設立した会社名が商標権を侵害していた!登記後の商号変更コストと事前調査の方法
こんにちは。
千葉県流山市の行政書士むらた事務所です。
今回の記事は、設立した会社名が商標権を侵害していた場合に何が起こるのか、そして登記前にできる事前調査についてになります。
「法務局の登記が通ったのだから、この会社名は自由に使えるはず」と思われている方も多いのではありませんでしょうか。
実は、商号と商標はまったく別の制度であり、思わぬ落とし穴があるのです。
【この記事の結論(3つのポイント)】
- 商号(会社名)の登記と商標登録は別制度。登記が通っても、他社の商標権を侵害する可能性は残ります。
- 侵害が判明すると、使用の差止めや損害賠償を請求されるおそれがあるほか、商号変更登記の登録免許税3万円をはじめ多くのコストが発生します。
- 設立前にJ-PlatPatで無料の商標調査を行い、不安があれば専門家に相談することでリスクを大きく減らせます。
お急ぎの方は一度以下HPまたはLINEから、お気軽にお問い合わせください。

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商号と商標はどう違う?
商号(会社名)は、会社法・商業登記法に基づいて法務局に登記するものです。
現在の制度では、同一の住所で同一の商号でなければ原則として登記できるとされており、登記の段階で他社の名称や商標と広く照合されるわけではありません。
一方、商標は特許庁に出願し登録されることで発生する権利で、その効力は日本全国に及びます。
指定した商品・サービスの区分の範囲で、同一または類似の名称やロゴの使用を独占できるのが商標権です。
| 項目 | 商号(会社名) | 商標 |
|---|---|---|
| 根拠となる制度 | 会社法・商業登記法 | 商標法 |
| 手続き先 | 法務局(登記) | 特許庁(出願・登録) |
| 効力の範囲 | 原則として同一住所での同一商号を排除する程度 | 日本全国(指定した商品・サービスの区分の範囲) |
| 重複のチェック | 他社の商標との照合は行われない | 審査で類似商標の有無が確認される |
登記できたのに商標権侵害になるのはなぜ?
法務局は、登記の審査で特許庁の商標登録データベースを照合しません。
そのため、登記自体は問題なく完了したのに、その名称をサービス名やロゴとして使い始めた途端、他社の登録商標と衝突してしまうことが起こり得ます。
なお、自己の名称を普通に用いられる方法で表示するだけであれば商標権の効力が及ばないとする規定(商標法26条)もあります。
しかし、社名をロゴ化して看板や商品に大きく掲げるような使い方では、この規定で守られない可能性があり、判断には専門的な検討が必要です。
侵害が判明した場合に発生するコスト
他社の商標権を侵害していると、ある日突然警告書が届き、名称の使用差止めや損害賠償を求められるおそれがあります。
やむを得ず社名を変える場合、次のような負担が発生します。
- 定款変更のための株主総会の特別決議
- 商号変更登記の登録免許税3万円と、依頼する場合の専門家報酬
- 看板・名刺・パンフレット・ホームページ・ドメイン等の作り直し
- 取引先や金融機関への通知、許認可や各種契約の名義変更手続き
金銭面だけでなく、せっかく浸透し始めた社名を手放すことによる信用面のダメージも決して小さくありません。
設立前にできる商標の事前調査
こうした事態は、設立前のひと手間で大きく減らせます。特許庁関連の検索サービス「J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)」を使えば、誰でも無料で商標を検索できます。
あわせて、同じ名称の会社が近隣にないかの類似商号調査や、希望するドメインが取得できるかも確認しておくと、設立後のトラブル予防につながります。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 登記が完了していれば、会社名は安心して使えますか?
A. いいえ。登記と商標登録は別の制度のため、登記が通ったことは商標権を侵害していないことの証明にはなりません。使い方によっては侵害となる可能性が残ります。
Q2. 商号変更にはどのくらいの費用がかかりますか?
A. 商号変更登記の登録免許税は3万円とされています。ただ実際には、看板や名刺、ホームページの作り直しといった周辺コストの方が大きくなりがちです。
Q3. 商標の調査は自分でもできますか?
A. J-PlatPatを使えば無料で検索できます。ただし「類似かどうか」の判断には経験が必要なため、重要な社名ほど弁理士等の専門家への相談をおすすめします。
理解度チェッククイズ(3問)
体験談:ロゴを作り直すことになったケース(一般化した事例)
以前、会社設立のご相談を受けた際、お客様が考えていた社名候補をJ-PlatPatで調べてみたところ、同業のサービス名として類似の商標がすでに登録されていたことがありました。
すでにロゴ案まで発注済みでしたが、設立前だったため名称を一部変更し、ロゴを作り直すだけで済みました。
もし登記と開業後に判明していたら、看板や印刷物まで含めた大きな出費になっていたはずです。
ワンポイントアドバイス
社名候補が決まったら、「登記できるか」だけでなく「この名前をずっと使い続けられるか」という視点で確認しましょう。J-PlatPatでは読み方(称呼)での検索が可能です。
候補は1つに絞らず複数用意しておくと、調査で問題が見つかってもスムーズに切り替えられます。
まとめ
商号の登記と商標登録は別制度であり、登記が通った会社名でも商標権侵害のリスクはゼロではありません。
侵害が判明してからの商号変更は、登録免許税3万円にとどまらない大きなコストと信用面の痛手を伴います。
会社設立の前に、J-PlatPatでの事前調査をぜひ習慣にしてください。
行政書士むらた事務所では、流山市・柏市・松戸市を中心に会社設立のサポートを行っております。
ご相談はHPまたはLINEから24時間受付しております。

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【参考URL】
- 特許庁 https://www.jpo.go.jp/
- J-PlatPat(特許情報プラットフォーム) https://www.j-platpat.inpit.go.jp/
- e-Gov法令検索 商標法 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127


