親の建設業許可が途切れる?法改正で変わった「事業承継の事前認可」と相続のルール
こんにちは、千葉県の行政書士むらた事務所です。
長年、地域に根ざして汗を流してきた親御さんの建設業。
その看板やお客様をあなたが引き継ぐ「代替わり(事業承継)」は、非常に素晴らしい決断です。
しかし、経営の引き継ぎにおいて、後継者様が絶対に知っておかなければならない恐ろしい事実があります。
それは、 「会社や財産を引き継いだからといって、建設業許可は自動的には引き継がれない」 ということです。
手続きを間違えると、 親が持っていた建設業許可が消滅してしまい、あなたが新しく許可を取り直すまでの間(数ヶ月間)、500万円以上の工事を一切受注できなくなる「許可の空白期間」 が生じてしまいます。
この記事は、以下のような方に向けて書いています。
- 親が経営する建設会社(または個人事業)を継ぐ予定の後継者様
- 代替わりのタイミングで、建設業許可が途切れないか不安な方
- 「事業承継の認可」という新しいルールの仕組みや手続きを知りたい方
今回は、この致命的な事態を防ぐための「事業承継の認可」制度と、確実に許可を引き継ぐための手順について分かりやすく解説します。
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目次
親の建設業許可は引き継げない?昔と今のルールの違い
実は数年前まで、日本の建設業界では「代替わり」に関する非常に理不尽なルールが存在していました。
以前は「一旦廃業して、新規で取り直し」という地獄だった
令和2年(2020年)に法律が改正されるまで、個人事業主の親から子へ事業を引き継ぐ場合や、個人事業から法人へ切り替える(法人成り)場合、 親の建設業許可をそのまま引き継ぐことは不可能 でした。
親の許可を一度「廃業(返納)」し、息子が全くの新規として「建設業許可の申請」をやり直さなければならなかったのです。
この審査期間中は「無許可業者」となってしまうため、長年付き合いのある元請けから「許可がない期間は現場に入れないよ」と取引を止められてしまうケースが多発していました。
令和2年の法改正で「事前の認可」が可能に!
こうした理不尽な事態を防ぐため、建設業法が改正されました。
現在では、 都道府県知事へ「事前に」申請を行い「認可」を受けることで、許可の空白期間を一切作ることなく、親の許可番号や実績をそのまま後継者が引き継げる ようになりました。
これが「事業承継の事前認可」という制度です。
【図解】建設業許可を引き継ぐ「認可」のパターン
建設業許可を引き継ぐ方法は、生前に引き継ぐか、亡くなった後に引き継ぐかによって手続きのタイミングが異なります。
見やすい表で整理しました。
| 引き継ぎのパターン | 許可を引き継ぐための手続き | 手続きの期限(ここが重要!) |
| 生前の引き継ぎ (事業譲渡・合併・分割) | 事業承継の「事前」認可 (親が元気なうちに事業を譲る場合) | 必ず事業を引き継ぐ日(譲渡日)の「前」に 申請し、認可を受ける必要があります。 |
| 死後の引き継ぎ (相続) | 相続の「事後」認可 (親が突然亡くなってしまった場合) | 親が亡くなった日から「30日以内」に 申請する必要があります。30日を過ぎると許可は失効します。 |
| 法人の代表交代のみ (※株式会社などで、親から子へ社長が変わるだけの場合) | 役員の変更届 (※事業承継の認可は不要です) | 新社長が就任してから「30日以内」に役員変更届を出します。 |
認可の最大の壁!後継者の「経管」と「専技」要件
事前認可を受ければ簡単に引き継げるのかというと、そう甘くはありません。
引き継ぐ側(後継者であるあなた)自身が、建設業許可の厳しい要件をクリアしている必要があります。
後継者自身に資格や経験はあるか?
親の許可を引き継ぐためには、後継者側に以下の2つの重要なポストを担える人材がいなければなりません。
- 経営業務の管理責任者(経管):建設業の経営経験が5年以上あること等
- 専任技術者(専技):国家資格(施工管理技士など)を持っている、または10年以上の実務経験があること
親が一人で「経管」も「専技」も兼任していた場合、 親が引退した瞬間に要件を満たせなくなります。
あなたが後継者として認可を受けるためには、あなた自身がこれらの資格や経験を積んでいるか、あるいは要件を満たす社員を右腕として雇用しなければならないのです。
「事前」に申請しなければならないというスケジュールの罠
「事業譲渡による認可」の最大の注意点は、 「親から子へ事業を譲る日(譲渡日)」よりもかなり前に、役所へ申請して認可を下ろしておかなければならない という点です。
「今日から俺が社長だ!」と勝手に名乗ってから事後報告で申請しても、認可は下りません。
役所の審査には数ヶ月かかることもあるため、代替わりの半年〜1年前から計画的に準備を進める必要があります。
当事務所にご相談いただいた柏市の個人事業主様は、お父様が高齢になり、息子様への代替わりを計画されていました。
息子様は『経管』の経験年数がギリギリ足りるか不安な状況でしたが、私たちが過去の確定申告書や工事の契約書を徹底的に精査して経験を裏付けました。
そして、事業譲渡の譲渡予定日を逆算してスケジュールを組み、千葉県庁へ『事業承継の事前認可』を申請。
無事に認可が下りたことで、元請けからの大型案件を止めることなく、同じ許可番号のままスムーズな世代交代を実現しました!
よくある質問(FAQ)
Q. 親が突然亡くなりました。まだ何の準備もしていませんが、許可はどうなりますか?
A. 非常に緊急を要します。
親(個人事業主)が死亡した場合、 「死亡日から30日以内」 に後継者が「相続による認可申請」を行わなければ、許可は完全に失効してしまいます。
戸籍の収集や要件の証明を30日で行うのは至難の業ですので、1日でも早く専門家にご相談ください。
Q. 個人事業から株式会社に「法人成り」する場合も、認可の対象になりますか?
A. はい、対象になります。
令和2年の法改正により、個人事業主から法人(自分が設立した株式会社など)へ建設業の全部を譲渡する形をとることで、「事前認可」を受けて許可番号を引き継ぐことが可能になりました。
Q. 親の会社に借金があります。借金は引き継がずに、建設業許可だけを引き継ぐことはできますか?
A. 「事業譲渡」という手法を使えば、引き継ぐ資産と負債(借金)を選別できる場合があります。
ただし、建設業法上の「事業の全部を譲渡する」という要件を満たす必要があるため、どこまで負債を切り離せるかは、税理士や行政書士を交えた慎重なスキーム構築が必要です。
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まとめ:流山・柏・松戸の事業承継・建設業許可は行政書士むらた事務所へ!
親御さんが一代で築き上げた建設業の信用と、何より大切なお客様。
それを途切れさせることなく次世代へ繋ぐための切り札が 「事業承継の認可」 です。
しかし、この手続きは従来の新規申請よりもはるかに難易度が高く、 「タイミングを少しでも間違えれば、許可が消滅してすべてが水の泡になる」という極めてリスクの高い手続き でもあります。
「自分が経管や専技の要件を満たしているか、プロの目で診断してほしい」
「親が急に亡くなり、30日以内に相続の認可申請をしなければならず焦っている」
「税金面も含めて、法人成りや事業譲渡の最適なスケジュールを組んでほしい」
そんなお悩みをお持ちの後継者様は、ぜひ行政書士むらた事務所にお任せください!
千葉県の流山市・柏市・松戸市周辺の建設業者様のサポートに特化した私たちが、 お客様の状況に合わせた最も安全な承継スケジュールを構築し、面倒な書類集めから役所との事前協議、認可の取得までをすべてワンストップで全力伴走 いたします。
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