その3か月前は、いつですか。契約書の自動更新を止めそこねる3つの理由
こんにちは。
千葉県流山市の行政書士むらた事務所です。
今期で終わりにするつもりだった取引が、気づいたらもう1年続いていた。
こういうご相談を毎年いただきます。
原因はたいてい、契約書の最後のほうにある自動更新の一文です。
流山市・柏市・松戸市の事例をもとに整理します。
この記事の結論
- 更新を止める期限は、満了日から逆算した日とされます
- 通知は出した時ではなく、届いた時に効力が生じるとされます
- 建物を借りる契約には、別のルールが乗るとされます
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「3か月前まで」が、いつなのか決まっていますか
まず条項の形です。
多くの契約書には、期間満了の一定期間前までに申し出がなければ同じ条件で更新する、と書かれています。
問題は、その一定期間前が何月何日なのかを誰も計算していないことです。
3月末が満了で3か月前までなら、期限は12月末です。
年末の忙しい時期に重なるため、気づいたときには年が明けています。
契約書を交わした日ではなく、満了日から数える点にも注意が要ります。
数え方についても、期間の初日は算入しないのが民法の原則とされます。
1日違いで間に合わなかった、という争いを避けるなら、期限の数日前に動くのが確実です。
契約書を保管するときに、この期限を表紙に書いておいてください。
更新の可否を検討する日ではなく、通知が相手に届いていなければならない日です。
出したかどうかではなく、届いたかどうかです
次が、通知の出し方です。
ここで足をすくわれることがあります。
意思表示は、相手方に到達した時から効力を生じるとされます。
民法97条1項に定めがあるとされます。
つまり期限の当日にメールを送っても、相手が受け取れる状態になっていなければ争いになります。
担当者の個人アドレスに送っただけ、電話で伝えただけ、という形も後から証明が困難です。
契約書に「書面により」と書かれている場合、メールが書面に当たるかどうかも問題になります。
確実なのは、配達証明を付けた内容証明郵便です。
関係を続けたい相手であれば、まず電話でお伝えしたうえで、記録として書面を送る形が角も立ちません。
送った控えは、契約書と一緒に保管してください。
建物を借りている契約は、別のルールが乗ります
ここは分けて考える必要があります。
事務所や店舗を借りている契約では、契約書の記載だけでは決まりません。
建物の賃貸借では、貸主からの更新拒絶は満了の1年前から6か月前までの間に通知する必要があるとされます。
借地借家法26条1項に定めがあるとされます。
この通知をしなければ、従前と同じ条件で更新したものとみなされるとされます。
さらに、貸主が更新を拒むには正当な事由が要るとされます。
借主の側から出ていく場合の取扱いは、これとは別に契約書の解約条項で決まるのが通例です。
自社が貸主なのか借主なのかで、見るべき場所が変わるとお考えください。
更新を止めるときの確認順
1 満了日を確認する → 契約書の期間の条項
2 何か月前までかを確認する → 逆算して期限の日付を出す
3 通知の方法を確認する → 書面か、メールでも足りるか
4 到達させる → 配達証明付きの内容証明が確実
※ 建物の賃貸借は借地借家法が優先し、1年前から6か月前までとされる
よくある質問
Q. 期限を過ぎたらどうなりますか。
同じ条件でもう1期更新されるのが通例とされます【要確認】。更新後に解約したい場合は契約書の解約条項を見ることになりますが、中途解約に違約金が定められていることもあります。期限を過ぎたと気づいた時点で、まずどの条項が使えるかを確認してください。
Q. メールで通知しても有効ですか。
契約書の記載によります【要確認】。「書面により」と定められている場合、メールが書面に当たるかで争いになり得ます。確実なのは配達証明を付けた内容証明郵便です。関係を続けたい相手であれば、先に電話でお伝えしたうえで書面を送る形が角も立ちません。
Q. 相手が受け取りを拒んだ場合は。
到達したといえるかが問題になります【要確認】。受け取りを拒否されても、相手が内容を知り得る状態に置かれていれば到達と扱われることがあるとされます【要確認】。ただし個別の事情で判断が分かれる場面なので、この段階に至ったら弁護士へご相談ください。
理解度チェッククイズ
Q1. 「3か月前まで」の期限はどこから数えるでしょう。
A. 契約を結んだ日
B. 契約期間の満了日
C. 前回更新した日
答えを見る
正解:B。満了日から逆算します。
Q2. 通知はいつ効力が生じるとされるでしょう。
A. 発送した時
B. 相手方に到達した時
C. 相手が読んだ時
答えを見る
正解:B。出しただけでは足りません。
Q3. 建物の賃貸借で貸主が更新を拒む場合はどうでしょう。
A. 契約書の記載だけで決まる
B. 1年前から6か月前までの通知と正当事由が要る
C. いつでも自由に拒める
答えを見る
正解:B。借地借家法のルールが乗ります。
体験談・事例
流山市の事業者様から、来期は使わないシステムの契約を止めたいというご相談をいただいたことがあります。
契約書を拝見すると、満了の3か月前までに書面で申し出る形になっていました。
ご相談をいただいた時点で、その期限まで2週間を切っていました。
すぐに書面を作り、内容証明で送って間に合いましたが、あと少し遅ければもう1年分の費用が発生していました。
金額の大小にかかわらず、期限は先に押さえておくべきものです。
ワンポイントアドバイス
契約書を結んだら、その日のうちに更新の期限をカレンダーに入れてください。
入れるのは期限の日ではなく、その1か月前です。
検討する時間と、書面を作って送る時間が要るためです。
複数の契約がある会社様であれば、契約名・満了日・通知期限の3列だけの一覧を作っておくと管理できます。
行を増やすだけなので、表計算のソフトで十分です。
年に一度、決算の時期に見直す習慣にしておくと、抜けにくくなります。
まとめ
- 更新を止める期限は満了日から逆算して出すとされます
- 通知は相手方に到達した時に効力を生じるとされます
- 建物の賃貸借には借地借家法のルールが乗るとされます
ここまでが自動更新をめぐる整理です。
ただし実務では、止めることが決まってからのほうが大変です。
途中で解約する場合の違約金、預けた資料やデータの返還、引き継ぎの期間。
こうした点は解除の条項や別紙に書かれていることが多く、更新の条項だけを見ていると見落とします。
行政書士むらた事務所では、流山市・柏市・松戸市を中心に(ご相談内容によってはオンラインで全国対応)、契約書の作成とチェック、通知書面の作成、契約書の一覧化と期限管理の仕組みづくりをお引き受けしています。
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