憲法重要条文+有名判例

憲法の学習において、条文の知識だけでなく、それに関連する「判例」の理解は避けて通れません。
今回は、行政書士試験や公務員試験でも頻出の「重要条文」と「関連する有名判例」をセットで簡潔にまとめました。

復習や直前の確認用としてご活用ください。

🏛️ 1. 統治機構と基本原理

👑 第1条(天皇の地位・国民主権)

天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴です。この地位は、主権の存する国民の総意に基づきます。

判例:砂川事件(最大判) ✈️
  • 論点:日米安保条約などの高度な政治性を持つ問題は司法審査の対象となるか?
  • 結論対象外(統治行為論)。高度に政治性を有する国家行為は、裁判所の審査権の外にあり、国民の政治的判断に委ねられるべきとした。

🕊️ 2. 包括的人権と平等権

🍀 第13条(幸福追求権)

個人の尊重と幸福追求権を定めた条文です。「新しい人権(プライバシー権など)」の根拠となります。

判例:宴のあと事件 🍷
  • 論点:小説のモデルとなった人物のプライバシー侵害。
  • 結論プライバシー権は法的保護の対象。第13条を根拠に、私生活をみだりに公開されない権利が認められた。
判例:京都府学連事件 📸
  • 論点:デモ行進中の警察官による写真撮影は許されるか(肖像権)。
  • 結論:個人の尊重を基礎としつつも、公共の福祉による調整を受ける。犯罪捜査などの正当な理由があれば許容される。

⚖️ 第14条(法の下の平等)

すべて国民は、法の下に平等であり、差別されないことを定めています。

判例:尊属殺重罰規定違憲判決 👨‍👩‍👧
  • 論点:尊属(親など)を殺害した場合、通常の殺人より重く罰する規定は合憲か?
  • 結論違憲。目的は正当でも、手段において著しく不合理な差別であるとした。
判例:非嫡出子相続分差別違憲判決 👶
  • 論点:婚外子の相続分を嫡出子の半分とする民法の規定は合憲か?
  • 結論違憲。家族形態の多様化など社会状況の変化により、合理的な根拠が失われたと判断された。

🧠 3. 精神的自由権

💭 第19条(思想・良心の自由)

内心の自由は絶対的に保障されます。

判例:三井美唄事件
  • 結論:思想・信条そのものは制約できないが、それが外部的行為となった場合は、反社会的な活動として制約を受けることがある。
判例:君が代ピアノ伴奏事件 🎹
  • 結論:音楽教諭にピアノ伴奏を命じる職務命令は、特定の思想の強制ではなく、思想・良心の自由を侵さない(合憲)。

⛩️ 第20条(信教の自由・政教分離)

国はいかなる宗教活動もしてはなりません。

判例:津地鎮祭事件 🏗️
  • 基準目的効果基準を採用。
  • 結論:地鎮祭は習俗的行事であり、宗教的意義は希薄。特定の宗教を援助する効果もないため合憲
判例:愛媛玉串料訴訟 💸
  • 結論:県が靖国神社に玉串料を公金から支出した行為は、宗教的活動に当たり違憲

📢 第21条(表現の自由)※最重要

民主主義の根幹をなす極めて重要な権利です。

判例:北方ジャーナル事件 🚫
  • 論点:出版物の事前差止めは許されるか?
  • 結論:事前抑制(検閲)は原則禁止。ただし、名誉毀損など極めて例外的な場合にのみ事前差止めが許容される。
判例:猿払事件 📮
  • 論点:公務員の政治的活動の禁止。
  • 結論:行政の中立性を保つため、公務員の政治的行為に対する一定の制約は合憲
判例:徳島市公安条例事件 🚶‍♂️
  • 論点:デモ行進の規制条例。
  • 結論:刑罰法規は明確でなければならない(明確性の原則)。本条例は通常の判断能力があれば理解できるため合憲。

💼 4. 経済的自由権

🏪 第22条(職業選択の自由)

営業の自由もここに含まれます。規制の目的に応じて違憲審査基準が変わります。

判例:薬事法距離制限事件 💊
  • 結論違憲。薬局の開設距離制限は、国民の生命・健康を守る消極目的規制だが、手段として厳格な合理性を欠く(不要な規制である)と判断された。
判例:小売市場事件 🥦
  • 結論合憲。中小企業保護という積極目的規制については、立法府の裁量が広く認められる(明白性の原則)。

🏠 第29条(財産権)

財産権は不可侵ですが、公共の福祉に適合するよう法律で定められます。

判例:農地法事件 🌾
  • 結論合憲。農地改革による買収価格の低さは問題となったが、公共の福祉による正当な制約とされた。
判例:森林法共有林分割制限事件 🌲
  • 結論違憲。共有林の分割請求を制限することは、立法目的(森林細分化の防止)に対して手段が合理的ではなく、財産権の過度な制限である。

⛓️ 5. 人身の自由と司法権

📜 第31条(適正手続)

法律の定める手続によらなければ、刑罰を科せられません。

判例:成田新法事件 🚧
  • 結論:行政手続であっても、権利を制限する場合には、第31条の法意に照らし、適正な手続(告知・聴聞など)が必要である。

👩‍⚖️ 第81条(違憲審査制)

最高裁判所は、一切の法律等の合憲性を決定する権限を有します。

判例:統治行為論(砂川事件再掲) 🔄
  • 要点:高度に政治的な問題については、司法権の行使を控える(司法自制)という判断がなされた代表例。

📝 まとめ

憲法の判例学習では、「どのような事案で」「どの条文が問題となり」「どのような基準で結論が出たか」という流れを押さえることが重要です。

特に第21条(表現の自由)経済的自由(22条・29条)の規制目的二分論(消極目的・積極目的)の違いは試験でも頻出ポイントですので、しっかり整理しておきましょう!

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