行政書士試験|国家賠償法3条〜6条を基礎から整理【条文・趣旨・出題ポイント】

はじめに

行政書士試験の行政法分野の中でも、国家賠償法3条〜6条
「条文は短いのに、意味がつかみにくい」
そんな印象を持たれやすい部分です。

1条はよく出題され、解説も多い一方で、
3条以降は

  • とりあえず読んでいるだけ
  • どの場面で使われるのか分からない
  • 出題されたら運任せ

という状態になりがちです。

この記事では、暗記ではなく理解を目的として、
国家賠償法3条〜6条を
**「全体構造 → 各条文の意味」**の順で整理していきます。

私の予想だと、このあたりも今年の試験あたりから聞かれてくると思っています。


この記事はこんな人向け

  • 国家賠償法1条は理解している
  • 3条〜6条が頭の中でつながっていない
  • 条文の背景や立法趣旨から理解したい
  • 行政書士試験で安定して点を取りたい

Contents


国家賠償法3条〜6条の全体像を先に押さえる

まず大前提として、
**国家賠償法3条〜6条は「例外処理・調整規定」**です。

条文役割3条公共団体相互の責任調整4条公務員個人の求償5条裁判官の特則6条他法令との関係整理

👉 1条の責任原則を前提に、細かいズレを調整する条文群
と理解すると、位置づけが一気に明確になります。


国家賠償法3条とは何を定めた条文か

条文のポイント(要旨)

国家賠償法3条は、
国と公共団体、または公共団体同士の間で、
どちらが最終的に負担するか
を定めています。

ここで重要なのは、
👉 被害者救済の条文ではない
という点です。


なぜ3条が必要なのか

1条では、被害者に対する責任主体が定められています。
しかし実務上は、

  • 国の職員が市町村の事務を行う
  • 市町村の職員が国の事務を行う

といった 入り組んだ行政構造 が存在します。

このとき、

「最終的に誰が負担するのか」

を決めないと、
行政内部で責任の押し付け合いが起きてしまいます。

そこで登場するのが3条です。


行政書士試験での押さえ方(3条)

  • 被害者は 1条で請求
  • 3条は 内部的な精算ルール
  • 直接、国民が使う条文ではない

👉 出題されたら
「被害者との関係か/行政内部の話か」
を見極めるのがポイントです。


国家賠償法4条への橋渡し

3条が
「国・公共団体同士の関係」
だとすると、次の4条は

👉 国・公共団体と公務員個人の関係

を扱います。

ここで一気に論点が変わるため、
条文番号を追って丸暗記する学習は危険です。


まとめ(第1回)

  • 3条〜6条は「例外・調整規定」
  • 3条は被害者救済ではなく内部精算ルール
  • 1条との役割分担を理解することが最重要

国家賠償法4条の位置づけを先に整理する

国家賠償法4条は、
「公務員個人は責任を負うのか?」
という、行政書士試験で必ず問われる論点を扱っています。

ここで重要なのは、
責任の話が二段階になっている という点です。

  • 被害者に対して、誰が責任を負うのか
  • そのあと、内部で誰が負担するのか

この切り分けができていないと、
4条は一気に分からなくなります。


国家賠償法4条の基本ルール

国家賠償法4条の中身を、
まずはシンプルに言い換えます。

  • 被害者に対する責任主体
     → 国または公共団体
  • 公務員個人
     → 原則として直接責任を負わない
  • ただし
     → 国・公共団体が公務員に負担を求める余地はある

つまり4条は、
「被害者との関係」と「内部関係」を分ける条文 です。


なぜ公務員個人に直接請求できないのか

ここは「理由」を理解しておかないと、
選択肢で必ず迷います。

理由① 被害者救済を確実にするため

公務員個人に直接請求させると、

  • 支払い能力の問題
  • 責任の押し付け合い

が起きやすく、
被害者救済が不安定になります。

そこで、
資力と組織責任を持つ国・公共団体が前面に立つ
という構造が取られています。


理由② 公務の萎縮を防ぐため

もし公務員が、

「ミス=即個人責任」

という状態なら、
適切な判断を避けるようになります。

行政活動を円滑に行うため、
個人責任を直接問わない設計 が採られています。


理由③ 公務は組織行為だから

公務は、
個人の私的行為ではなく
国や公共団体という組織の活動 です。

そのため、
責任も組織が引き受ける、
という考え方が前提になっています。


行政書士試験で頻出の誤解

ここは引っかけとして非常に多いです。

  • ❌ 公務員は一切責任を負わない
  • ⭕ 被害者に対して直接責任を負わない

4条は、
公務員の責任を全面的に否定する条文ではありません。


「求償」という考え方(4条後段)

4条の後半で問題になるのが
求償 です。

求償とは何か

  • 国・公共団体が
  • 被害者に賠償したあと
  • 公務員に対して
  • 内部的に負担を求めること

👉 被害者は関与しません。


どんな場合に求償が問題になるか

行政書士試験では、
「常に求償できる」 という理解は誤りです。

判断の軸は、

  • 故意または重過失があるか
  • 職務との関連性
  • 公務員の地位や職責

などを総合的に見る点にあります。

👉 軽過失レベルでは、
求償が問題にならないケースが多い
という感覚を持っておくと処理しやすくなります。


条文ごとの「関係性」を整理する

ここで、1条・3条・4条の関係を
崩れない形で整理 します。

  • 1条
     被害者 → 国・公共団体
  • 3条
     国 → 公共団体
  • 4条
     国・公共団体 → 公務員

👉 毎条文で
「誰から誰への関係か」
を必ず確認するのがコツです。


学習でつまずきやすいポイント

多くの受験生が、

  • 条文番号順に暗記する
  • 文言だけを追う

という勉強をします。

しかし4条は、
主語と相手方を意識しないと確実に混乱 します。

  • 誰の話か
  • 誰との関係か

この2点を常に確認してください。


まとめ(第2回)

  • 4条は公務員の直接責任を否定する条文
  • 被害者救済を優先する構造
  • 求償は内部調整の問題
  • 条文ごとに「関係の矢印」を意識する

国家賠償法5条の位置づけ

国家賠償法5条は、
裁判官が関与する場合の特別ルールを定めた条文です。

ここでまず押さえるべきなのは、
👉 「裁判官だけが特別扱いされている理由」
を理解することです。

条文だけを読むと、

  • なぜ裁判官だけ?
  • 公務員なのに扱いが違うのは不公平では?

と感じやすいですが、
5条は制度全体との関係で見る必要があります。


国家賠償法5条の基本構造

5条の核心を、先に要約します。

  • 裁判官の職務行為については
     → 国家賠償責任が制限される
  • 原則として
     → 裁判内容そのものを理由に賠償請求できない
  • ただし
     → 例外的に責任が問題になる余地はある

つまり5条は、
司法判断の独立性を守るための条文です。


なぜ裁判官だけ特別扱いされるのか

ここは行政書士試験で
「理由」を聞かれやすいポイントです。

理由① 司法の独立を確保するため

裁判官が、

  • 判決を出すたびに
  • 「あとで賠償請求されるかも」

と考えなければならないとしたら、
自由な判断はできません。

👉 外部からの圧力を遮断する必要がある
これが最大の理由です。


理由② 不服申立て制度が既に用意されている

裁判に不服がある場合、

  • 控訴
  • 上告
  • 再審

といった
救済手段が別途用意されています。

そのため、
裁判結果そのものを
国家賠償で争う必要性は低い、
という考え方が前提にあります。


理由③ 1条の枠組みをそのまま当てはめられない

行政処分と違い、
裁判は

  • 当事者の主張
  • 証拠
  • 法解釈

を踏まえた
高度な判断行為です。

これを
単純な「違法行為」と同列に扱うのは不適切
という発想が5条の背景にあります。


行政書士試験での重要ポイント

5条でよくある誤解がこちらです。

  • ❌ 裁判官は国家賠償責任を一切負わない
  • ⭕ 原則として、裁判内容については責任を問えない

つまり、

👉 「原則免責・例外あり」

という構造を押さえることが重要です。


「裁判官の職務行為」とは何か

ここで注意したいのが、
対象となる行為の範囲です。

5条が問題にするのは、

  • 判決
  • 決定
  • 命令

といった
司法判断そのものです。

一方で、

  • 明らかに職務の範囲を逸脱した行為
  • 裁判と無関係な私的行為

は、
5条の想定外になります。

👉 すべての行為が守られるわけではない
という点は押さえておきましょう。


1条・4条・5条の違いを整理する

ここで再度、
条文ごとの視点を整理します(note対応)。

  • 1条
     被害者 → 国・公共団体(原則ルール)
  • 4条
     国・公共団体 → 公務員(内部調整)
  • 5条
     裁判官の司法判断 → 原則として国家賠償の対象外

👉 5条は
1条の適用範囲を限定する条文
と理解すると整理しやすくなります。


学習上の注意点(5条)

5条は、

  • 条文が短い
  • 出題頻度が高くない

ため、
後回しにされがちです。

しかし、

  • 「原則/例外」
  • 「なぜ特則があるのか」

を問う
理解型の選択肢で狙われやすい部分でもあります。

👉 丸暗記せず、
制度趣旨で押さえてください。


まとめ(第3回)

  • 5条は裁判官に関する特則
  • 司法の独立を守るための規定
  • 裁判内容そのものは原則として対象外
  • 1条の適用を制限する位置づけ

国家賠償法6条の位置づけ

国家賠償法6条は、
**これまでの条文とは毛色が違う「整理条文」**です。

3条〜5条が
「誰と誰の責任関係か」
を扱っていたのに対し、6条は

👉 国家賠償法と他の法律との関係

を明らかにしています。


国家賠償法6条の基本的な意味

6条のポイントは、非常にシンプルです。

  • 国家賠償法は
     → 最低限の共通ルール
  • 他の法律に
     → 特別な定めがあれば、そちらが優先される

つまり6条は、
「国家賠償法は万能ではない」
という前提を示す条文です。


なぜ6条が必要なのか

もし6条がなければ、

  • 個別法で特別ルールがあるのに
  • 国家賠償法1条だけを機械的に適用する

という事態が起こり得ます。

行政分野では、

  • 公害
  • 労災
  • 医療
  • 国家補償制度

など、
分野ごとに独自の救済制度 が用意されています。

👉 それらとの関係を整理するために、
6条が置かれています。


行政書士試験での6条の扱い

6条は、

  • 単独で深く問われる
    というより、

👉 「他法令がある場合どうなるか」
という形で、
1条と絡めて出題されることが多い条文です。

押さえるべき理解は1つだけです。

  • 国家賠償法は
     → 常に最優先されるわけではない

ありがちな誤解(6条)

  • ❌ 国家賠償法があれば他の法律は不要
  • ⭕ 他の法律に特別の定めがあれば、それが優先

👉 「国家賠償法=基本法」
👉 「個別法=例外・特則」

この関係を頭に入れておけば十分です。


ここまでの総整理(3条〜6条)

最後に、
国家賠償法3条〜6条を
矢印ベースで一気に整理します。


国家賠償法3条

国 → 公共団体

  • 行政内部での負担調整
  • 被害者は関与しない

国家賠償法4条

国・公共団体 → 公務員

  • 被害者への直接請求は不可
  • 求償は内部問題

国家賠償法5条

裁判官の司法判断
→ 原則として国家賠償の対象外

  • 司法の独立確保
  • 原則免責・例外あり

国家賠償法6条

国家賠償法 ↔ 他の法律

  • 他法令に特別ルールがあれば優先
  • 国家賠償法は共通ルール

1条との関係を最終確認

ここで、
最も大事な軸に戻ります。

  • 1条
     被害者 → 国・公共団体

👉 これが原則
👉 3条〜6条は、すべて
この原則を前提にした調整規定

という位置づけです。


行政書士試験での使い方(実戦編)

試験では、
条文番号を覚えているかよりも、

  • 誰と誰の話か
  • 外部責任か内部調整か
  • 原則か特則か

が問われます。

選択肢を見たら、まず

  1. 被害者の話か
  2. 行政内部の話か

を切り分けてください。

👉 それだけで、
3条〜6条の誤答は激減します。


おすすめ勉強法(条文がつながる)

  • 条文番号を縦に暗記しない
  • 矢印を書いて関係性を整理
  • 「なぜこの条文があるか」を説明できるか確認

これができれば、
国家賠償法は
暗記科目ではなく理解科目になります。


まとめ(最終)

  • 3条〜6条は調整・特則の集合体
  • すべて1条を前提に理解する
  • 「関係性の矢印」が最大の武器

CTA(行動導線)

ここまで読んだら、
次は 過去問で必ず確認してください。

  • 1条と4条を混ぜた問題
  • 5条の「原則/例外」を問う問題
  • 6条絡みの「他法令優先」問題

👉 この記事を横に置いて解く と、
理解のズレが一気に修正されます。

今年の試験の合格のため、頑張っていきましょう!

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