認する。 | 低 | 高(時間はかかる) |
| 身分証画像+振込 | 身分証の画像を送信させ、その記載情報と一致する本人名義の預貯金口座に買取代金を振り込む。(※事前に簡易書留の送付等が必要な場合あり) | 中 | 中 |
| 公的個人認証(eKYC) | マイナンバーカードのICチップを専用アプリで読み取り、電子署名を用いて本人確認を行う。 | 高 | 極めて高(即時完結) |
自己流のオンライン買取が招く「許可取り消し」の恐怖
「他の業者もLINE査定だけで買い取っているから大丈夫だろう」という認識は極めて危険です。
他社がやっているように見えるのは「査定」までであり、実際の「買取(契約)」の段階では、裏で必ず合法的な本人確認手続きを踏んでいます。
万が一、本人確認の手順に不備がある状態で盗品を買い取ってしまった場合、警察の立ち入り検査で法律違反が発覚します。
古物営業法違反とみなされれば、最悪の場合は古物商許可の取り消しや、懲役・罰金などの重い刑事罰が科されることになります。
事業の存続に関わる致命的なダメージとなるため、コンプライアンスの徹底は絶対に妥協してはいけません。
実務の中で直面した「本人確認トラブル」のリアル
私は日頃から、古物商の許可取得や適法な営業体制の構築をサポートしております。
以前、あるリサイクルショップのオーナー様から「LINE査定から買取までをスマホで完結させたい」とご相談を受けたことがありました。
オーナー様は「ビデオ通話で顔も免許証もスクショしているから完璧だ」と思い込んでおられましたが、私は即座にその運用をストップしていただきました。
なぜなら、その方法では「居住の事実」が確認できておらず、法律違反状態だったからです。
そこで私は、現行のシステムに「転送不要の本人限定受取郵便」を組み合わせるフローを設計・提案いたしました。
結果として、システムを大掛かりに変更することなく、低コストで合法的な非対面買取フローを構築することができ、オーナー様にも大変ご安心いただけました。
実務家からのワンポイントアドバイス
非対面での買取をスムーズに行うためには、「お客様の負担」と「法律の要件」のバランスを取ることが重要です。
最も確実でスピーディーなのは、マイナンバーカードのICチップ読み取り(公的個人認証)を活用したeKYCシステムの導入です。
しかし、高額なシステム投資が難しい小規模事業者の場合は、「身分証のコピー受領」と「本人名義口座への代金振込」を組み合わせる手法(※口座の事前確認等の法定要件を満たす場合)が現実的な落としどころとなります。
自社の事業規模や顧客層に合わせて、最適な本人確認フローを構築することがビジネス成功の鍵となります。
Q&A
Q. 免許証の写真をLINEで送ってもらうだけではダメですか?
A. 絶対にダメです。
写真の送信だけでは、その免許証が本物か、あるいは本人が所持しているかの証明になりません。
必ず「転送不要の簡易書留の送付」や「本人名義口座への振込」など、法律で定められたプラスアルファの確認作業とセットで行う必要があります。
Q. 住民票の写しを郵送してもらえば確認として成立しますか?
A. 成立するケースがあります。
ただし、単なるコピーではなく「市区町村が発行した住民票の写し(原本)」を送付してもらい、そこに記載された住所宛てに「転送不要の簡易書留」を送付して到達を確認するなどの複合的な手順が求められます。
Q. 違反した場合、具体的にどのような罰則がありますか?
A. 本人確認義務違反(古物営業法第15条違反)が発覚した場合、「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科される可能性があります。
さらに、行政処分として長期間の営業停止や、最悪の場合は古物商許可の取り消し処分を受けることになります。
おわりに
インターネットを活用した非対面での古物買取は、商圏を全国に広げる大きなチャンスです。
しかし、その裏には古物営業法という厳格なルールが存在し、一つでも手順を間違えれば事業そのものを失うリスクが潜んでいます。
「今の自社のオンライン買取フローが法律に違反していないか不安だ」
「これからeKYCを導入したいが、どのシステムが古物営業法に対応しているか分からない」
「古物商許可の取得から、適法な社内マニュアルの作成までプロに丸投げしたい」
このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度当事務所にご相談ください。
千葉県の流山市を中心に、柏市・松戸市エリアの事業者の皆様を支援する『行政書士むらた事務所』が、複雑な法律の要件を紐解き、貴社のビジネスモデルに最適なコンプライアンス体制の構築をサポートいたします。
ご相談やお見積もりは、当事務所のHPまたはLINEから24時間受付しております。
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【参考URL】
*千葉県警察(https://www.police.pref.chiba.jp/)
*千葉県庁(https://www.pref.chiba.lg.jp/)
*e-Gov法令検索(https://elaws.e-gov.go.jp/)


