建設業許可は本当に必要?500万円基準と「許可が要る工事」を具体例で整理
【パート1/4】建設業許可は本当に必要?まず「500万円基準」を正しく理解する
あいさつ
「建設業許可って、結局うちに必要なんでしょうか?」
この質問は、建設業の方から本当に多く寄せられます。
特に多いのが、次のパターンです。
- 「500万円以下なら許可はいらないと聞いた」
- 「請求書を分ければ問題ないと思っている」
- 「材料は元請支給だから金額に入らないはず」
- 「元請に“許可ありますか”と聞かれて焦った」
結論から言うと、“500万円以下なら大丈夫”だけで判断するのは危険です。
理由は単純で、現場で起きる契約形態や追加工事、分割、材料支給などが絡むと、判断を誤りやすいからです。
この記事では、建設業許可の要否を「自分で一次判断できる」状態まで、具体例を多めに使って整理します。
この記事はこんな人向け
- 受注金額が大きくなってきて、許可の要否が不安
- 元請・不動産会社・ハウスメーカーとの取引を増やしたい
- 入札や公共工事はまだ先だが、選択肢は残したい
- 法令違反や取引停止のリスクは避けたい
- 書類作成が苦手で、どこから手を付ければいいか分からない
Contents
建設業許可は「建設業をやるなら必ず必要」ではない
まず大前提です。
建設業許可が必要なのは、ざっくり言うと 一定規模以上の工事を請け負うとき です。
許可が必要になる工事(基本ルール)
- 1件の工事の請負金額が500万円以上(税込)
- 建築一式工事は1,500万円以上(税込)
- または 延べ面積150㎡以上の木造住宅工事
ここで重要なのは「1件」と「税込」です。
そして、実務でこじれるのが次の点です。
- 追加工事が後から発生する
- 工期が長く、請求が複数回に分かれる
- 見積書の書き方で実態が見えにくい
- 材料支給・機器支給・別発注が混ざる
- 工事範囲が曖昧で、後から揉める
つまり、条文の数字だけ覚えても安全に判断できないんです。
500万円基準の「よくある誤解」4つ
誤解1:材料費は入れなくていい
入ります。
請負金額は、通常 工事全体にかかる対価として見られます。
「材料を自分で仕入れていないから関係ない」
「工賃だけの請求だから大丈夫」
こう思われがちですが、発注者側の支払実態や契約の仕組みにより、実態として500万円以上と判断されるリスクがあります。
誤解2:請求書を分ければ500万円未満にできる
形式だけ分けても、同一工事と判断されれば合算されます。
月次で請求している工事、工程ごとに分けた工事は特に注意です。
誤解3:契約書が2本だから別工事
これも同様です。
「場所」「目的」「時期」「工事内容」が一体なら、同一工事と見られやすいです。
誤解4:下請だけなら許可はいらない
下請でも、一定規模以上の工事を請け負うなら許可が必要です。
取引段階(元請か下請か)ではなく、請負金額と工事の内容が軸になります。
【実務で多い相談例】「500万円未満のはずが、追加工事で超えた」
よくあるのがこのケースです。
- 当初見積:480万円
- 途中で仕様変更・追加工事:70万円
- 合計:550万円
本人は「追加は別」と思っていても、発注者側は「同じ現場の同じ工事の続き」と考えます。
結果として、許可が必要な工事を無許可で請け負ったと見られる余地が出てしまいます。
ここまでの一次チェック(自分で判断するための質問)
次の質問に「はい」が多いほど、許可の必要性が高まります。
- 1件あたりの受注が500万円に近い(または超えることがある)
- 店舗内装・設備更新・リフォームなど、金額が膨らみやすい工事が多い
- 追加工事が出やすい
- 請求が分割になりがち
- 元請から「許可ある?」と聞かれた
- 取引先が法人中心になってきた
- 金融機関やリース会社と話す機会が増えた
この時点で「ちょっと危ないかも」と感じたら、パート2で具体例を見て精度を上げてください。
【パート2/4】「許可が要る工事」の具体例:金額が超えやすいパターンを分野別に整理
ここからは、現場で判断ミスが起きやすい分野を、具体例で整理します。
ポイントは、「見積では小さく見えるのに、合算すると500万円を超えやすい」ことです。
内装工事:店舗・テナントは要注意
具体例
- 店舗の内装一式(軽天、ボード、床、クロス、建具)
- 原状回復+改装
- 什器設置を含む内装
- サイン工事や照明計画まで含む改装
内装は、材料・造作・設備が混ざり、追加が出やすいです。
さらに、発注側が「内装一式」と捉えるため、分割しても合算されやすい傾向があります。
リフォーム工事:戸建てでも簡単に超える
具体例
- 水回り(キッチン・浴室・トイレ)をまとめて更新
- 外壁塗装+屋根工事
- 間取り変更(解体、造作、電気、設備)
- 断熱改修+サッシ交換
「リフォームは小工事」という思い込みが一番危ないです。
まとまった工事になると、500万円はすぐ超えます。
設備工事:機器が高く、見た目以上に金額が出る
具体例
- 空調設備更新(室外機・室内機・配管)
- 給排水設備の更新
- 太陽光パネル設置(関連工事含む)
- 受変電設備関連
設備は機器代が大きく、請負金額も上がりやすい。
「工賃だけ」としても、契約の組み方によっては、実態として大きな金額になります。
電気工事:テナント・工場は合算が起きやすい
具体例
- テナントの配線一式
- 分電盤交換+照明更新
- 工場の電源増設
- 監視カメラ・セキュリティ・LAN配線をまとめて施工
電気は「別工事っぽいもの」が同一現場でまとまりやすく、合算されるリスクが上がります。
解体工事:許可不要だと思い込むケースが多い
具体例
- 木造住宅解体
- 倉庫・工場の解体
- 内装解体(スケルトン)
- 外構撤去+整地
解体は金額が大きくなりやすく、無許可のまま受けてしまう相談が多い分野です。
外構・造成:外回りは「積み上げ」で超える
具体例
- 駐車場舗装+土間コン
- 擁壁、フェンス、門扉
- 造成、残土処分、整地
- 排水計画まで含む外構一式
外構は一つひとつは小さく見えても、合計すると大きくなります。
「許可が要らない工事」も、条件つきで整理
許可不要の典型は、明確に500万円未満の単発工事です。
例
- 小規模修繕
- 一部交換
- 軽微な補修
- 応急対応
ただし、次のパターンは注意です。
- 同じ現場で工事が連続する
- 工事範囲が後から増える
- 発注者が「一式」と認識している
- 実態が「同一工事の分割」になっている
このあたりは、自己判断がぶれやすいので、パート3で「許可がないと困る場面」を確認してください。
【パート3/4】無許可で続けるリスク:罰則より怖いのは「取引が止まる」こと
「今まで何も問題が起きていない」
この状態が一番判断を遅らせます。
でも実務的には、罰則云々よりも先に、別の形でダメージが出ます。
リスク1:元請・発注者からの確認が厳しくなる
最近増えているのが、元請側のコンプライアンス確認です。
- 「許可番号を教えてください」
- 「建設業許可証の写しを提出してください」
- 「許可業種は何ですか?」
この質問に答えられないと、
仕事の話が進まない、または別会社に流れることが起きます。
リスク2:入札や官公庁案件の入口に立てない
将来、公共工事や元請案件を取りたい場合、許可が前提になりやすいです。
「今はまだ先」と思っていても、チャンスが来たときに準備不足だと逃します。
リスク3:金融機関・リース・保証の評価に影響
許可の有無は、対外的な信用の材料として見られます。
融資、車両・機材のリース、保証関係で「許可があるか」を聞かれることがあります。
リスク4:行政指導・取引先のトラブルに巻き込まれる
無許可が疑われると、取引先側が「問題を避けたい」と判断し、関係が切れることがあります。
また、競合や第三者からの指摘が入ると、急に表に出るケースもあります。
【実務で多い相談例】「急ぎで許可が必要になったが、要件の証明が足りない」
この相談は本当に多いです。
- 経営経験の証明がうまく出せない
- 技術者要件を満たせない(資格や実務経験の整理が必要)
- 決算書・納税関係の資料が揃わない
- 会社の体制や役員構成の整理が必要
ここで大事なのは、
「許可が必要になってから動く」と、選択肢が減るということです。
「取るべきか」ではなく「いつ取るか」
現実的な相談タイミングは、次のいずれかです。
- 500万円に近い工事が増えてきた
- 元請や法人取引が増えそう
- 建設業として長く続けるつもりがある
- 法人化、事業拡大、採用を考えている
- 取引先から許可の話が出た
このタイミングで相談すると、
「要件が足りない場合の手当て」まで含めた設計ができます。
【パート4/4】建設業許可の判断フローと、行政書士に依頼するメリット(誘導設計つき)
ここまで読んで、「うちはどっちだ?」となると思います。
最後に、判断フローと、相談・依頼のメリットを整理して終わります。
自分でできる判断フロー(簡易版)
ステップ1:1件の請負金額が500万円以上になり得るか
- なる → 許可が必要な可能性が高い
- ならない → 次へ
ステップ2:追加工事や同一現場の連続工事が多いか
- 多い → 合算で超えるリスクがある
- 少ない → 次へ
ステップ3:契約や請求を分けている理由は「実態」か「形式」か
- 形式寄り → 同一工事と判断されるリスク
- 実態に沿っている → 次へ
ステップ4:取引先から許可の提示を求められているか
- 求められている → 近いうちに必要になる可能性が高い
- 求められていない → とはいえ将来計画次第
このフローで少しでも引っかかるなら、
早めに専門家へ確認するのが安全です。
行政書士に相談するメリット
1)許可が必要かどうかの判断が一発で整理できる
ネットの情報は一般論が多く、あなたの契約実態に合うとは限りません。
相談すれば、工事内容・契約形態・請求の仕方・取引先事情まで踏まえて判断できます。
2)要件が足りない場合の「現実的な道筋」を作れる
許可は「申請すれば通る」ものではありません。
経営経験、技術者、財産的基礎など、要件を満たす必要があります。
要件が足りない場合でも、
- 役員体制の見直し
- 実務経験の証明方法
- 資格取得の計画
- 申請までの段取り
など、現実的なルートを設計できます。
3)書類ミス・差戻しのリスクを下げられる
申請は提出して終わりではなく、確認や補正が入ることがあります。
忙しい現場仕事と並行して、慣れない書類対応をするのは負担が大きいです。
4)許可後も必要な手続きまで見据えられる
許可を取った後も、変更届や更新などが絡みます。
「取ったら終わり」ではないので、長期的に見て相談先があるのは強いです。
ここまで読んで、もしあなたが
- 500万円に近い工事がある
- 追加工事が多い
- 元請から許可の話が出た
- 将来、元請や法人取引を増やしたい
このどれかに当てはまるなら、
まずは「許可が必要かどうか」だけでも確認しておくと安心です。
まとめ
- 建設業許可は「一定規模以上の工事」で必要になる
- 500万円基準は、分割・追加工事・材料支給などで判断ミスが起きやすい
- 無許可のリスクは、罰則以前に「取引が止まる」形で出やすい
- 迷った時点で、早めに専門家へ確認するのが安全
CTA
「許可が必要かどうか分からない」
この状態を放置すると、チャンスが来たときに間に合わないことがあります。
行政書士に相談すれば、
- 許可の要否
- 申請できる状態か
- 申請までに何が必要か
- 最短で整える順番
が、あなたの状況に合わせて整理できます。
問い合わせ前に準備するもの(分かる範囲でOK)
- 工事の内容が分かる資料(見積書、請負契約書、請求書など)
- 直近の決算書(法人)または確定申告の控え(個人)
- 代表者の職歴や建設業の経験が分かるメモ
- 保有資格(あれば)
これだけで、相談の精度が上がります。
1度ご相談ください。


