システム保守契約はSLAと緊急対応費用の明記で揉めない【流山・柏・松戸】

こんにちは。
千葉県流山市の行政書士むらた事務所です。

「システムを納品した後の保守で、対応範囲を巡って発注元と揉めてしまった」「深夜の障害対応がいつの間にか無償扱いになっている」そんなお悩みはありませんか。

実は、開発契約よりも保守運用契約の方がトラブルは長期化しがちです。

本記事では、その予防策を分かりやすく解説します。

この記事の結論

  • 保守契約は終わりのない継続契約のため、「どこまでが保守か」の範囲を書面で確定させることが最重要です。
  • SLA(サービスレベル合意)で対応時間帯・応答時間・復旧目標・免責事項を数値で定めると、双方の期待値のズレを防げます。
  • 障害対応や深夜休日対応は、保守料金内か別料金かを契約書に明記しておくことで、無償対応の泥沼化を避けられます。

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代表 村田圭
代表 村田 圭
登録番号 第26101461号
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開発契約より保守契約の方が揉めやすい理由

開発契約には「検収・納品」というゴールがあります。

一方、保守運用契約は終わりのない継続契約で、小さな不満が解消されないまま毎月積み重なっていきます。

さらに「どこまでが保守か」という範囲の曖昧さが加わると、「これくらい無償でやってくれて当然」という発注側の期待と、「それは契約外の作業だ」という受託側の認識のズレが慢性化し、紛争が長期化しやすいのです。

SLAで必ず決めておきたい4項目

SLA(サービスレベル合意)とは、提供するサービスの水準をあらかじめ数値等で明確にしておく取り決めです。

最低限、次の4点を契約書または別紙で定めましょう。

図解:SLAで定める4つの柱
① 対応時間帯
例:平日9時〜18時。時間外は対象外か、割増対応かを明示。
② 応答時間・復旧目標
例:一次応答は受付から4時間以内、復旧は「目標値」として設定。
③ 対象範囲
対象システム・サーバー・ソフトウェアを別紙で特定。範囲外を明記。
④ 免責事項
天災、クラウド等第三者サービスの障害、発注側の操作起因などを列挙。

復旧時間は「保証」と書くと未達成の際に責任を問われかねないため、実務では「目標値」であることを明示する書き方が多く用いられます。

「保守料金内か、別料金か」を切り分ける

費用の線引きは、作業の種類ごとに次のように整理しておきましょう。

作業の種類扱いの例
軽微な問い合わせ・操作説明月額保守料金内(月◯回までと上限を設ける例も)
バグ修正(受託側の原因によるもの)保守料金内とする例が多い
大規模障害・データ復旧別途見積りのうえ実施
仕様変更・機能追加別料金(開発案件として別契約)

緊急対応や深夜休日対応についても、「営業時間外の対応は基準単価の◯割増」「緊急出動は1回あたり◯円」のように単価と発動条件を数字で明記しておくことが最大のポイントです。

自動更新・解約予告と契約形態にも注意

保守契約は1年ごとの自動更新条項を置く例が一般的ですが、あわせて「解約は◯か月前までに書面で予告」という解約予告期間を定め、後任業者への引き継ぎ期間を確保しましょう。

また、保守は仕事の完成ではなく業務の遂行自体を目的とするため、請負ではなく準委任型で締結されることが多いとされます。

契約書がないまま保守を続けると、責任範囲も解約条件も証明できず、値上げ交渉も撤退も困難になります。

よくある質問

Q1. 口頭の約束だけで何年も保守を続けています。今から契約書を作れますか?

A. 可能です。現在の作業内容を棚卸しして範囲・料金・SLAを整理し、新たな契約書や覚書として書面化できます。

Q2. SLAの復旧目標を達成できなかったら損害賠償になりますか?

A. 定め方次第です。「目標値」と明記していれば直ちに債務不履行と評価されにくい一方、保証と読める書き方では責任を問われる可能性があります。

Q3. 行政書士に保守契約書の作成を依頼できますか?

A. はい。行政書士は契約書の作成・作成支援を行えます。ただし、紛争になった後の代理交渉や訴訟対応はできないため、その場合は弁護士をご紹介するなど連携して対応します。

理解度チェッククイズ

Q1. 保守運用契約が開発契約より揉めやすい主な理由はどれ?
A. 契約金額が必ず大きくなるから
B. 終わりのない継続契約で、範囲が曖昧になりやすいから
C. 法律上の規制が一切ないから

答えを見る

正解はB。検収というゴールがなく、範囲の曖昧さと不満が長期間積み重なるためです。

Q2. SLAで復旧時間を定めるとき、実務で多い書き方はどれ?
A. 必ず達成する保証値として書く
B. 目標値であることを明示して書く
C. あえて何も書かない

答えを見る

正解はB。保証と読める書き方は未達成時のリスクが大きく、目標値と明示する例が多いとされます。

Q3. 深夜休日の緊急対応費用について適切な対応はどれ?
A. 保守料金に当然含まれるので何も書かない
B. 単価と発動条件を契約書に数字で明記しておく
C. 障害が起きた都度、口頭で決める

答えを見る

正解はB。割増率や出動費を事前に明記することで、無償対応の常態化と後日の紛争を防げます。

体験談・事例

※守秘義務に配慮し、複数の事例を再構成したフィクションを含みます。

柏市のシステム開発会社A社は、流山市の製造業B社の販売管理システムを月額5万円で保守していましたが、契約書には「保守一式」としか書かれていませんでした。

次第に仕様変更や休日の障害対応まで無償で求められるようになりました。

当事務所で作業実態を棚卸しし、SLAと別料金基準、時間外の割増率を明記した契約書に作り直したところ、B社側も「頼める範囲が分かって安心した」と歓迎。

松戸市のフリーランスエンジニアからも同様のご相談が増えています。

ワンポイントアドバイス

契約更新のタイミングは、契約書を見直す絶好の機会です。

自動更新だからと放置せず、年に1回は運用実態と契約条項のズレを点検しましょう。

契約書に書かれていない作業は、「無償サービス」ではなく「明文化すべき業務」です。

まとめ

  • 保守契約は継続契約ゆえに揉めやすく、範囲の明文化が出発点です。
  • SLAでは対応時間帯・応答時間・復旧目標・対象範囲・免責事項を具体的に定めましょう。
  • 障害対応・仕様変更・深夜休日対応は保守料金内か別料金かを数字で明記することが重要です。
  • 自動更新条項と解約予告期間、準委任型という契約形態にも目配りを。

昔からの付き合いで契約書がない、という場合もあると思います。
しかし、契約書は双方に取ってあるべきものです。

今の時代ネット上にひな型もたくさんありますが、汎用性を持たせたものとなっておりますので、そのまま使用することはおススメできません。

これを機にしっかりとした契約書の締結をご検討いただければと思います。

当事務所へのご相談はHPまたは公式LINEから24時間受け付けております。

代表 村田圭
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